乳幼児期のタバコの副流煙は喘息の早期発症を増大

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ケアネット

乳幼児期のタバコの副流煙は喘息の早期発症を増大のイメージ



大規模な家族ベースの遺伝子解析データをもとに、遺伝子変異と喘息との関連、さらにタバコの副流煙曝露との関連について検証していた、フランス国立医学衛生研究所Emmanuelle Bouzigon氏らのグループは、変異遺伝子の喘息発症リスクは早期発症に限定されること、またその場合、乳幼児期の喫煙曝露がリスクを増大することを明らかにした。NEJM誌2008年11月6日号(オンライン版2008年10月15日号)より。

早発喘息は一部のSNP、乳幼児期の副流煙曝露と有意に相関




すでに、変異遺伝子と喘息リスク増大については、染色体17q21変異の関与が明らかになっている。研究グループはこの遺伝子に着目し、喘息の遺伝要因および環境要因に関する疫学研究から得られた表現型と、大規模な環境関連データを含む家族ベースのゲノムデータから、被験者372家族1,511例について、17q21領域の一塩基多型(SNP)36個について喘息との関連を検証した。同様に変異遺伝子と、乳幼児期にタバコの副流煙に曝露したかどうかで喘息発症年齢が異なるかどうかについても検証した。

その結果、11個のSNPが喘息との有意な関連を示した(P<0.01)。そのうち3個(rs8069176、rs2305480、rs4795400)に強い関連が見られた(P<0.001)。

また、早発喘息(4歳以下で喘息を発症した患者)との相関は4個のSNPで強い有意な関連が見られた(P<10の-5乗)が、遅発喘息(4歳以後で喘息を発症した患者)との関連は見られなかった。

早発喘息の発症と乳幼児期の副流煙への曝露との関連については、6個のSNPにおいて有意な相関が観察された(P<5×10の-5乗)。

ホモ接合遺伝子型の副流煙曝露なら早発喘息リスクは2.9倍に




さらに副流煙に曝露した群での最良適合劣性遺伝モデルで、早発喘息と最も強い相関を示したSNP(rs8069176)のホモ接合(GG)が、他の遺伝子型(AGとAA)と比較して、リスクが2.9倍と高かった(P=2.8×10の-6乗、副流煙の曝露があった群となかった群で早発喘息へのSNP変異による影響について行った試験ではP=0.006)。

研究グループは、「17q21遺伝子変異による喘息リスクの増大は早発喘息に限定されること、そのリスクは、乳幼児期の副流煙曝露によってさらに増すことが明らかになった」と結論。これらの所見が喘息の病態生理の解明に寄与するだろうと述べている。

(武藤まき:医療ライター)

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