経済的インセンティブで、医療の質は改善しない/BMJ

OECD加盟国では医療の質改善に経済的インセンティブを用いており、低・中所得国でその傾向が増大している。ただ、先頭を走っているのは米国と英国であり、他国は両国の施策をモニタリングし導入を決定している状況にある。米国ではここ10年で、病院医療の質改善にインセンティブを与えることは一般的になっているが、先行研究で「P4P(Pay for Performance)プログラムは、臨床的プロセスへの影響は限定的で、患者アウトカム改善や医療費削減に影響を及ぼさない」ことが示されている。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のIgna Bonfrer氏らは、これまで行われていなかった、米国における時期の異なる2つのプログラム(HQID[2003~09年]、HVBP[2011年~])参加病院の、インセンティブの影響について比較する検討を行った。その結果、HQIDから参加し10年以上インセンティブを受けている病院が、HVBPからの参加病院と比べて、医療の質が優れているというエビデンスは認められなかったという。BMJ誌2018年1月3日号掲載の報告。