骨粗鬆症に好ましい注射製剤は?

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2014/12/05

 

 近年、数ヵ月~1年に1回の投与で治療が行える注射用骨粗鬆症治療薬が登場し、その有効性と利便性から人気が高まっている。米国・ロヨラ大学のKellen C. Sheedy氏らは、デノスマブ(商品名:プラリア)とゾレドロン酸(Reclast、国内未承認)の有効性および忍容性についてレトロスペクティブに調査を行った。その結果、デノスマブは脊椎の骨密度平均増加量が大きく、ゾレドロン酸ではインフルエンザ様症状の有害事象が多かったものの、両剤に関する患者の満足度は統計的に同等であったことを報告した。なお著者は、今回の検討は症例数が限られていたことから、今後さらなる詳細な検討が必要であると述べている。Endocrine Practice誌オンライン版2014年11月4日号の掲載報告。

 研究グループは、ロヨラ大学病院でデノスマブまたはゾレドロン酸の投与を受けた患者107例(デノスマブ群51例、ゾレドロン酸群56例)を対象に、カルテをレトロスペクティブに調査して有効性および安全性を比較検討した。

 有害事象については、とくに筋肉痛、インフルエンザ様症状、腰痛および骨折に注目した。また、有効性・忍容性・治療費に関するアンケート調査もカルテの補足として用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・1年後における脊椎骨密度の平均変化量は、デノスマブ群0.060g/cm2、ゾレドロン酸群0.021g/cm2であった(p=0.04)。
・1年後の脊椎骨密度ならびに大腿骨骨密度の平均変化量は、両群間で有意差はみられなかった。
・軽度のインフルエンザ様症状の発現率が、ゾレドロン酸群では29%であったのに対し、デノスマブ群は0%であった(p=0.04)。

(ケアネット)