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抗うつ薬切替のベストタイミングは?

 うつ病における薬物治療では、第一選択薬の使用で奏功しない場合も多く、次の薬剤への切り替えはしばしば行われる。しかし、どのタイミングで切り替えを行えばよいかについては確立されていない。Romera氏らは大うつ病患者における抗うつ薬を切り替える最適なタイミングを明らかにするための検討を行った。J Clin Psychopharmacol誌2012年8月号の報告。

新たな選択肢か?!「抗精神病薬+COX-2阻害薬」自閉症の治療 

社会性やコミュニケーション能力に問題が生じる発達障害の一種である自閉症。日本の推定患者数は36万人ともいわれている。自閉症の発症メカニズムは明らかになっていないが、炎症性の反応異常と関係していると考えられている。Asadabadi氏らは自閉症患者に対するCOX-2阻害薬であるセレコキシブの使用が、補助療法として有用であるかをランダム化二重盲検プラセボ対照試験にて検討した。Psychopharmacology (Berl)誌オンライン版2012年7月11日号の報告。

切除可能なStageII/III大腸がんへの術後化学療法の代替療法としてテガフール坐剤術前投与は有用か?:KODK4多施設無作為化対照試験

切除可能なStageII/III大腸がん患者に対して、術前のテガフール坐剤の投与が、主に遠隔転移を抑えることによって再発を防ぎ生存率を改善する可能性が、Oncology誌オンライン版2012年6月21日号で報告された。この結果から、大腸がんにおける術前治療としてテガフール坐剤の有用性が示唆されるとしている。慶應義塾大学の岡林氏らの報告。

高齢の進行非小細胞肺がんに単剤療法と併用療法はどちらが有用か?:無作為化第II相試験

高齢者に対する化学療法において併用療法の有用性が議論されている。今回、高齢の進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対して、隔週ゲムシタビン(商品名:ジェムザールなど)+低用量カルボプラチン(商品名:パラプラチンなど)併用療法が、有効性、安全性、忍容性において容認されるという結果が、無作為化第II相試験で得られた。2012年6月15日付Lung Cancer誌オンライン版に掲載された。著者の浜松医科大学の草ヶ谷氏らは、今回の結果を確認するために多数の患者でのさらなる検討が必要としている。

新規2型糖尿病におけるインスリン持効型の投与は心血管疾患を増やすのか?

ORIGIN試験(Outcome Reduction with an Initial Glargine Intervention)研究グループは、11日、境界型を含む2型糖尿病患者に持効型インスリンを投与しても、従来治療に比べ、心血管イベント発生、がん発生に差を認めなかったことをNEJM誌オンライン速報版に発表した。このORIGIN試験では40ヵ国で2003年9月~2005年12月までに参加登録された症例を6年間追跡した。研究費提供元はサノフィ。

インスリン デグルデクの配合製剤は、低血糖リスクが低い(vs二相性インスリンアスパルト-30)

新規のインスリン配合製剤「インスリンデグルデク/インスリンアスパルト」は、二相性インスリンアスパルト-30に比べ、低血糖発現頻度を有意に低下させつつ、同程度の血糖コントロールを示すことが明らかになった。フィンランドのNiskanen氏らによる報告(Eur J Endocrinol誌オンライン版2012年6月1日号掲載)。

SU薬か、GLP-1受容体作動薬か?-メトホルミン難治性2型糖尿病-(Lancet 6月16日発表)

ドイツ エバーハルト・カール大学のBaptist Gallwitz氏は、16日、メトホルミン単剤投与で血糖コントロールが不良の2型糖尿病患者において、SU薬グリメピリドに比べ、GLP-1受容体作動薬エキセナチドの追加投与の有効性が高いことをLancet誌に発表した。これは2006年9月から2011年3月に欧州14ヵ国、128施設が参加して実施されたEUREXA(European Exenatide trial)試験の結果。研究費提供元はイーライリリー。

DPP-4阻害薬か、基礎インスリンか? -メトホルミン難治性2型糖尿病-(Lancet 6月16日発表)

コロンビア ハベリアナ大学のPablo Aschner氏は、16日、メトホルミン血糖コントロール不十分で、インスリン投与経験のない2型糖尿病における追加併用薬は、DPP-4阻害薬(シタグリプチン)より持効型インスリン (インスリングラルギン)が効果の面で優れており、安全面でも大きな問題がないことをLancet誌に発表した。これは17ヵ国、96施設が参加して実施されたEASIE(Evaluation of Insulin Glargine versus Sitagliptin in Insulin-naive Patients)試験の結果。研究費提供元はサノフィ。

高齢者の非小細胞肺がんに化学放射線療法は有益 日本臨床腫瘍研究グループ無作為化第III相試験の結果(JCOG0301)

化学放射線療法が、高齢者の局所進行非小細胞肺がんの全生存期間を改善するかは知られていない。Atagi氏らは、胸部放射線照射+低用量連日カルボプラチン併用療法が、放射線単独療法に比べ、高齢者の非小細胞肺がん患者の生存期間を延長するか評価している。結果の概要は昨年11月開催の第52回日本肺癌学会総会で発表されたが、その詳細がThe Lancet Oncology 2012年5月21日オンライン版に掲載された。

糖尿病予備群および早期糖尿病の患者を対象としたORIGINの結果を発表

フランスのサノフィ社は11日(現地時間)、ORIGIN試験(Outcome Reduction with Initial Glargine Intervention)の結果を報告し、ランタス(一般名:インスリングラルギン〔遺伝子組換え〕)は標準的治療に比べ、心血管系イベントの発生に対して統計的に悪影響を及ぼさないことを発表した。また同試験の結果より、インスリングラルギンは糖尿病予備群から2型糖尿病への進行を遅らせること、また同薬の投与と癌のリスク上昇との間に関連を認めないことが明らかにされた。サノフィ・アベンティスが14日に報告した。また試験結果は、第72回米国糖尿病学会において発表され、New England Journal of Medicine (NEJM)のオンライン版にも掲載された。

統合失調症の病態にメラトニンが関与?!

統合失調症におけるメラトニンの関与はこれまであまり議論されていない。Anderson氏らはメラトニンと統合失調症の罹患、神経免疫や酸化性病態生理、睡眠障害を含む特異的な症状、サーカディアンリズム、遅発性ジスキネジアやメタボリックシンドロームを含む抗精神病薬の副作用との関係をレビューした。Metab Brain Dis誌2012年6月号掲載(オンライン版2012年4月25日号)。

うつ病治療“次の一手”は?SSRI増量 or SNRI切替

重症うつ病の治療において第2段階の治療戦略を比較した報告は少ない。第一選択薬として使用したSSRIで治療効果が不十分だった場合、増量するべきか、SNRIへの切り替えを行うべきか明らかになっておらず、それぞれの忍容性と有効性を評価する必要がある。Bose氏らはSSRIであるエスシタロプラム10㎎/日で効果不十分であった患者における次の治療選択として、エスシタロプラムの増量とSNRIであるデュロキセチンへ切り替えた場合について比較検討した。Clin Drug Investig誌2012年6月号掲載。

安定COPD患者における運動中の交感神経活性に対するチオトロピウムの効果

チオトロピウムはオキシトロピウムに比べ、運動時の交感神経活性を抑制することが国立病院機構 刀根山病院の好村氏らによって報告された。好村氏らは「交感神経活性の抑制効果は呼吸機能、運動耐容能の改善や労作時の息切れを減少させる要因となると考えられ、呼吸数や心拍数の減少、動脈のアシドーシスの進展抑制とも関連していることが示唆された」と結論している。これまでチオトロピウムがCOPD患者の労作時の息切れを改善することや、うっ血性心不全のリスクを低下させることが知られていたが、運動時の交感神経活性に対する効果については知られていなかった。Int J Chron Obstruct Pulmon Dis 誌2012年5月22日(オンライン版2012年5月2日)掲載の報告。

わが国の乾癬治療における生物学的製剤の費用対効果 3剤比較

わが国では、この数年のうちに、中等症から重症の乾癬に対して生物学的治療が導入されるようになった。NTT東日本関東病院の五十嵐氏らは、日本の医療環境におけるアダリムマブ、インフリキシマブ、ウステキヌマブによる治療の費用対効果を評価すべく、本試験を実施。「日本の乾癬治療の現場においても、ウステキヌマブはアダリムマブやインフリキシマブと比較して費用対効果のよい生物学的製剤である」と結論づけている。Journal of Dermatological Treatment誌オンライン版2012年5月28日掲載の報告。

双極性障害患者に対するオランザピン単剤 or 併用の忍容性

リリー・リサーチ・ラボラトリーズの片桐氏らは日本人双極性障害患者に対しオランザピンを単剤または気分安定薬との併用にて18週間投与し、長期の安全性および有効性を検討した。その結果、「日本人でも欧米と同様、良好な結果が得られた」として、Curr Med Res Opin誌2012年5月号(オンライン版4月10日号)にて報告した。