オランザピンの代謝異常、アリピプラゾール切替で改善されるのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/04/01 統合失調症患者では、抗精神病薬で誘発される代謝異常の頻度が高い。そして、そのために心血管疾患を生じやすい。このことを念頭に、インド・スリナガル医科大学のRayees Ahmad Wani氏らは、オランザピンでメタボリックシンドロームを発症した安定期統合失調症患者における、アリピプラゾール切り替え後のさまざまな代謝パラメータへの影響を、非盲検試験で調査した。Neuropsychiatric disease and treatment誌オンライン版2015年3月13日号の報告。 対象は、オランザピンで安定しており、NCEP ATP III(National Cholesterol Education Program Adult Treatment Panel III)の基準でメタボリックシンドロームを発症した統合失調症患者62例。対象患者は、アリピプラゾール切り替え群とオランザピン継続群に1:1で無作為に割り付けられた。アリピプラゾール切り替え群は、1ヵ月にわたる漸減漸増にて切り替えを行った。代謝パラメータは、ベースラインおよび試験開始8週および24週時点で評価した。有効性は、ベースラインおよび24週目におけるPANSS(陽性・陰性症状評価尺度)、ベースラインのCGI-S(臨床全般印象・重症度尺度)と24週時点のCGI-I(臨床全般印象・改善度尺度)にて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・メタボリックシンドロームのすべてのパラメータ(腹囲、血圧、トリグリセリド値、空腹時血糖値、HDLコレステロール)は、アリピプラゾール切り替え群の継続的な改善と比較して、オランザピン継続群では悪化したままであった。 ・研究終了時点で、NCEP-ATP-III基準を満たすメタボリックシンドロームを有する患者の割合は、オランザピン継続群100%(26例)、アリピプラゾール切り替え群42.8%(15例)であった。 ・PANSS総スコアやCGI-Iスコアで示された精神病理学的変化は、両群間で統計学的に有意な差は認められなかった。 ・本結果から、代謝異常が認められるオランザピン使用中の安定期統合失調症患者では、アリピプラゾールへ漸減漸増で切り替えることにより、有効性を維持したまま、代謝異常を改善できることが示唆された。 関連医療ニュース 本当にアリピプラゾールは代謝関連有害事象が少ないのか 抗精神病薬の代謝への影響、男性でとくに注意 オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学 (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Wani RA, et al. Neuropsychiatr Dis Treat. 2015 Mar 13;11:685-93. eCollection 2015. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 オランザピン誘発性体重増加のメカニズム 医療一般 (2017/09/13) T-DXdによる遅発期・延長期の悪心・嘔吐抑制にオランザピン6日間併用が有効(ERICA)/ESMO2024 医療一般 日本発エビデンス (2024/09/24) 神経性やせ症に対するオランザピンとプラセボの無作為化比較試験 医療一般 (2019/02/05) CareNet AcademiaによるAI生成記事 このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] TTR遺伝子サイレンサーは、ATTR-CMの転帰を改善するか/JAMA(2026/10/06) 心筋梗塞後の駆出率保持例、β遮断薬の中止は可能か/Lancet(2026/10/06) GLP-1受容体作動薬はdual agonistのステージへ―ベストパートナーはGIPか、グルカゴンか、それともアミリンか?(解説:住谷哲氏)(2026/10/06) 2型糖尿病の網膜症リスク低下、フェノフィブラートvs.スタチン(2026/10/06) 抗うつ薬は糖尿病リスクを増加させるのか(2026/10/06) MASLDの肝関連イベント、非侵襲的検査で個別予測可能か(2026/10/06) 緑膿菌肺炎、CFPM vs.TAZ/PIPC(2026/10/06) 光曝露は高齢者の睡眠の質や活動レベルと関連(2026/10/06) 脊髄くも膜下麻酔後の悪心・嘔吐――機械学習で関連因子を解析(2026/10/06) [ あわせて読みたい ] ミュンヘンの熱気とアスピリンの行方~PREMIUM試験が語る学会と雑誌の歴史学~【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第100回(2026/09/10) 外の海へ漕ぎ出せ!~血栓と出血の狭間で揺れる循環器内科医に届いた「1ヵ月」の福音~【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第99回(2026/08/21) 第51回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー(2026/04/28) 専門医が総合診療を使って成長する秘訣――50代からの学び直しのコツを教育のプロに聞く【ReGeneral インタビュー】第6回(2026/03/27) ケースで学ぶ輸液オーダー(2026/03/18) 僕はなぜ医者になったのか? 医療行政マンを原点に帰らせたある出来事「総合医育成プログラム」インタビュー【ReGeneral インタビュー】第5回(2026/02/25) キャリア中断後に見つけた 総合診療能力で専門性を強化する新しい診療スタイル【ReGeneral インタビュー】第4回(2026/02/05) 外科医のキャリア終盤に思い出した 何でも診られる医者への憧れ【ReGeneral インタビュー】第3回(2025/12/25) 50代半ばで精神科から一転・総合診療でへき地へ【ReGeneral インタビュー】第2回(2025/12/15) 「総合医育成プログラム」で広がる医師のキャリアと医療機関の未来【ReGeneral インタビュー】第1回(2025/11/24)