うつ病に対する5つの抗精神病薬補助療法、その有効性と忍容性は?

提供元:ケアネット

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公開日:2026/06/18

 

 うつ病成人の多くは、従来の抗うつ薬では寛解に至ることが困難である。米国食品医薬品局(FDA)は、有効性と安全性に関する十分なエビデンスに基づき、うつ病の治療薬として5種類の非定型抗精神病薬を承認している。カナダ・トロント大学のRoger S. McIntyre氏らは、うつ病に対するFDA承認の非定型抗精神病薬併用療法の有効性および忍容性を比較し、医療従事者および当事者への意思決定支援を提供することを目的として、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2026年5月6日号の報告。

 データベースの創設時から2025年7月15日までに公表された研究をPubMed/MEDLINE、PsycINFO、Cochrane Library、Embaseの各データベースよりシステマティックに検索した。6人の独立した評価者が、適格性に基づいて研究をスクリーニングした。選択基準は、うつ病の補助療法としてFDA承認の非定型抗精神病薬を評価した研究とした。2人の独立した評価者によりデータを収集し、コクラン基準に従ってバイアスのリスクを評価した。エフェクトサイズは、ランダム効果モデルを用いて統合した。データ分析は、2025年8~9月に実施した。主要アウトカムは、有効性(Montgomery Asbergうつ病評価尺度[MADRS]合計スコアのベースラインから50%以上の減少)および忍容性(すべての原因による中止)とした。

主な結果は以下のとおり。

・合計22件(1万962例)の短期試験を解析対象に含めた(アリピプラゾール群:1,297例、ブレクスピプラゾール群:1,973例、cariprazine群:1,894例、lumateperone群:483例、クエチアピン徐放製剤群:719例、プラセボ群:4,596例)。
・lumateperoneは、有効性において最も高い効果量を示した(リスク比[RR]:1.72、95%信用区間[CrI]:1.40~2.15)。次いで、アリピプラゾール(RR:1.53、95%CrI:1.32~1.77)、ブレクスピプラゾール(RR:1.38、95%CrI:1.18~1.65)、cariprazine(RR:1.20、95%CrI:1.07~1.36)、クエチアピン徐放製剤(RR:1.15、95%CrI:0.96~1.35)の順であった。
・忍容性の階層構造が観察され、アリピプラゾールが最も高い忍容性を示した(RR:1.16、95%CrI:0.89~1.50)。次いで、cariprazine(RR:1.44、95%CrI:1.15~1.82)、ブレクスピプラゾール(RR:1.47、95%CrI:1.18~1.85)、クエチアピン徐放製剤(RR:1.56、95%CrI:1.14~2.12)、lumateperone(RR:2.30、95%CrI:1.45~3.84)の順であった。
・副次的アウトカム(症状寛解など)および探索的アウトカム(臨床的に有意な体重増加など)は、主要アウトカムと同様であった。

 著者らは「うつ病治療における非定型抗精神病薬併用療法には、全体的な有効性と忍容性に関して差異が存在することが示され、これらの差異は同時に考慮されるべきであることが示唆された。うつ病における非定型抗精神病薬併用療法の維持効果を実証した、適切かつ十分な試験が不足していることが、依然として知識のギャップにつながっていることも明らかとなった」としている。

(鷹野 敦夫)