Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease(GOLD)2026では、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪リスク評価において、中等度増悪1回の患者も高リスク(Group E)に分類されることになったが、この変更を支持する予後データは限られている。今回、韓国・The Catholic University of KoreaのJoon Young Choi氏らは、Korean COPD Subgroup Studyのデータを用いて、中等度増悪1回が将来の増悪および長期死亡リスクを同定するか、またGOLD2026の増悪歴に基づくリスク定義がGOLD2025より予後識別能を改善するかを検討した。その結果、中等度増悪1回は、将来の増悪および12年死亡リスクの上昇と独立して関連し、GOLD2026基準はGOLD2025基準より全死亡の判別能が高かった。Chest誌オンライン版2026年7月29日号に掲載。
本研究は、韓国の前向き多施設COPDコホートであるKorean COPD Subgroup Studyのデータを用いた解析である。対象はCOPD患者1,551例で、初年度の増悪歴に基づき、増悪なし、中等度増悪1回、中等度増悪2回以上もしくは重度増悪1回以上に分類した。2年目の将来の増悪は負の二項回帰モデルで評価し、最長12年の全死亡および呼吸器疾患による死亡はCox比例ハザードモデルで評価した。さらに、GOLD2025およびGOLD2026の増悪歴に基づくリスク定義について、時間依存性AUC解析により予後判別能を比較した。
主な結果は以下のとおり。
・解析対象1,551例のうち、初年度に中等度増悪1回を経験した患者は241例(15.5%)、中等度増悪2回以上または重度増悪1回以上を経験した患者は392例(25.3%)であった。増悪なしは918例(59.2%)であった。
・中等度増悪1回は、増悪なしと比較して、2年目の中等度~重度増悪リスクの上昇と関連していた(調整発生率比[aIRR]:2.42、95%信頼区間[CI]:1.85~3.17)。
・中等度増悪1回は、2年目の重度増悪リスクの上昇とも関連していた(aIRR:2.21、95%CI:1.27~3.85)。
・最長12年の追跡において、中等度増悪1回は全死亡リスクの上昇と独立して関連していた(調整ハザード比[aHR]:1.49、95%CI:1.02~2.15)。
・中等度増悪1回は、呼吸器疾患による死亡リスクの上昇とも独立して関連していた(aHR:3.21、95%CI:1.76~5.88)。
・GOLD2026基準では、中等度増悪1回の241例を含めて633例(40.8%)が増悪歴に基づく高リスク群に分類される一方、GOLD2025基準で高リスクに該当するのは中等度増悪2回以上または重度増悪1回以上の392例(25.3%)であった。
・10年時点の全死亡判別能は、GOLD2026基準がGOLD2025基準を上回った(AUC:0.760 vs.0.734、ΔAUC:0.025、95%CI:0.004~0.046)。
著者らは、「中等度増悪1回は、将来の増悪および死亡リスクが高いCOPD患者を同定する指標であり、GOLD2026でこれらの患者を高リスクに分類することを支持する結果であった」とまとめている。
(ケアネット 金沢 浩子)