心臓手術後の輸血、フィブリノゲン製剤はクリオ製剤に非劣性/JAMA

心肺バイパス手術後に臨床的に重大な出血と後天性低フィブリノゲン血症を呈する患者において、フィブリノゲン製剤投与はクリオプレシピテート投与に対し、バイパス手術後24時間に輸血された血液成分単位に関して非劣性であることが示された。カナダ・Sunnybrook Health Sciences CentreのJeannie Callum氏らによる無作為化試験「FIBRES試験」の結果で、著者は「フィブリノゲン製剤は、心臓手術後に後天性の低フィブリノゲン血症を呈する患者の輸血療法において使用可能と思われる」と述べている。大量出血は心臓手術では一般的な合併症であり、出血の重大な原因として後天性の低フィブリノゲン血症(フィブリノゲン値<1.5~2.0g/L)がある。後天性低フィブリノゲン血症に対してガイドラインでは、フィブリノゲン製剤もしくはクリオプレシピテートによるフィブリノゲン補充療法が推奨されているが、両製剤には重大な違いがあることが知られており、臨床的な比較データは不足していた。JAMA誌オンライン版2019年10月21日号掲載の報告。