皮膚型ポルフィリン症、新規経口薬dersimelagonの有効性を確認/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2023/05/12

 

 赤芽球性(骨髄性)プロトポルフィリン症(EPP)またはX連鎖優性プロトポルフィリン症(XLDP)の患者において、新規経口薬の選択的メラノコルチン1受容体作動薬であるdersimelagonは、症状を伴わない日光曝露時間を有意に延長したことが示された。米国・マウントサイナイ・アイカーン医科大学のManisha Balwani氏らが、第II相無作為化プラセボ対照試験の結果を報告した。検討では、100mgと300mgの用量(いずれも1日1回投与)を評価し、両用量とも有意な延長と安全性が確認された。著者は、「潜在的な経口治療薬の選択肢として、さらなる開発を裏付けるものである」とまとめている。NEJM誌2023年4月13日号掲載の報告。

EPPとXLDPの患者を対象に、対プラセボで2つの用量の有効性と安全性を評価

 EPPとXLDPは、ヘム生合成の先天異常であり、血中の無金属プロトポルフィリン値上昇と光毒性を引き起こす。いずれも日光曝露後の耐え難い光線過敏症状(主に顔や手の甲)を特徴とする。

 研究グループは、両疾患患者の日光曝露に関連した症状の発症および重症度について、dersimelagonの有効性と安全性を評価する第II相試験を行った。

 18~75歳の患者を1対1対1の割合で、プラセボ群、dersimelagon 100mg群、同300mg群に無作為化し、1日1回16週間投与した。

 毎日の日光曝露と症状データを、患者が電子日記に記録。その記録に基づき、日光曝露に関連した最初の前駆症状が発現するまでの時間について、ベースラインから16週目までの変化量を主要エンドポイントとした。QOLと安全性も評価した。

日光曝露関連の前駆症状発現までの時間がdersimelagon群で有意に延長

 2018年7月5日~2019年4月22日に、計102例が無作為化され(EPP患者93例、XLDP患者9例)、92例(90%)が治療期間を完了した。

 日光曝露に関連した最初の前駆症状が発現するまでの1日当たりでみた時間(daily time)の平均は、dersimelagon投与群で有意に延長した。ベースラインから16週目までの変化量のプラセボ群との最小二乗平均差は、dersimelagon 100mg群で53.8分(p=0.008)、同300mg群で62.5分(p=0.003)であった。

 同様に、プラセボ群と比べてQOLの改善がdersimelagon群で認められた。

 治療中に発症または増悪した、最も多くみられた有害事象は、悪心、雀卵斑(そばかす)、頭痛、皮膚の色素沈着であった。

(ケアネット)