お知らせがあります

超多剤併用高齢患者の処方を減量・中止させるには

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2026/08/11

 

 高齢になると多数の併存疾患が存在し、このため処方される薬剤も多く、いかに減量・中止するか、いわゆる「ポリファーマシー」が課題となっている。ポリファーマシーを成功させるには何が必要であろう。このテーマについて、オランダ・SIR薬局業務・政策研究所のGert Baas氏らの研究グループは、高齢患者の処方薬の減量・中止について、臨床的服薬レビュー(CMR)が薬剤数に影響を及ぼすかどうかを調査した。その結果、研修を受けた薬剤師によるCMRは薬剤数に影響を及ぼすことがわかった。この内容はAge and Ageing誌2026年7月2日号に掲載された。

研修を受けた薬剤師が薬剤を減量・中止させることを示唆

 研究グループは、1回服用分包(MDD)システムを利用している超多剤併用(ベースラインで慢性疾患治療薬が 10 種類以上)の75歳以上の患者を対象に、研修を受けた薬剤師による減量・中止に重点を置いたCMRが薬剤数に及ぼす影響を調査した。このクラスター無作為化比較試験では、薬剤師に対し服薬削減に重点を置いたCMRの実施に関する研修を行った一方で、対照群の薬局では通常のケアを提供した。対象は75歳以上で超多剤併用状態にあり、MDDを利用している患者。主要評価項目は、6ヵ月後の患者1人当たりの減量・中止された薬剤数とした。副次評価項目は、薬剤の総数、健康上の問題、および生活の質(EQ-5D-5L、EQ-VAS)とした。主要評価項目の解析には、一般化線形混合モデルを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・58の薬局から計318例の患者が登録された(介入群155例、対照群163例)。
・6ヵ月時点で介入群の患者は1人当たり平均2.5剤、対照群の患者は1人当たり平均1.7剤(平均差0.79、95%信頼区間[CI]:0.29~1.28、p=0.002)と介入群で多くの薬剤が有意に減量・中止されていた。
・6ヵ月時点での薬剤総数には、群間に有意差は認められなかった(介入群-0.30 vs.対照群+0.12、p=0.108)。
・健康上の問題や生活の質において有意差は認められなかった。

 研究グループは、この結果から「研修を受けた薬剤師による減量・中止に重点を置いたCMRは、MDDシステムを利用する超多剤併用状態の高齢患者において、薬剤の減量・中止を促進することに成功した。その一方で、6ヵ月間において健康上の問題や健康関連の生活の質に変化は認められなかった」と結論付けている。

(ケアネット 稲川 進)