無症状成人の頭部・全身MRI、偶発的所見の有病率は?/BMJ

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 無症状の成人に対して行った頭部・全身MRI検査で発見される、潜在的に重篤な偶発的所見はどれくらいなのか。英国・エディンバラ大学のLorna M. Gibson氏らによるシステマティック・レビューとメタ解析の結果、有病率は3.9%であることが明らかにされた。そのうち悪性病変が疑われたのは約半数だが、最終的に重篤と診断される割合は偶発的所見の20.5%と相対的に少ないことが示されたという。ただし分析データが限定的で、それら病変の健康への影響はほとんど不明であった。著者は、「潜在的に重篤な偶発的所見のアウトカムをより理解でき、そうした所見をどうフィードバックするかを考えるうえで、系統的な長期追跡研究が必要だ」と述べている。偶発的所見の有病率の推定値はばらつきが大きく、多くが重篤でない偶発的所見を含んでいると考えられ、偶発的所見検出の臨床的価値は限定的である。BMJ誌2018年11月22日号掲載の報告。

ランダム効果メタ解析でプール有病率を推計
 研究グループは、MedlineとEmbaseの創刊~2017年4月25日を検索し、明らかに無症状の成人に対する頭部、胸部、腹部の各MRI検査または頭部・全身MRI検査における偶発的所見の有病率とタイプについて行った試験を対象に、システマティック・レビューとメタ解析を行った。

 プール有病率についてはランダム効果メタ解析で、異質性についてはτ2統計量で推計した。主要評価項目は、頭部、胸部、腹部、頭部・全身MRI検査における潜在的に重篤な偶発的所見の有病率だった。

潜在的に重篤な偶発的所見の約半数が悪性病変の疑い
 検索において5,905試験が選択され、そのうち包含基準を満たしたのは32試験(0.5%、被験者総数2万7,643例)だった。

 頭部・全身MRI検査による潜在的に重篤な偶発的所見のプール有病率は3.9%(95%信頼区間[CI]:0.4~27.1)、頭部MRI検査では1.4%(1.0~2.1)、胸部MRI検査では1.3%(0.2~8.1)、腹部MRI検査では1.9%(0.3~12.0)だった。潜在的重篤性が不確実の偶発的所見を含むと、プール有病率はいずれも増加し、それぞれ12.8%(3.9~34.3)、1.7%(1.1~2.6)、3.0%(0.8~11.3)、4.5%(1.5~12.9)だった。

 なお、解析対象とした試験については、相当の異質性が認められた。

 潜在的に重篤な偶発的所見のうち約半数は、悪性病変の疑いありだった(頭部:0.6%[95%CI:0.4~0.9]、胸部:0.6%[0.1~3.1]、腹部:1.3%[0.2~9.3]、頭部・全身:2.3%[0.3~15.4])。

 試験間のばらつきや、潜在的に重篤な偶発所見と関連する因子の有益なデータは、解析ソースから得られなかった。限定的データからは、潜在的に重篤な偶発的所見のうち、最終的に重篤であるとの診断に至ったものは相対的に少ないこと(48/234例、20.5%)が示された。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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