MitraClipシステムが僧帽弁閉鎖不全治療の有用な選択肢となる可能性を証明 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2010/03/29 米国アボット社は14日、第59回米国心臓病学会(ACC)で発表されたEVEREST II(Endovascular Valve Edge-to-Edge REpair Study)試験において、治験機器MitraClipシステムが、安全性および有効性の主要エンドポイントにおける主要評価項目を満たしたと発表した。日本法人のアボット・ジャパンが翻訳し、19日に報告した。このことは、低侵襲のMitraClipシステムを用いた治療法が、僧帽弁閉鎖不全症(MR)の有用な治療選択肢となる可能性を示唆しているという。MitraClipシステムは1年経過観察時において重度のMR患者の心機能、QOL、日常生活等を向上させ、心臓疾患の症状を低減するなど有意に臨床有用性を示したとのこと。EVEREST II試験は、僧帽弁形成術に使用する低侵襲形成デバイスと外科的僧帽弁形成術を比較した初の無作為臨床試験。MitraClipシステムは、カテーテルをベースにしたデバイスで、大腿部(大腿静脈)の血管から心臓へ挿入する。MitraClipデバイスは、僧帽弁(心臓弁の4つの内の1つ)の弁尖を留めることで重度のMR症状を改善する。MRは、最も一般的な心臓弁不全で、心臓収縮時に僧帽弁の弁尖が完全に閉じず血液が左心房へ逆流する疾患で、十分な血液を身体に送り出すために、代わりに左心室(血液を送り出す主要な心室)が拡大し、増量した血液を身体に送り出そうとする。米国と欧州では、僧帽弁閉鎖不全症を伴う患者は800万人おり、現在の治療法としては、患者のMRの重篤度やリスク要因に応じて投薬または外科的心臓手術が挙げられる。重度のMRの場合、時間経過にともなって悪化し、心機能の衰え、不整脈、心不全、発作、心臓発作や死亡にいたることがあるという。 詳細はプレスリリースへhttp://www.abbott.co.jp/press/2010/100319_2.asp 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 1950~2023年の年齢・男女別の死亡率の推移~世界疾病負担研究/Lancet(2025/10/28) HER2変異陽性NSCLCの1次治療、sevabertinibの奏効率71%(SOHO-01)/ESMO2025(2025/10/28) MSI-H大腸がん、ニボルマブへのイピリムマブ追加でPFS延長傾向(CheckMate 8HW)/ESMO2025(2025/10/28) 「若者は管理職になりたがらない」は医師にも当てはまる?/医師1,000人アンケート(2025/10/28) アルツハイマー病のアジテーションに対するブレクスピプラゾール〜RCTメタ解析(2025/10/28) 心血管疾患の発症前にはほぼ常に警告サインあり(2025/10/28) ビタミンD欠乏症が10年間で有意に減少、骨折リスク低減に期待(2025/10/28)