アトピー性皮膚炎への抗ヒスタミン薬、ルーチン使用を支持せず/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2026/08/06

 

 アトピー性皮膚炎患者において、ヒスタミンH1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)の追加投与は、重症度およびかゆみについて臨床的に意義のある改善には至らない可能性があり、睡眠障害やアトピー性皮膚炎の増悪も軽減しないことが示唆された。また、第1世代の同薬剤は認知機能障害の増加および有害事象による治療中断を増加させる可能性があり、第2世代の同薬剤では認知機能障害リスクに差異があることも示された。カナダ・マクマスター大学のAlexandro W.L. Chu氏らが無作為化試験のシステマティックレビューおよびネットワークメタ解析の結果を報告した。著者は、「これらの知見は、アトピー性皮膚炎の治療における抗ヒスタミン薬のルーチンな使用を支持しないことの根拠となり、臨床ガイドラインの改訂に資するものである」と述べている。BMJ誌2026年7月29日号掲載の報告。

システマティックレビューおよびネットワークメタ解析で評価

 アトピー性皮膚炎(湿疹)患者の治療における経口抗ヒスタミン薬の使用は、近年の英国では5人に1人、米国では約半数に上ると推定されている。研究グループは、これらのOTC薬の有益性と有害性を調べ、アトピー性皮膚炎の患者にとって重要なアウトカムに対処するために包括的な解析が必要であり、最適な治療には経口抗ヒスタミン薬の科学的根拠に基づく評価が必要として本検討を行った。

 開設から2025年5月5日までのMedline、Embase、CENTRALおよび米国食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)のデータベースを検索し、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を行った。

 適格試験は、抗ヒスタミン薬、H2受容体拮抗薬、肥満細胞膜安定化薬(nedocromil sodium、クロモグリク酸ナトリウム)あるいはそれらの併用の追加投与を評価した無作為化試験とした。2人のレビュアーがそれぞれ、記録のスクリーニング、データの抽出および改訂Cochrane Risk of Bias 2ツールを用いたバイアスリスクの評価を行った。

 ベイズ流ランダム効果ネットワークメタ解析により、アトピー性皮膚炎の重症度(oSCORAD、客観的スコア:0~83点、臨床的に意義のある最小差は8.2点、低スコアほど良好)、かゆみの重症度(数値評価スケール:0~10、臨床的に意義のある最小差は3、低値ほど良好)、睡眠障害、アトピー性皮膚炎に関連した生活の質(QOL)、および有害事象の統合解析を行った。エビデンスの確実性(質)の評価には、ネットワークメタ解析のためのGRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)およびCore GRADEアプローチが用いられた。

第1世代抗ヒスタミン薬は認知機能障害を増加

 解析には、主に中等症~重症の小児および成人6,230例(報告された平均年齢の中央値20歳[平均値の範囲:1~43])が登録された47試験が組み入れられた。27試験(57%)が小児を対象に含んでおり、31試験(66%)はプラセボ対照試験で、37試験(79%)は並行群間比較試験であった。また、36試験(77%)が全被験者に基礎的な併用治療(保湿剤または外用コルチコステロイド)が行われていた。

 中程度のエビデンスの確実性があるものとして、プラセボと比較し、第1世代または第2世代の抗ヒスタミン薬の追加投与は、アトピー性皮膚炎の重症度(平均群間差:-1.87、95%信用区間[CrI]:-3.47~-0.27)およびかゆみの重症度(平均群間差:-0.89、95%CrI:-1.41~-0.37)を、わずかに軽減したに過ぎない可能性が示唆された。統計的検出は可能であったが、これらの効果は、確立された意義のある最小差(患者が重要だとするアウトカムの最小変化量)を大きく下回るものであった。

 エビデンスの確実性は低かったが、すべての試験で検討された介入は、睡眠障害の改善やアトピー性皮膚炎増悪の軽減にはつながらない可能性が示唆された。

 第1世代の抗ヒスタミン薬の追加投与は、認知機能障害を増加させ(リスク差は被験者1,000人当たり66人増、95%CrI:0~231、エビデンスの確実性は中程度)、有害事象による治療中断も増加(リスク差は被験者1,000人当たり29人増、95%CrI:1~131、エビデンスの確実性は低い)させる可能性が示唆された。

 第2世代の抗ヒスタミン薬の追加投与は、認知機能障害のリスクについて差が認められた。平均的な影響の範囲は、ロラタジンが1,000人当たり0人増、レボセチリジンが1,000人当たり16人増、セチリジンが1,000人当たり17人増であった。

(ケアネット)