心血管疾患を有しない慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において、β遮断薬が予後を改善する可能性が指摘されているが、無作為化比較試験の結果は一貫していない。今回、スウェーデン・Orebro UniversityのJosefin Sundh氏らが心血管疾患のないCOPD患者に対するメトプロロール追加投与の有効性を検討した結果、メトプロロールがCOPD増悪・心血管イベント・死亡の複合アウトカムまでの期間を有意に改善しなかったことを報告した。NEJM Evidence誌オンライン版2026年9月6日号に掲載。
本研究は、多施設共同非盲検プラグマティック第IV相無作為化比較試験である。対象は、40歳以上、COPDを有し、洞調律で心血管疾患のない患者で、標準ケアに加えてメトプロロールを目標用量100mg/日で投与する群、または標準ケアのみの群に1:1の割合で無作為に割り付け、1年間追跡した。主要評価項目は、COPD増悪、心血管イベント、死亡のいずれかが最初に発生するまでの期間とした。
主な結果は以下のとおり。
・無作為化された患者は1,695例(メトプロロール群848例、標準ケア群847例)で、平均年齢は70歳、女性の割合は62%であった。
・主要評価項目は、メトプロロール群27%、標準ケア群30%に発生し、両群間に有意差は認められなかった(ハザード比[HR]:0.87、95%信頼区間[CI]:0.73~1.05、p=0.14)。
・COPD増悪についても、メトプロロール群で有意なリスク低下は示されなかった(HR:0.88、95%CI:0.72~1.06)。
・心血管イベントのHRは0.73(95%CI:0.48~1.11)、死亡のHRは0.92(同:0.48~1.77)、入院を要するCOPD増悪のHRは0.87(同:0.58~1.28)であった。
・重篤な有害事象は、メトプロロール群80例(9.4%)、標準ケア群66例(7.8%)に発現した。
・非重篤な有害事象は、メトプロロール群293例(34.6%)、標準ケア群247例(29.2%)に発現した。
(ケアネット 金沢 浩子)