日本語でわかる最新の海外医学論文|page:774

冠動脈疾患の遺伝的リスクは生活習慣で抑制できる/NEJM

 3件の前向きコホート研究と1件の横断研究の計5万5,685例全体で、遺伝的要因と生活習慣要因は、それぞれ独立して冠動脈疾患(CAD)の感受性と関連していることが示された。高遺伝子リスク群でも、生活習慣が悪い群よりも良い群でCADの相対リスクが約50%低下した。米国・マサチューセッツ総合病院のAmit V. Khera氏らが、CADの遺伝子リスクを定量化し生活習慣との関連を解析し、報告した。遺伝的要因と生活習慣の要因はどちらも、個人のCADリスクに関与するが、高遺伝子リスクが健康的生活習慣によってどのくらい相殺されるかはこれまで不明であった。NEJM誌オンライン版2016年11月13日号掲載の報告。

タウ凝集阻害薬の軽度~中等度アルツハイマー病への効果/Lancet

 ロイコメチルチオニニウムビス(LMTM)の第III相臨床試験の結果は否定的なものであり、軽度~中等度アルツハイマー病に対するLMTMのアドオン療法の有益性は示されなかった。カナダ・ダグラス精神保健大学研究所のSerge Gauthier氏らが、LMTMの安全性および有効性を評価する15ヵ月間の無作為化二重盲検比較試験の結果、報告した。先行研究で、塩化メチルチオニニウム(=メチレンブルー:酸化型メチルチオニニウムの塩化物)は、タウ凝集阻害作用を有し、アルツハイマー病に対し単独療法で有効である可能性が示唆されている。LMTMはメチルチオニニウムの安定還元体で、塩化メチルチオニニウムより溶解性や吸収性が良好で、塩化メチルチオニニウムと同様、in vitroおよび遺伝子導入マウスモデルにおいて選択的タウ凝集阻害剤として作用することが確認されていた。なお、軽度のアルツハイマー病患者を対象としたLMTMの18ヵ月間の臨床試験の結果がまもなく報告される予定である。Lancet誌オンライン版2016年11月15日号掲載の報告。

EUCLID試験:クロピドグレルの先進性は驚異的(解説:後藤 信哉 氏)-615

チクロピジン、クロピドグレルは、フランスの政財官が協調して作り上げた優れた抗血小板薬であった。作用標的は未知であったが、当時の標準治療であったアスピリンに対するランダム化比較試験を、冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患を対象として行い勝利した。

末梢動脈疾患へのチカグレロル、クロピドグレルと同等/NEJM

 症候性末梢動脈性疾患の患者に対し、抗血小板薬チカグレロル(商品名:ブリリンタ)の有効性はクロピドグレルと同等で、優越性は示されなかった。また、急性肢虚血や重大な出血といった有害事象の発生率も同等だった。米国・コロラド大学のWilliam R. Hiatt氏らが、約1万4,000例の患者を対象に行った、無作為化二重盲検試験の結果、明らかにしたもので、NEJM誌オンライン版2016年11月13日号で発表した。先行試験において、クロピドグレル単独療法群はアスピリン群と比べて心血管イベントリスクを有意に抑制することは示されていた。

世界の血圧値の動向、40年間でどう変わったか/Lancet

 1975~2015年の世界200ヵ国における血圧値の動向を調べたところ、血圧高値の傾向は高所得国から低所得国へ移行したことが認められた。しかし、南アジア、サハラ以南アフリカ諸国の最貧集団では血圧高値の増加傾向はみられず、また中央・東欧諸国では血圧高値が継続していることが示された。世界200ヵ国の非感染性疾患(NCD)について調査を行っている科学者ネットワーク「NCD Risk Factor Collaboration」(NCD-RisC)が、1,479試験を基に分析し明らかにしたもので、Lancet誌オンライン版2016年11月15日号で発表した。

地中海食、加齢黄斑変性の進行予防に効果あり

 地中海食のアドヒアランスと加齢黄斑変性(AMD)の有病率は関連しているかについて、英国・Queen's University BelfastのRuth E. Hogg氏らが、南北欧州の地域住民をベースにした横断疫学研究を行った。その結果、地中海食のアドヒアランスが後期AMDを予防する効果があることが示唆された。ただし、先行研究で報告されていたAMDと遺伝的感受性との関連を支持する結果は示されなかった。著者は、「地中海食の導入を促す介入を開発するとともに、こうした行動変化を達成し維持できる方法を調べなければならない」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2016年11月5日号掲載の報告。

アトピー性皮膚炎の自己免疫疾患リスク、喫煙と関連か

 成人アトピー性皮膚炎患者は自己免疫疾患に罹患しやすく、とくに喫煙者で認められることが、デンマーク・コペンハーゲン大学のYuki M F Andersen氏らによる全国健康登録データの検証の結果、示された。これまでに、アトピー性皮膚炎と自己免疫疾患の関連性について指摘はされているが、データはほとんどなく、一貫性が認められなかった。著者は、「今回のデータで因果関係について結論することはできないが、アトピー性皮膚炎患者において自己免疫疾患が増大しているとの認識を正当化できるものと思われる」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2016年10月11日号掲載の報告。

クランベリーカプセルで高齢女性の細菌尿と膿尿を予防できるか?(解説:小金丸 博 氏)-613

尿路感染症(UTI)は介護施設における代表的な感染症であり、UTIを繰り返す高齢者は多い。そのUTIの非抗菌的な予防法として期待されているのがクランベリーである。クランベリーに含まれるプロアントシアニジンには、大腸菌が尿路上皮に接着するのを阻害する働きが示されており、クランベリージュースがUTIの予防法として数多く検討されてきたが、有効性に関するエビデンスは一致していなかった。クランベリージュースの有効性が得られなかった研究では、その理由として、ジュースでは飲みにくくアドヒアランスが不良となり、十分量のプロアントシアニジンを摂取できなかったことが挙げられた。

アルツハイマー病に関する臨床試験、その進行状況は

 現在、アルツハイマー病(AD)に対する薬理学的推奨薬は、コリンエステラーゼ阻害薬とNMDA型受容体アンタゴニストであるメマンチンがある。これらの薬剤は、AD症状を管理するだけで、Aβプラークや神経原線維変化を標的としていない。そのため、AD病変を直接的に標的とし、AD進行経過を変化させる効果的かつ安全な治療法を開発する必要がある。カナダ・トロント大学のMyuri Ruthirakuhan氏らは、AD治療薬について進行中の第II/III相の臨床試験を評価した。Expert opinion on pharmacotherapy誌2016年12月号の報告。