ガイドライン改善には個人データに基づくメタ解析の活用を/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2015/03/26

 

 臨床ガイドラインの作成に当たり、被験者個人データ(IPD)に基づくメタ解析の引用の割合は4割未満であることが明らかにされた。英国・ロンドン大学のClaire L Vale氏らが、177の診療ガイドラインについて調べた結果、報告した。IPDに基づくメタ解析は、エビデンスのゴールド・スタンダードと考えられており、臨床ガイドライン作成の鍵となるエビデンスを示している可能性も大きいとされる。結果について著者は、「IPDに基づくシステマティック・レビューとメタ解析が、活用されていないことが示された」と述べ、「ガイドライン開発者はルーティンに質のよい最新のIPDメタ解析を探索すべきである。IPDメタ解析の活用増大が、ガイドラインの改善につながり、最新の最も信頼性のあるエビデンスに基づくケアを患者にルーティンに提供することが可能となる」と指摘している。BMJ誌オンライン版2015年3月6日号掲載の報告より。

33のIPDに基づくメタ解析と177の臨床ガイドラインを検証
 Vale氏らは、コクランIPDメタ解析メソッド・グループが管理するデータベースと、その他公表されたIPDに基づくメタ解析データベースから、33のIPDに基づくメタ解析と、それに対応する177の診療ガイドラインについて調査を行った。

 ガイドラインへのIPDの活用について、評価を行った。

IPDメタ解析を引用したガイドラインは37%のみ
 結果、177のガイドラインのうち、マッチングするIPDメタ解析を引用していたのは、66件・37%に留まった。さらにそれら引用したメタ解析について、妥当性や信頼性などについて批判的視点で評価を行っていたのは、そのうちの22件・34%のみだった。

 臨床ガイドラインのうち、マッチングするIPDメタ解析を直接根拠にして作成されたものは、66件中18件(27%)だった。

 IPDメタ解析を引用していないガイドラインのうち、マッチングするIPDメタ解析の発表以降に作成しているものは、111件中23件(21%)にも上った。一方で、IPDメタ解析を引用しなかった明確な理由については、不明だった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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コメンテーター : 折笠 秀樹( おりがさ ひでき ) 氏

富山大学大学院医学薬学研究部バイオ統計学・ 臨床疫学 教授

J-CLEAR評議員