高リスクASCVDのLDL-C低下、インクリシランvs.ベムペド酸/ESC2026

提供元:ケアネット

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公開日:2026/09/15

 

最大耐用量のスタチン治療を受けてもLDL-C目標値に到達しない高リスクのアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)患者を対象に、ドイツ・Deutsches Herzzentrum der ChariteのIngo Hilgendorf氏らは、インクリシランとベムペド酸を直接比較する第IV相無作為化比較試験「VICTORION-Challenge試験」を実施した。その結果、インクリシランはベムペド酸よりLDL-C低下率および目標値達成率が有意に高かった。本結果は、2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)で発表され、European Heart Journal誌オンライン版2026年8月31日号に同時掲載された。


本研究は、多施設共同、非盲検、並行群間、無作為化比較試験。対象は、高リスクまたは超高リスクのASCVDを有し、最大耐用量の高強度スタチン(エゼチミブ併用の有無は問わない)を4週間以上継続してもLDL-C値が70mg/dL以上であった18歳以上の患者402例。インクリシラン300mg皮下注(1日目、90日目)群、またはベムペド酸180mg1日1回経口投与群に1:1で割り付けた。主要評価項目は150日目のLDL-C低下率、主な副次評価項目はLDL-C目標値達成率(超高リスク:55mg/dL未満、高リスク:70mg/dL未満)、絶対低下量、安全性などであった。


主な結果は以下のとおり。


・402例が無作為化され(インクリシラン群202例、ベムペド酸群200例)、396例が試験を完了した。平均年齢63.1歳、男性64.2%、ベースライン時の平均LDL-C値は94.4mg/dLで、88.6%が超高リスクであった。
・150日目のLDL-C低下率(最小二乗平均)は、インクリシラン群-56.31%、ベムペド酸群-15.35%で、群間差は-40.95%(95%信頼区間[CI]:-45.67~-36.24、p<0.0001)であった。30日目、90日目にもインクリシラン群の優位性が認められた。
・150日目の個別のLDL-C目標値達成率は、インクリシラン群78.2%、ベムペド酸群20.3%であった(調整オッズ比:16.36、95%CI:9.72~27.54、p<0.0001)。
・150日目のLDL-C絶対低下量は、インクリシラン群-53.42mg/dL、ベムペド酸群-17.53mg/dLであった(群間差:-35.89mg/dL、95%CI:-40.43~-31.36、p<0.0001)。PCSK9、ApoB、non-HDL-C、Lp(a)などの脂質指標もインクリシラン群でより低下した。
・治療下で発現した有害事象は、インクリシラン群63.1%、ベムペド酸群59.8%であった。治験薬関連有害事象は6.4%vs.14.6%、治験薬中止に至った有害事象は0%vs.5.0%、重篤な有害事象は8.4%vs.11.6%であった。横紋筋融解症はベムペド酸群で1例認められ、インクリシラン群では0例であった。

著者らは、最大耐用量のスタチン治療下でもLDL-C目標値に達していない高リスクまたは超高リスクのASCVD患者において、インクリシランはベムペド酸と比べLDL-Cを有意かつ一貫して低下させ、目標値達成率も高かったとまとめている。なお、本試験はノバルティス ファーマの支援により実施され、著者には同社社員が含まれる。

(ケアネット 古賀 公子)

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