DPP-4阻害薬でコントロール不十分な2型糖尿病にイメグリミン追加が有効~FAMILIAR試験

提供元:ケアネット

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公開日:2025/09/09

 

 食事療法・運動療法・DPP-4阻害薬投与で血糖コントロール不十分な成人2型糖尿病患者に対して、イメグリミンの追加により24週までにHbA1c値が有意に低下したことが、多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化試験(FAMILIAR試験)の中間解析で示された。川崎医科大学の加来 浩平氏らがDiabetes, Obesity and Metabolism誌2025年6月号で報告した。

 FAMILIAR試験は、国内21施設で実施中の二重盲検プラセボ対照無作為化試験で、2022年6月22日~2023年8月1日に、推奨される食事療法と運動療法およびDPP-4阻害薬単剤療法を順守しているにもかかわらず血糖コントロールが不十分な成人2型糖尿病患者を、イメグリミン群とプラセボ群に無作為に1:1に割り付けた。24週間の二重盲検期間ではイメグリミン1,000mgまたはプラセボを1日2回経口投与、その後の80週間の非盲検期間では全例にイメグリミン1,000mgを1日2回経口投与した。主要評価項目は、24週目におけるHbA1c値のベースラインからの変化であった。ここでは24週までの中間解析(データカットオフ:2023年12月28日)の結果が報告された。

 主な結果は以下のとおり。

・117例がイメグリミン群(58例、うち65歳以上が33例)とプラセボ群(54例、うち65歳以上が31例)に無作為に割り付けられた(除外5例)。
・24週目のHbA1c値の最小二乗平均のベースラインからの変化は、イメグリミン群で-0.65%(標準誤差[SE]:0.11%)、プラセボ群で0.38%(SE:0.11%)で、群間差は-1.02%(95%信頼区間[CI]:-1.33~-0.72、p<0.001)であった。65歳未満ではイメグリミン群で-0.47%(SE:0.17%)、プラセボ群で0.32%(SE:0.18%)で、群間差は-0.79%(95%CI:-1.29~-0.29、p=0.003)、65歳以上ではイメグリミン群で-0.80%(SE:0.14%)、プラセボ群で0.42%(SE:0.14%)で、群間差は-1.22%(95%CI:-1.61~-0.82、p<0.001)であった。
・イメグリミン群で1例に軽度の低血糖が発現したが、安全性プロファイルは良好であった。

 今回の結果から著者らは、「イメグリミンは、65歳以上の高齢者を含む、DPP-4阻害薬で十分な血糖コントロールが得られない2型糖尿病患者に新たな治療選択肢となる可能性がある」としている。

(ケアネット 金沢 浩子)