双極性うつ病に対する抗うつ薬補助療法による再入院率に関するコホート研究 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/03/26 双極性うつ病に対し抗うつ薬が広く用いられているが、その有効性や安全性に関するエビデンスは弱い。また、双極性障害に対する抗うつ薬維持療法のリスク・ベネフィット比に関する研究は不十分である。イスラエル・テルアビブ大学のYahav Shvartzman氏らは、抗うつ薬補助療法の有無にかかわらず、気分安定薬や非定型抗精神病薬治療で退院したうつ病エピソードを有する双極I型障害患者の再入院率について比較検討を行った。European neuropsychopharmacology誌2018年3月号の報告。 2005~13年にうつ病エピソードで入院した双極I型障害患者98例を対象に、6ヵ月および1年後の再入院率についてレトロスペクティブに調査を行った。再入院までの期間だけでなく、退院時の治療(気分安定薬や非定型抗精神病薬、抗うつ薬の有無)に応じて検討を行った。検討には、再入院に影響する共変量で調整した多変量生存時間モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・抗うつ薬補助療法群は、非抗うつ薬補助療法群と比較して再入院率が有意に低く、6ヵ月後(9.2% vs.36.4%、p=0.001、power=0.87)、1年後(12.3% vs.42.4%、p=0.001、power=0.89)であった。 ・抗うつ薬補助療法群は、非抗うつ薬補助療法群と比較して再入院までの期間が有意に長く、6ヵ月以内(169.9日 vs.141日、p=0.001)、1年以内(335.6日 vs.252.3日、p=0.001)であった。 ・抗うつ薬補助療法は、調整された再入院リスクを有意に低下させ、6ヵ月以内(HR=0.081、95%CI:0.016~0.412、p=0.002)、1年以内(HR=0.149、95%CI:0.041~0.536、p=0.004)であった。 ・さらに、抗うつ薬補助療法は、躁病エピソードによる再入院率を増加させなかった。 著者らは「気分安定薬や非定型抗精神病薬治療で退院したうつ病エピソードを有する双極I型障害患者に対する抗うつ薬補助療法は、1年間のフォローアップ期間中の再入院率が低く、再入院までの期間を延長させる」としている。 ■関連記事 双極性障害に抗うつ薬は使うべきでないのか 双極性障害に対する抗うつ薬治療、その是非は ラピッドサイクラー双極性障害、抗うつ薬は中止すべきか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Shvartzman Y, et al. Eur Neuropsychopharmacol. 2018;28:353-360. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 双極性障害患者のラピッドサイクラーと寛解に関連する臨床的特徴 医療一般 日本発エビデンス (2020/10/30) 抗うつ薬の漸減・中止に関する診療ガイドラインの推奨~システマティックレビュー 医療一般 (2022/04/04) 抗うつ薬で10代のうつ病に最も効果的なのは? 医療一般 (2025/06/10) CareNet AcademiaによるAI生成記事 このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] EGFR-TKI後のNSCLC、ivonescimabがOSを改善/JAMA(2026/07/08) タモキシフェン治療中の乳がん患者のホットフラッシュ、ベンラファキシンが有望(HOFLA-V試験)/日本乳癌学会(2026/07/08) 日本人片頭痛患者に対する3年間の抗CGRP抗体継続治療、その有用性は(2026/07/08) 移植適応のある未治療多発性骨髄腫へのテクリスタマブベースの導入療法~第II相試験(MajesTEC-5)(2026/07/08) 死亡リスクが低下する適切な筋トレ時間は?(2026/07/08) 脊髄刺激療法で脳卒中後の上肢機能改善を確認(2026/07/08) 幼少期の逆境体験が多いほど肥満リスク上昇、支える大人が保護因子の可能性(2026/07/08) 症状モニタリングアプリが進行がん患者のQOL維持に有効(2026/07/08) [ あわせて読みたい ] 専門医が総合診療を使って成長する秘訣――50代からの学び直しのコツを教育のプロに聞く【ReGeneral インタビュー】第6回(2026/03/27) ケースで学ぶ輸液オーダー(2026/03/18) 僕はなぜ医者になったのか? 医療行政マンを原点に帰らせたある出来事「総合医育成プログラム」インタビュー【ReGeneral インタビュー】第5回(2026/02/25) 合格直結!テスレクDigest(2025/07/18) キャリア中断後に見つけた 総合診療能力で専門性を強化する新しい診療スタイル【ReGeneral インタビュー】第4回(2026/02/05) 外科医のキャリア終盤に思い出した 何でも診られる医者への憧れ【ReGeneral インタビュー】第3回(2025/12/25) 50代半ばで精神科から一転・総合診療でへき地へ【ReGeneral インタビュー】第2回(2025/12/15) 「総合医育成プログラム」で広がる医師のキャリアと医療機関の未来【ReGeneral インタビュー】第1回(2025/11/24) スマートに進める治験/臨床研究~臨床研究中核病院に学ぶ~(2025/10/28) 第50回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー(2025/04/18)