非定型病原体は慢性副鼻腔炎の原因となりうるか

提供元:ケアネット

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公開日:2013/10/17

 

 肺炎マイコプラズマや肺炎クラミジアといった非定型病原体は、慢性副鼻腔炎における鼻腔粘膜の持続的な感染を引き起こす原因とはいえなかったことがクロアチアのNenad Pandak氏らにより報告された。European Archives of Oto-Rhino-Laryngology誌オンライン版2013年10月6日の掲載報告。

 慢性副鼻腔炎は少なくとも12週間続く、鼻や副鼻腔粘膜の症候性の炎症である。

 非定型病原体である肺炎クラミジアや肺炎マイコプラズマは、人間の呼吸器感染症の重大な原因となっている。また、これらの病原体はCOPDや喘息を有する患者の気管支上皮でも検出されている。unified airwayの概念を念頭に置けば、これらの病原体は慢性副鼻腔炎を有する患者の鼻腔粘膜の持続的な感染を引き起こしうるとされている。

 本研究は、薬物療法では難治のため、機能的内視鏡下副鼻腔手術(functional endoscopic sinus surgery: FESS)を受けた慢性副鼻腔炎患者60例を対象に行われた。手術中、副鼻腔を無菌の0.9%塩化ナトリウム溶液で洗浄後、すぐに吸引し、リアルタイムPCRを用いて、吸引液中の肺炎マイコプラズマや肺炎クラミジアの遺伝子を調べた。その結果、これらの遺伝子はサンプルから検出されなかった。

(ケアネット 鎌滝真次)