IDH1変異陽性胆道がんに対するイボシデニブ、国内初のIDH1阻害薬として承認/日本セルヴィエ

提供元:ケアネット

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公開日:2026/06/26

 

 日本セルヴィエは2026年6月19日、IDH1遺伝子変異陽性の切除不能な胆道がんを対象として、イボシデニブ(商品名:ティブソボ)の適応追加承認を取得したと発表した。適応は「がん化学療法後に増悪したIDH1遺伝子変異陽性の治癒切除不能な胆道癌」であり、国内初のIDH1遺伝子変異を標的とした胆道がん治療薬となる。

 胆道がんは胆管がん、胆嚢がん、十二指腸乳頭部がんからなり、多くが進行期に診断されるため予後不良である。なかでも肝内胆管がんは近年国内で増加傾向にあり、10~20%の症例にIDH1遺伝子変異が認められると報告されている。これまで国内では、胆道がんに対するIDH1変異標的薬は承認されておらず、2次治療以降の選択肢は限られていた。

 今回の承認は、IDH1遺伝子変異陽性の既治療切除不能または転移のある胆管がん患者を対象とした国際第III相試験「ClarIDHy試験」および日本人患者を対象とした国内第II相試験(CL2-95031-008試験)の結果に基づく。

 ClarIDHy試験は185例を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、患者はイボシデニブ500mg群またはプラセボ群に2:1で割り付けられた。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は、イボシデニブ群で中央値2.7ヵ月、プラセボ群で1.4ヵ月となり、有意な改善が示された(ハザード比[HR]:0.37、95%信頼区間[CI]:0.25~0.54、p<0.0001)。

 一方、副次評価項目の全生存期間(OS)は、イボシデニブ群10.3ヵ月、プラセボ群7.5ヵ月で統計学的に有意な延長は認められなかった。しかし、本試験ではプラセボ群患者の70.5%が病勢進行後にイボシデニブへクロスオーバーしており、その影響を補正した解析ではOS中央値はプラセボ群5.1ヵ月となり、イボシデニブ群は死亡リスクを51%低減した(HR:0.49、95%CI:0.34~0.70、p<0.0001)。

 安全性解析対象166例における副作用発現率は62.7%であった。主な副作用は下痢(21.1%)、悪心(20.5%)、疲労(16.9%)、嘔吐(8.4%)、食欲減退(7.2%)、頭痛(6.0%)、心電図QT延長(5.4%)などであり、既報と大きな差異は認められなかった。

 イボシデニブは2025年3月にIDH1遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病(AML)に対する適応で国内承認を取得しており、今回の適応追加により固形がん領域へ保険適用が拡大した。胆道がんでは近年、FGFR2融合遺伝子やRET融合遺伝子など、分子異常に基づく治療開発が進んでいる。今回のイボシデニブ承認は、IDH1変異を標的とした国内初の治療選択肢となり、次世代シークエンシング(NGS)を用いたがん遺伝子パネル検査などの臨床的重要性をさらに高めるものとなる。


【製品情報】
商品名:ティブソボ錠250mg
一般名:イボシデニブ
効能・効果:
IDH1遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病
がん化学療法後に増悪したIDH1遺伝子変異陽性の治癒切除不能な胆道癌
用法・用量:通常、成人にはイボシデニブとして1日1回500mgを経口投与する。

(ケアネット 杉崎 真名)