外傷による大量出血、早めの全血輸血が生存率を高める
外傷により大量出血を来している患者には、病院到着後にできるだけ早く全血輸血を行うことで、患者の生存率が改善する可能性のあることが新たな研究で明らかにされた。ただし、病院到着後の全血輸血がたった14分遅れただけでも、それが生存にもたらすベネフィットは著しく減少することも示されたという。米ボストン大学医学部外科分野のCrisanto Torres氏らによるこの研究結果は、「JAMA Surgery」に1月31日掲載された。
Torres氏らによると、現行の外傷救急治療では、重度の出血による輸血を必要とする患者の凝固障害リスクを緩和するために、赤血球や血小板などの特定の血液成分製剤をバランスよく輸血するアプローチを取るべきことが強調されているという。米国では、外傷患者に対する治療は年々進歩しているものの、大量出血による死亡は依然として予防可能な死因の中で最も多く、克服すべき課題であることに変わりはない。