中等度リスクASへのTAVR、自己拡張型デバイスも有用/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2017/04/07

 

 中等度リスクの重度大動脈弁狭窄症(AS)患者を対象に、外科的大動脈弁置換術(SAVR)と経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)の有効性と安全性を比較したSURTAVI試験の結果、TAVRはSAVRに対し非劣性であることが認められた。また、有害事象は両手技で異なるものの、TAVRは中等度リスクの重度AS患者においてもSAVRの代替治療となり得ることが示唆された。米国・メソジスト・ドゥベーキー心臓血管センターのMichael J Reardon氏らが報告した。これまで、外科手術による死亡リスクが高い重度AS患者においては、TAVRがSAVRの代替治療となっていたが、中等度リスク患者での転帰はよく知られていなかった。NEJM誌オンライン版2017年3月17日号掲載の報告。

中等度リスクの症候性重度AS患者約1,700例で、TAVRと外科手術の臨床転帰を比較
 SURTAVI試験は、多施設共同無作為化非劣性試験として、2012年6月19日~2016年6月30日に、米国、欧州およびカナダの87施設において行われた。対象は、症候性の重度ASで、手術のリスクが中等度の患者(米国胸部外科学会死亡リスク予測因子[STS-PROM]基準で30日死亡リスクが3~15%、併存疾患、フレイル[高齢者の虚弱]、障害などにより判定)1,746例。TAVR群またはSAVR群に無作為に割り付け、24ヵ月間追跡した。TAVRは自己拡張型生体弁が用いられた。

 主要評価項目は、24ヵ月時の全死因死亡および介護が必要な脳卒中(disabling stroke)の複合エンドポイントで、TAVRのSAVRに対する非劣性をベイズ法(非劣性マージンは0.07)で解析した。主要評価および副次評価項目の統計解析は修正intention-to-treat集団で実施された。

TAVRは外科手術に対して非劣性であることを確認
 無作為化された1,746例(TAVR群879例、SAVR群867例)中、治療を受けた1,660例(それぞれ864例、796例)が解析対象となった。平均(±SD)年齢は79.8±6.2歳、STS-PROMスコアは4.5±1.6%であった。

 主要評価項目である24ヵ月時の複合エンドポイントの推定発生率は、TAVR群12.6%、SAVR群14.0%であった(両群の差のベイズ法による95%信用区間:-5.2~2.3%、非劣性の事後確率>0.999)。SAVR群では急性腎不全、心房細動、輸血が、TAVR群より多く発生した一方、TAVR群では残存大動脈弁逆流やペースメーカー植込みの頻度が高かった。TAVR群ではSAVR群と比較して、圧較差の低下が大きく弁口面積も拡大した。両群とも、24ヵ月時に生体弁の構造的劣化は認められなかった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 今井 靖( いまい やすし ) 氏

自治医科大学 臨床薬理学部門・循環器内科学部門 教授 附属病院 薬剤部長

J-CLEAR評議員