日本人片頭痛患者の特徴と治療パターンが判明~OVERCOME研究

提供元:ケアネット

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公開日:2026/08/27

 

 片頭痛が個人の生活に及ぼす負担は、その人の背景と関連している。しかし、日本においては、年齢、性別、就労状況、収入、家族の介護といった要因と患者報告アウトカム(PRO)や片頭痛の治療パターンとの関連に関するエビデンスは限られている。大分・おおば脳神経外科・頭痛クリニックの大場 さとみ氏らは、日本における片頭痛の疫学・治療・ケアに関する観察研究であるOVERCOME(Japan)第2回研究のデータを用い、人口統計学的サブグループごとの片頭痛による負担および治療薬の使用状況について解析を行った。Pain and Therapy誌オンライン版2026年7月14日号の報告。

 研究参加者は、自身の人口統計学的・臨床的特性に加え、Headache Impact Test-6(HIT-6)、片頭痛障害評価尺度(MIDAS)、Migraine-Specific Quality of Life Questionnaire version 2.1(MSQ v2.1)、片頭痛発作間欠期負担スケール(MIBS-4)、Impact of Migraine on Partners and Adolescent Children ScaleといったPRO尺度への自己報告を行った。また、片頭痛に対するOTC薬および処方薬の使用状況、頭痛に関連する費用についても報告した。性別、就労状況、月経関連片頭痛の有無および頻度、個人および世帯の年間収入、年齢、高齢者の介護状況の各項目について、記述統計を報告した。

 主な結果は以下のとおり。

・女性、無職、月経関連片頭痛、個人または世帯収入の低さ、高齢者の介護を行っていることは、片頭痛による負担を増大させ、処方薬の使用に影響を及ぼす傾向がみられた。
・具体的には、男性は女性と比較し、トリプタン製剤(11.7%vs.8.7%)、予防薬(18.3%vs.11.2%)の使用率が高い傾向が認められた。
・また、無職の女性ではMIDASグレードIVの割合が最も高く(14.1%)、月経関連片頭痛を有する女性は、そうでない女性と比較し、MIBS-4で重度の負担と判定される割合が高い傾向が認められた(36.3%vs.27.8%)。
・さらに、家族の介護を行っている患者は、行っていない患者と比較し、MIBS-4で重度の負担と判定される割合(39.2%vs.26.0%)や処方薬の使用率が高い傾向が認められた。
・性別は、就労状況や収入のサブグループ内においても、片頭痛による負担や治療パターンに影響を及ぼしていることが示唆された。

 著者らは「これらのデータは、特定の社会人口統計学的グループにおいて、片頭痛による負担がより大きく、効果的な治療やケアへのアクセスが制限されている可能性があることを示唆している。本研究の結果が、医療従事者や社会全体での片頭痛患者の特定、臨床ケアにおける潜在的な格差の解消に役立つことが期待される」と結論付けている。

(鷹野 敦夫)