睡眠覚醒相後退障害に対する超少量ラメルテオンの有用性

提供元:ケアネット

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公開日:2022/08/22

 

 睡眠覚醒相後退障害(DSWPD)は、概日リズム睡眠覚醒障害の1つであり、「朝起きられない病気」として知られている。DSWPD患者は、夜の早い時間に眠ることができず、朝起きられない、または起きたとしても強い心身の不調を来すことにより、社会生活に重大な問題を抱えていることが少なくない。DSWPDの薬物療法ではメラトニンが主な治療オプションとなりうるが、日本では市販薬として販売されておらず、多くの国ではメラトニンの市販薬には品質にばらつきがあることが問題となっている。メラトニン受容体アゴニストであるラメルテオンは、潜在的な治療オプションになりうる可能性があるが、DSWPD患者に使用した報告はほとんどない。これまでの薬理学的および時間生物学的研究では、夕刻の超少量ラメルテオン投与がDSWPDに有益であることが示唆されている。東京医科大学の志村 哲祥氏らは、DSWPD患者に対する夕刻の超少量ラメルテオン投与について、薬理学的レビューおよび検討を行うとともに臨床経験を紹介した。Journal of Clinical Sleep Medicine誌オンライン版2022年8月5日号の報告。

 対象は、診断後に睡眠衛生指導を行ったが症状が改善せず、再診したDSWPD患者23例(平均年齢:23.5歳、男性:15例、女性:8例)。そのうち18例にラメルテオンの通常用量(8mg)による治療歴があった。対象患者には、夕刻(平均:18時10分)に超少量のラメルテオン(平均:0.571mg、1/7~1/50錠)を投与した。

 主な結果は以下のとおり。

・治療前には、すべての患者において、朝の覚醒困難による学校や職場への遅刻および欠勤があった。
・治療後、著効(学校や職場への遅刻が消失)と判断された患者は60.9%であった。
・部分奏効は26.1%、改善がみられない無効は13.0%であった。
・治療前には、69.6%の患者で起床時の睡眠酩酊が認められたが、治療後ほとんどの患者で消失した(87.5%)。
・DSWPD患者の不眠症状に対してラメルテオンを投与する際には、患者の就寝時間のばらつきなどを考慮し、服用のタイミングを夕刻の具体的な時間に設定することが重要である。

(鷹野 敦夫)