がん罹患数2015年までに10万人増加 医療機関タイプにより、がん薬物療法にバラつき--ケアネット「OncoJ」(オンコ・ジェイ)

提供元:ケアネット

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公開日:2009/03/05

 

 株式会社ケアネットは、のべ3,256 人のがん治療医の協力を得て、「日本のがん治療・がん薬物療法の実態に関する調査」と題したインターネット調査を実施しました(調査期間:2008 年10 月~12 月)。この度、集計結果をまとめましたので、その概要をお知らせいたします。本調査結果は、「OncoJ」(オンコ・ジェイ)という商品名で、2009 年3 月より主に製薬企業に向けて販売を開始します。■ 調査結果概要(一部抜粋)

 1. 「がん罹患数推計」
 がん罹患数は年々増加、推計では2009年の68万人から2015 年には78万人へ(20 がん種)。がん種別にみると、2015年の1位は「大腸がん」、2位は「肺がん」、3位は「胃がん」となった。

 2. 「がん薬物療法の実態」
 6がん種(大腸がん、肺がん、胃がん、乳がん、前立腺がん、腎細胞がん)の治療実態に関し、のべ3,256 人の医師から得た回答を集計。6がん種の治療実態に共通した特徴は以下の通りです。

 学会推奨の標準化学療法において、推奨薬剤以外の抗がん剤の使用は少なかったが、推奨薬剤であっても投与量は規定量未満のケースが大半であった。
 症例数の多い施設は、症例数の少ない施設に比べて、標準化学療法の採用率が高かった。
 全国がんセンター協議会加盟病院(全がん協病院)の内科系医師は、他施設に比べ、新薬の採用に積極的な傾向がみられた。

 医師が化学療法の中断・変更の理由として「効果不足」以外で挙げたものとしては、「副作用の対応が困難」、「患者の経済的負担が大きい」、「外来化学療法に不適」という回答が多かった。

 体制面で不足しているものとしては、「がん薬物療法専門医(オンコロジスト)の不足」、「緩和ケア体制の不足」、「他施設との連携不足」などが主なものとして挙げられた。

 勤務する施設で、化学療法のクリティカルパスが設定されていると回答した医師は、「大腸がん」が最大で51.6%、最低は「腎細胞がん」で15.6%であった。施設別にみると、「全がん協病院」の設定率が最も高かった。

詳細はプレスリリースへ
http://eir.eol.co.jp/EIR/View.aspx?template=announcement&sid=3062&code=2150