Ca拮抗薬・NSAID・テオフィリンと逆流性食道炎リスク/国立国際医療研究センター

提供元:ケアネット

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公開日:2025/01/07

 

 逆流性食道炎の有病率と薬剤などの危険因子について調査した結果、カルシウム拮抗薬、テオフィリン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の使用が逆流性食道炎の独立した予測因子であることが示唆された。国立国際医療研究センターの植田 錬氏らが、BMJ Open Gastroenterology誌2024年12月16日号で報告した。

 この後ろ向き横断研究は、2015年10月~2021年12月に国立国際医療研究センターで食道・胃・十二指腸内視鏡検査を受けた患者を対象とし、質問票を用いて患者の特徴、病歴、喫煙・飲酒歴、内視鏡検査時に服用していた薬剤に関するデータを収集した。

 主な結果は以下のとおり。

・対象患者1万3,993例中、逆流性食道炎の有病率は11.8%であった。
・多変量ロジスティック回帰分析により、以下の因子が逆流性食道炎の独立した予測因子であることが示された。それぞれのオッズ比(95%信頼区間)は以下のとおり。
- 男性:1.52(1.35〜1.72)、p<0.001
- 肥満(BMI≧25):1.57(1.40〜1.77)、p<0.001
- 喫煙:1.19(1. 02~1.38)、p=0.026
- 飲酒:1.20(1.07~1.35)、p=0.002
- 糖尿病:1.19(1.02~1.39)、p=0.029
- 食道裂孔ヘルニア:3.10(2.78~3.46)、p<0.001
- 重症萎縮性胃炎なし:2.14(1.77~2.58)、p<0.001
- カルシウム拮抗薬の使用:1.22(1.06~1.40)、p=0.007
- テオフィリンの使用:2.13(1.27~3.56)、p=0.004
- NSAIDの使用:1.29(1.03~1.61)、p=0.026

(ケアネット 金沢 浩子)