ウオノメ治療の長期効果、サリチル酸絆創膏 vs.デブリードメント

鶏眼(ウオノメ)治療について、サリチル酸絆創膏は外科的デブリードメント(以下、デブリ)と比較して12ヵ月間の追跡期間中、消失率は高率だったものの、QOLや疼痛障害などについて改善は認められたがデブリ群と有意差はみられなかったことなどが示された。英国・ハダースフィールド大学のJohn Stephenson氏らが無作為化試験の結果、報告した。Journal of Dermatology誌オンライン版2015年12月15日号の掲載報告。
試験はイングランド北部で2009年9月~11年10月に、複数の鶏眼を有する患者201例(324個)を対象に行われた。消失までの期間を調べ、サリチル酸絆創膏による長期的効果を評価することが目的であった。
被験者は、年齢中央値59.3歳、女性が58.2%、鶏眼タイプは足底が77.6%、ベースラインでのサイズは3.69mmなどだった。
主な結果は以下のとおり。
・12ヵ月の追跡期間中、消失率はデブリ(対照)群よりも絆創膏群で実質的に高率であったが、治療と再発までの期間との有意な関連はみられなかった。
・不備データや患者特性を反映したパラメトリック生存分析で、治療と消失までの期間に有意な関連はみられなかった(ハザード比[HR]:1.189、95%信頼区間[CI]:0.780~1.813、p=0.422)。
・消失までの期間中央値は、絆創膏群10.0ヵ月、デブリ群13.4ヵ月であった。
・鶏眼タイプで調整後、治療と消失までの期間に有意な関連がみられ、足底鶏眼よりも足背(足の甲)/指間(ID)鶏眼で関連が有意であった(HR:1.670、95%CI:1.061~2.630、p=0.027)。
・消失までの期間は、足背/ID鶏眼は5.9ヵ月、足底鶏眼は14.9ヵ月であった。
・同様に多変量モデルを用いて、副次評価項目として、QOLや足関連の障害について評価したが(EQ-5D質問票やマンチェスター足の疼痛・障害指標[MFPDI]を使用)、いずれも、試験期間の評価ポイントにおいて、治療との有意な関連はみられなかった。
・しかしながらQOLおよびMFPDIスコアの傾向分析の結果、ベースラインから3ヵ月時点までにかなりの改善がもたらされていた。続く3~12ヵ月にスコアが減少していた。
(ケアネット)
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