抗ヒトTリンパ球免疫グロブリン追加でGVHDが半減/NEJM

急性白血病患者に対する同種末梢血幹細胞移植において、従来の骨髄破壊的前処置レジメンに抗ヒトTリンパ球免疫グロブリン(ATG)を加えると、2年時の慢性移植片対宿主病(GVHD)の発症率が半減することが、ドイツのハンブルク・エッペンドルフ大学医療センターのNicolaus Kroger氏らの検討で示された。慢性GVHDは、同種造血幹細胞移植後の晩期合併症や死亡の主な原因で、QOLを損なう。この20年間で、急性GVHDの予防には改善がみられるが、慢性GVHDの予防は改善されていない。ATGは唯一、非血縁ドナー由来の幹細胞移植時に使用すると慢性GVHDの発症率を低下させるとの報告があり、HLA一致ドナーからの移植に関する小規模の後ろ向き試験で抑制効果が確認されている。NEJM誌2016年1月7日号掲載の報告。