熱中症による入院患者、多い服用薬は?/MDV

提供元:ケアネット

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公開日:2026/07/23

 

 高温環境により体温調節機能が破綻して発症する熱中症。今年もこの対策が必要な季節が到来した。昨年までの天気予報では「猛暑日」(35℃以上)の表現が多用されていたが、2026年4月17日に気象庁が最高気温40℃以上の名称を「酷暑日」と正式決定し、これまで以上に熱中症対策の重要性が高まっている。

 熱中症の重症例では中枢神経障害や循環不全、急性腎障害(AKI)などの多臓器障害を引き起こし、とくにAKIでは脱水や循環血液量減少、横紋筋融解症などを要因とし、集中治療や腎代替療法を要する場合もある。発症予防はもちろんのこと、重症化予防を行うためには患者背景や併存疾患、服用薬剤から重症化リスクをあらかじめ把握しておくことが極めて重要となる。

 そこで、メディカル・データ・ビジョン(MDV)は自社が保有するDPCデータを基に、熱中症入院患者における事前処方薬の状況などの調査を行った。

熱中症入院患者における事前処方薬の状況

 
対象期間:2022年4月~2025年5月
対象:熱中症入院患者1万1,323例(総入院件数1万1,520件)
結果:
・処方割合が最も高かったのは精神安定剤(7.6%)で、次いでアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB、単剤7.4%)、β遮断薬(単剤6.2%)、ループ利尿薬(単剤5.4%)となった。
・抗ヒスタミン薬、抗不安薬、SGLT2阻害薬、ビグアナイド系薬などでも一定割合で認められた。
・いずれの薬剤群も熱中症入院患者全体に占める処方割合は10%未満であり、単一薬剤群への偏りは認められなかった。
・熱中症入院患者では高血圧、糖尿病、精神・神経疾患などの慢性疾患治療薬が処方されているケースが多く、その背景は多岐にわたっていた。

<処方薬上位5つの薬効群>
◯精神安定剤:実患者数859(7.6%)、入院数**871(7.6%)
◯ARB(単剤):同842(7.4%)、同855(7.4%)
◯β遮断薬(単剤):同704(6.2%)、同717(6.2%)
◯ループ利尿薬(単剤):同608(5.4%)、同618(5.4%)
◯抗ヒスタミン薬(全身用):同402(3.6%)、同408(3.5%)
*入院日以前100日間での処方患者数/熱中症で入院患者数
**入院日以前100日間での処方患者数/熱中症で入院数


 このほか、熱中症かつAKI合併患者での事前処方薬の推移や重症熱中症における腎代替療法の実施状況についても検証されている。

(ケアネット 土井 舞子)