てんかん発作には乳幼児早期からの積極的な症状コントロールが重要 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/10/12 非コントロールのてんかん発作は認知機能を障害し、その影響は発症が乳児期の場合に最も大きく、発症年齢の上昇とともに減弱することが、米国・ノースウエスタン大学小児記念病院のBerg AT氏らによる前向きコホート研究の結果、明らかにされた。この知見を踏まえて、著者は「てんかん発作に対し、乳幼児期の早期からの積極的な治療と発作コントロールが必要であることを強調するものである」と述べている。Neurology誌2012年9月25日号(オンライン版2012年9月12日号)の掲載報告。 非コントロールのてんかん発作が、とくに脳の発達期において、認知や行動に悪影響をもたらすことを示唆するエビデンスの増加を検証することを目的とした。 てんかん発作の新規発症を認めた8歳未満児198例を含む地域ベースのコホートを前向きに追跡し、8~9年後にWechsler Intelligence Scales for Children Third Edition(WISC-III)で再評価した。 発症年齢と薬物抵抗性の相互作用の線形回帰分析を用いて、早期の発症が、非コントロールのてんかん発作の影響に対して、より大きな脆弱性をもたらしたかを調べた。Full-scale IQ(FSIQ)と4つのサブ領域スコアを用いて調査し、サブセットでは行動順応スコアを補正し検討した。試験されなかった子ども、とくに試験を受けることができなかった子どもについては、IQ<80または≧80を評価指標とすることを認めた。 主な結果は以下のとおり。 ・FSIQは、年齢と関連しなかった。 ・薬物抵抗性は、FSIQの有意な低下と関連した(11.4ポイント低下、p=0.002)。同様にWISC-IIIの各領域の減少とも関連した。 ・FSIQと3つの領域に対して、かなりの年齢-薬物抵抗性の相互作用が認められたが、年齢の上昇とともに薬物抵抗性の影響の減少が示された。 ・IQ評価では、薬物抵抗群において発症年齢との強い関連が示された(p<0.0001)、非薬物抵抗群ではそうした関連はみられなかった。 ・行動順応スコアを補正した検証でも結果は変わらなかった。 関連医療ニュース ・小児におけるレベチラセタム静注の有効性と安全性を確認 ・成人で認められた抗てんかん薬の効果、小児でも有効か? ・神経内科医の注目が集まる「てんかん診療」高齢者のてんかん患者が増加! (ケアネット) 原著論文はこちら Berg AT H et al. Neurology. 2012 Sep 25;79(13):1384-91. Epub 2012 Sep 12. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 小児心臓弁膜症、部分心臓移植は実現可能か/JAMA(2025/09/10) 「かぜ」への抗菌薬処方、原則算定不可へ/社会保険診療報酬支払基金(2025/09/10) がん患者への早期緩和ケア、終末期の救急受診を減少(2025/09/10) 双極症に対する気分安定薬使用が認知機能に及ぼす影響〜メタ解析(2025/09/10) 日本女性、出産意欲の向上に関連する要素は?/神奈川県立保健福祉大学(2025/09/10) AIによる診療記録作成で医師のバーンアウトが減少(2025/09/10) 肺切除後の肺瘻リスク、低侵襲開胸手術で軽減の可能性(2025/09/10)