最初の1年がピーク、抗精神病薬による体重増加と代謝異常 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/10/25 抗精神薬に関連する代謝系の長期副作用に関するデータは不足している。英国・King's College LondonのRocio Perez-Iglesias氏らは、初回エピソード精神病患者を対象に、抗精神病薬投与後の体重増加および代謝異常の出現状況について検討した。その結果、最初の1年間に著しい体重増加が認められ、代謝に関しては総コレステロール、LDL-コレステロール、トリグリセリドなどの脂質異常を認めたことを報告した。結果を踏まえて著者は、「抗精神病薬投与後、最初の1年間は体重増加と代謝パラメータの変動に注意を要することが示唆された」と述べ、また「体重増加の経過を明らかにすることは、抗精神病薬に関連する代謝系有害事象の防止または軽減を目的とした研究における有用な情報となるであろう」とまとめている。The International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2013年10月8日号の掲載報告。 研究グループは、治療歴のない初回エピソード精神病患者を対象とした前向き長期試験は、抗精神病薬投与前の状況を把握でき、かつ交絡因子の影響が少ないという点で貴重な情報といえる、として本検討を行った。試験は、抗精神病薬投与開始後3年間における体重増加の経過および代謝異常の出現頻度を評価することを目的とした。初回エピソード精神病患者170例のコホートを、ハロペリドール群(32%)、オランザピン群(32%)、リスペリドン群(36%)に無作為化し、可変用量を投与した。初期治療は、臨床効果と忍容性を考慮し、必要に応じて変更された。 主な結果は以下のとおり。 ・3年時点における平均体重増加は12.1kg(SD:10.7)であった。 ・最初の1年間における体重増加が著しく(平均総体重増加量の85%)、その後は次第に安定した。 ・総コレステロール、LDL-コレステロールおよびトリグリセリド値は同様の推移を示し、最初の1年間においてのみ有意な増加がみられた。 ・血糖パラメータの有意な変化は認められなかった。 ・糖尿病の家族歴を有する2例で、2型糖尿病の発症がみられた。 ・短期評価において、体重増加と関連する因子は「BMI低値」「男性」「オランザピン投与」であった。 ・長期評価において、「機能的状態」と「臨床効果」が主要な予測因子であることが示された。 関連医療ニュース 抗精神病薬性の糖尿病、その機序とは 若年発症統合失調症への第二世代抗精神病薬治療で留意すべき点 統合失調症に対し抗精神病薬を中止することは可能か (ケアネット) 原著論文はこちら Perez-Iglesias R et al. Int J Neuropsychopharmacol. 2013 Oct 8:1-11. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] mRNAインフルエンザワクチンが「速い」「安い」「確実」を実現するかもしれない(解説:栗原宏氏)(2025/12/31) MASH(代謝異常関連脂肪性肝炎)に対するGLP-1/グルカゴン共受容体作動薬ペムビドチド24週間治療の成績;肝線維化ステージは改善せず(解説:相澤良夫氏)(2025/12/31) 子宮頸がん検診の選択肢に自己採取HPV検査を支持/米国がん協会(2025/12/31) がん免疫療法、投与時刻が効果に影響(2025/12/31) 認知機能低下のサインは運転行動に現れる?(2025/12/31) 疼痛治療薬の副作用が心不全の誤診を招く?(2025/12/31) お尻の形で糖尿病リスクを予測できる?(2025/12/31) 健康診断の新視点、筋肉量指標で高血圧リスクを見える化(2025/12/31) 飛行機や病院の空気中の微生物は皮膚由来の無害な細菌が優勢(2025/12/31)