統合失調症薬物治療、LAIは早く使うべきなのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/11/10 一貫性がある抗精神病治療は治療の重大な部分を占めるが、統合失調症治療では、治療アライアンスの確立および継続、患者中心のアプローチがあらゆるケアの面で基本となることを、米国・Partners in Aging & Long-Term CaregivingのGeorgia L. Stevens氏らは文献レビューの結果、報告した。すなわち、意思決定やアドヒアランス共有の強化、長期にわたる回復を達成しうるなどの点においてである。臨床試験の結果は、早期または初回エピソードの統合失調症患者の治療について、経口抗精神病薬による治療を支持している。研究グループは文献レビューによって、統合失調症における早期治療開始の優位性と、持効性注射薬(LAI)の早期使用の臨床ベネフィットを調べた。Early Intervention in Psychiatry誌オンライン版2015年9月25日号の掲載報告。 統合文献レビューにて、統合失調症治療におけるLAI早期使用に関する公表文献を特定し、検討した。 主な結果は以下のとおり。 ・統合失調症初回エピソードに対する抗精神病薬治療導入への反応率は、それ以降の抗精神病薬治療と比べて非常に高かったが、この問題について研究グループは事実上、取り組むことはなかった。 ・不良な治療アドヒアランスが、次年度以降の再発や再入院の主要因であり、これは多大な影響と大幅な経済負荷に結び付く高い再発率と関連していた。 ・アドヒアランス不良のコストは、14億8千万ドルと推算された。統合失調症の治療における大きな課題は、抗精神病薬治療を持続的なものとするため、アドヒアランス不良を変えることであった。 ・LAIは、少なくとも抗精神病薬と同等の治療効果があることは知られているが、理解は十分ではなかった。 ・一方で、LAIは、経口治療のアドヒアランスに関連する多くの問題に対応するものであった。 ・LAIは、統合失調症の初回エピソードの治療および早期導入の効果があるという直近のエビデンスが示された。 関連医療ニュース 2つの月1回抗精神病薬持効性注射剤、有用性の違いは 初回エピソード統合失調症、LAIは経口薬より優る 持効性注射剤と経口薬の比較分析、どんなメリットがあるか 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Stevens GL, et al. Early Interv Psychiatry. 2015 Sep 25. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発を伴わない二次性進行型多発性硬化症、tolebrutinibが障害進行リスク抑制/NEJM(2025/04/25) 米国出生率、中絶禁止導入州で上昇/JAMA(2025/04/25) 症状のない亜鉛欠乏症に注意、亜鉛欠乏症の診療指針改訂(2025/04/25) サブタイプ別転移乳がん患者の脳転移発生率、HER2低発現の影響は(2025/04/25) 2年間のフレマネズマブ治療の有効性および継続性〜国内単一施設観察研究(2025/04/25) 遺伝性アルツハイマーへのgantenerumab、発症リスク低下に有効か(2025/04/25) tenecteplase、脳梗塞治療でアルテプラーゼと同等の効果(2025/04/25) 低ホスファターゼ症の新たな歯科症状が明らかに―全国歯科調査(2025/04/25) [ あわせて読みたい ] 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)