転移を有するER+/HER2-乳がんに対し、PARP阻害薬、ER阻害薬、PD-L1阻害薬の併用が、関連するゲノム変化のある患者に有効であり、毒性プロファイルも許容できるものであったことが多施設共同単群第II相DOLAF試験で示された。フランス・Institut Regional du Cancer de MontpellierのSeverine Guiu氏らがClinical Cancer Research誌オンライン版2025年9月23日号で報告した。
本試験では、転移を有するER+/HER2-乳がんに対する2次治療または3次治療として、オラパリブ+フルベストラント+デュルバルマブの3剤併用療法の有効性と安全性を評価した。対象は、相同組み換え修復(HRR)遺伝子の体細胞または生殖細胞系列変異、マイクロサテライト不安定性(MSI)状態、内分泌抵抗性関連変異のいずれかを有する患者であった。主要評価項目は24週無増悪生存(PFS)率であった。
主な結果は以下のとおり。
・対象の172例すべてにおいて転移乳がんに対する内分泌療法歴があり、86%はCDK4/6阻害薬を受け、39%は生殖細胞系列BRCA1/2(gBRCA1/2)変異を有していた。
・24週PFS率は、評価可能集団で66.7%(95%信頼区間[CI]:58.6~74.1)、gBRCA1/2変異症例で76.3%(95%CI:63.4~86.4)であった。
・PFS中央値は、ITT集団で9.3ヵ月(95%CI:7.5~12.7)、gBRCA1/2変異集団で12.6ヵ月(95%CI:8.2~16.7)であった。
・全生存期間中央値は30ヵ月(95%CI:26.6~NR)であった。
・Gradeを問わず最も多くみられた有害事象は、悪心(59%)および無力症(43%)で、新たな毒性はみられなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)