痛みが強いほど腰部脊柱管狭窄症の術後改善は低い

強い疼痛を有するほど、腰部脊柱管狭窄症(LSS)の術後における腰痛、下肢痛および機能の改善は低いことが、韓国・ソウル大学のKim, Ho-Joong氏らによる前向き観察の研究の結果、明らかにされた。
痛みが強いほど腰部脊柱管狭窄症の術後改善は低い
強い疼痛を有するほど、腰部脊柱管狭窄症(LSS)の術後における腰痛、下肢痛および機能の改善は低いことが、韓国・ソウル大学のKim, Ho-Joong氏らによる前向き観察の研究の結果、明らかにされた。
美容師の手袋、染毛剤に安心な材質は?
美容師が染毛剤を使用するときの一般的な保護手袋の多くは、アレルギー性接触性皮膚炎の予防に十分でないことが、スウェーデン・ルンド大学のAntelmi氏らにより報告された。Contact Dermatitis誌オンライン版2014年11月19日掲載報告。
C型肝炎は内服でほぼ全例が治癒する時代へ
C型肝炎ウイルスに対する治療は、2011年の直接作用型抗ウイルス薬(Direct Acting Antivirals;DAA)の登場で大きく変換した。現在、効果のより高い薬剤・レジメンの開発が続いている。2014年11月26日、都内で開催されたC型肝炎プレスセミナー(主催:アッヴィ合同会社)にて、熊田 博光氏(虎の門病院分院長)がC型肝炎治療の進歩と著効率の変遷を解説、さらに開発中のレジメンを紹介し、「来年にはC型肝炎は内服薬のみでほぼ全症例が治癒する時代が到来するだろう」と予測した。
うつ病治療、概念や診断方法の相違が課題
うつ病患者に対し、精神科医とかかりつけ医(general practitioner)が協同してケアを実践していくべきという考えの下、日常臨床でうつ病の概念がどう位置付けられているか、また、うつ病の診断方法に対する精神科医とかかりつけ医の認識について、デンマーク・コペンハーゲン大学のAnnette S. Davidsen氏らは調査を行った。その結果、精神科医はうつ病の概念を実用的であると考え、診断方法の正当性に疑問を感じていなかったのに対し、かかりつけ医はうつ病を「グレーな領域」と考えており、うつ病診断の臨床的有用性に疑問を持っている状況を報告した。International Journal of Qualitative Studies on Health and Well-being誌オンライン版2014年11月6日号の掲載報告。
双子の研究で判明、腰痛リスクと生活環境の関係
遺伝および特異的生活習慣の因子は、慢性腰痛発症に有意に寄与すると考えられている。オーストラリア・シドニー大学のD.R.G. Junqueira氏らは、これまでの同仮説の検証の失敗を踏まえて、双子の腰痛患者を対象に遺伝および生活習慣因子について調べる検討を行った。
ベンゾジアゼピン処方、長時間型は大幅に減少
ベンゾジアゼピン系薬(BZD)やベンゾジアゼピン受容体アゴニスト(Z薬)の長期投与は、潜在的に生理的および精神的依存性や、その他の有害事象と関連している。デンマークのSophie Isabel Eriksen氏らは、同国における過去10年間の、BZDの処方の変化を調べた。その結果、長時間型は短時間型と比べて減少幅が大きかったことを報告した。Basic & Clinical Pharmacology & Toxicology誌オンライン版2014年11月10日号の掲載報告。
小児てんかんの死亡率を低下させるために
米国疾病予防管理センター(CDC)のAnbesaw W. Selassie氏らは、2000~2011年までのサウスカロライナ州における小児てんかんの死亡率、ならびにチーム医療がアウトカムに及ぼした影響などについて調査を行った。その結果、小児てんかんの全死亡率は8.8/1,000人年で、死亡の年間リスクは0.84%であることを報告した。そのうえで、チーム医療介入がアウトカムを改善すること、とくに併存症(co-occurring conditions)を有する患者への適切かつタイムリーな介入が早期死亡リスクを減少させうるとした。Morbidity and Mortality Weekly Report 2014年11月7日号の掲載報告。
ウステキヌマブ、日本人高齢患者の長期治療に有用
ウステキヌマブ(UST、商品名:ステラーラ)の長期1年間の治療は、日本人65歳以上の重症感染症を有していない乾癬患者について十分な効果が期待できるものであるようだ。東京慈恵会医科大学 皮膚科学講座の林 光葉氏、同教授の中川 秀己氏らがレトロスペクティブな検討の結果、報告した。
精神科病棟への長期入院の予測因子は
老年精神科の病床数は限られている。カナダ・カルガリー大学のZahinoor Ismail氏らは、高齢者の精神科病院の入院期間の予測因子を明らかにするため検討を行った。その結果、入院期間は概して入院時の臨床特性により予測されることが明らかになった。長期入院の予測因子は、無能力、陽性症状が認められることであり、認知症は長期入院の予測因子ではなかったという。International Psychogeriatrics誌オンライン版2014年10月21日号の掲載報告。
疼痛を伴うMSにデュロキセチンが有効
米国・コロラド大学ヘルスサイエンスセンターのTimothy L. Vollmer氏らは、神経障害性疼痛をしばしば有する多発性硬化症(NP-MS)患者における疼痛処置としてのデュロキセチン(商品名:サインバルタ)の有効性と忍容性を評価する無作為化二重盲検試験を行った。
糖尿病患者へのインフルエンザ予防接種、HbA1c値は抗体保有に影響するのか
インフルエンザA(H1N1)pdm09ワクチンは、1回の接種で、糖尿病患者の免疫力を十分なレベルまで高めることができ、HbA1c値は抗体保有割合に悪影響を及ぼさないことが、大阪市立大学の江川 裕美氏らによる研究で明らかになった。ただし、高齢者やBMIが低い患者では、免疫応答が低下する可能性があるという。Human vaccines & immunotherapeutics誌2014年5月号の報告。
統合失調症の治療目標、急性期と維持期で変更を:京都大学
抗精神病薬は、統合失調症の治療の柱であり、その効果は数百件の無作為化臨床試験によって確立されたものである。しかしながら、ベースライン時の症状の重症度を問わず有効なのか、どれぐらい効果があるのかは解明されていない。京都大学の古川 壽亮氏らは、統合失調症の初期重症度と抗精神病薬の有効性についてメタ解析にて検討した。その結果、抗精神病薬の効果は、急性期およびより陰性症状が主体となっている統合失調症の、全スペクトラムにおいて期待できるとの示唆が得られたことを報告した。所見を踏まえて著者は、「医師は、スペクトラムで軽症に向かっている患者については、症状改善の効果が減少している一方で有害作用のリスクが高まっていることに気付かなくてはならない。同時に、寛解期の患者の再発予防を見据えた抗精神病薬の使用に配慮する必要があり、この点が本検討の主眼であった」と述べている。JAMA Psychiatry誌オンライン版2014年11月5日号掲載の報告より。
美容皮膚科、有害事象発生は1%未満
米国・ノースウェスタン大学のMurad Alam氏らによる多施設共同前向きコホート研究の結果、レーザーや毒素、皮膚充填剤を用いた処置などの非侵襲性~微小侵襲性の美容皮膚科的な処置は、経験豊かな認定皮膚科医が行う限り安全であることを報告した。
2つのNMDA受容体拮抗薬、臨床像はなぜ異なるのか
メマンチンとケタミンは、いずれも臨床的にNMDA受容体のオープンチャンネル阻害により著明な薬理学的効果を示すが、臨床像は明確に異なる。米国・ワシントン大学のChristine M. Emnett氏らは、NMDA受容体チャンネル阻害と陽性アロステリック修飾物質(positive allosteric modulators:PAM)の相互作用について検討した。著者らは、以前の検討においてこの両者の違いを明らかにしNMDAの重要性を明確にしたが、PAMが薬理学的な阻害活性や阻害の違いに影響を与えているのかどうかについては不明なままであった。British Journal of Pharmacology誌オンライン版2014年11月6日号の掲載報告。
慢性骨髄性白血病に新たな治療薬登場
2014年11月19日、ファイザー株式会社は「慢性骨髄性白血病に残るアンメットニーズへの新たな治療選択肢」をテーマに、都内でプレスセミナーを開催した。 慢性骨髄性白血病(CML)は、造血幹細胞で染色体転座によって融合したBCR-ABL遺伝子によって引き起こされる。年間の発生率は10万人に1人程度で、慢性期には自覚症状はほとんどなく、移行期、急性転化期に進行すると予後不良となる。 今回のセミナーでは、同社のボスチニブ(商品名: ボシュリフ)が、9月26日に製造販売承認を取得したことを踏まえ、CML治療の概要やボスチニブの臨床成績などが紹介された。
アトピー、鼻炎は未熟児・死産リスクを低下
アトピー性皮膚炎およびアレルギー性鼻炎を有している妊婦では、予想に反して未熟児出産や死産のリスクが低下することが、ノルウェー・ベルゲン大学のHavard Tronnes氏らによる全国コホート研究の結果、明らかにされた。
抗精神病薬の皮質線条体系への影響を検証
統合失調症初回エピソード患者における、第二世代抗精神病薬による治療と大脳にある線条体の機能的結合性との関連について、米国・ジャッカー・ヒルサイド病院のDeepak K. Sarpal氏らが検討を行った。その結果、治療による精神症状改善に伴い、前頭葉部位との機能的結合性が増大する正の関連性や、頭頂葉内での機能的結合性が低下するといった負の関連性を明らかにした。JAMA Psychiatry誌オンライン版2014年11月5日号の掲載報告。
アトピー性感作 周囲の環境が影響
森林や農地など、自然の近くに家があるほど、小児のアトピー性感作が少ないことが、フィンランド・ヘルシンキ大学 のLasse Ruokolainen氏らにより報告された。 Allergy誌オンライン版2014年11月11日掲載報告。
女性は男性より有害な心血管代謝プロファイルを示す―日本の糖尿病患者
日本人の糖尿病患者は、男性よりも女性のほうが有害な心血管代謝プロファイルを示すことが、兵庫医科大学の若林 一郎氏による研究で明らかになった。日本の糖尿病女性は、男性よりも腹部肥満、高脈圧、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、メタボリックシンドロームの有病率が高いという。Journal of women's health誌オンライン版2014年11月14日号の報告。
腰痛持ち女性、望ましい性交体位は?
腰痛を有する女性では、性交渉時の動きや体位による腰痛の悪化が大きな問題である。カナダ・ウォータールー大学のNatalie Sidorkewicz氏らは、性交渉時の腰椎の動きを生体力学的に評価する初の試験を行った。