肥満を加味しても、心血管疾患リスク予測能は向上しない:約22万人の解析

欧米、日本などの先進国では、心血管疾患の従来のリスク因子である収縮期血圧、糖尿病の既往歴、脂質値の情報がある場合に、さらに体格指数(BMI)や腹部肥満(ウエスト周囲長、ウエスト/ヒップ比)のデータを加えても、リスクの予測能はさほど改善されないことが、イギリス・ケンブリッジ大学公衆衛生/プライマリ・ケア科に運営センターを置くEmerging Risk Factors Collaboration(ERFC)の検討で明らかとなった。現行の各種ガイドラインは、心血管疾患リスクの評価における肥満の測定は不要とするものから、付加的な検査項目とするものや正規のリスク因子として測定を勧告するものまでさまざまだ。これら肥満の指標について長期的な再現性を評価した信頼性の高い調査がないことが、その一因となっているという。Lancet誌2011年3月26日号(オンライン版2011年3月11日号)掲載の報告。