日本語でわかる最新の海外医学論文|page:722

高齢者の肥満、有酸素運動+筋トレの併用が有効/NEJM

 肥満高齢者に対し食事による減量プログラムと運動療法を行う際、有酸素運動と筋力トレーニングを併せて実施することで、有酸素運動または筋力トレーニングのみを実施する場合に比べ、半年後の身体機能はより大幅に向上することが示された。米国・ベイラー医科大学のDennis T. Villareal氏らが、160例の高齢者を対象に行った無作為化比較試験で明らかにしたもので、NEJM誌2017年5月18日号で発表した。肥満はフレイルの原因となるが、減量は加齢に伴う筋量および骨量の低下を加速させ、結果としてサルコペニアやオステオペニアを生じさせるのではと指摘されていた。

双極性障害、リチウムは最良の選択か

 双極性障害の治療ではリチウムが頻繁に使用されており、最も確立された長期治療法と考えられる。実際に、リチウムは再発リスクを最小限にとどめ、エピソード間の症状を改善するための治療の基本である。イタリア・ローマ・ラ・サピエンツァ大学のGabriele Sani氏らは、双極性障害治療におけるリチウムの入手可能なエビデンスを検討した。それには、効能、限界、潜在的な利点や、別の製剤を考慮した有効性も含まれた。また、双極性障害患者への抗てんかん薬、抗うつ薬、抗精神病薬の長期的代替使用に関する、顕著な比較をオーバーレビューした。Clinical drug investigation誌オンライン版2017年5月5日号の報告。

高齢者にスタチンの1次予防効果はあるか~ALLHAT-LLT事後解析

 心血管疾患の1次予防としてスタチン治療が心血管疾患発症を減少させることが示唆されているが、全死亡率については知見が一致していない。また、75歳以上の高齢者に1次予防でのスタチン使用に関するエビデンスはほとんどない。今回、ALLHAT-LLTの事後解析の結果、中等症の高脂血症と高血圧症を有する高齢者での心血管疾患の1次予防として、プラバスタチンのベネフィットは認められず、また75歳以上では、有意ではないがプラバスタチン群で全死亡率が高い傾向があったことが報告された。JAMA internal medicine誌オンライン版2017年5月22日号に掲載。

親が早期発症高血圧だと子の高血圧リスクも高い/BMJ

 早発型の高血圧は、晩発型の高血圧に比べ心血管死のリスクが高く、子の高血圧の発症リスクも上昇することが、米国・国立心肺血液研究所(NHLBI)のTeemu J. Niiranen氏らフラミンガム心臓研究グループの検討で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2017年5月12日号に掲載された。若年者および高齢者の高血圧は心血管疾患の重大なリスクであることが知られているが、高血圧を発症時期で早発型と晩発型に分けることの妥当性については十分なデータがないという。

うつ病の再発を予測する3つの残存症状:慶應義塾大

 うつ病における残存症状は、予後に悪影響を及ぼす。しかし、アウトカムを予測するうえで各残存症状の影響については、ほとんど知られていない。慶應義塾大学の櫻井 準氏らは、自己報告および臨床医評価に基づいて、どの症状がその後の再発を予測できるかを検討した。Psychopharmacology誌オンライン版2017年5月3日号の報告。

乳がんリスクが高い職業

 職業別の乳がんリスクについて、スウェーデン・カロリンスカ研究所のCecilia Kullberg氏らが調査したところ、ホワイトカラーのほうがブルーカラーより高リスクで、専門職や管理職の女性でリスクが高いことがわかった。さらに、このリスク増加の要因として、生殖および生活習慣以外の因子の影響が大きいことが推測された。Occupational and environmental medicine誌オンライン版2017年4月29日号に掲載。

高齢緑内障患者、視野検査時には認知機能の評価必要か

 米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のAlberto Diniz-Filho氏らは、前向き観察コホート研究を行い、認知機能低下と視野検査における変動の増大が関連していることを明らかにした。視野検査における変動は、緑内障の進行の検出を妨げる可能性があり、また高齢者は神経認知障害と緑内障の両方を有している可能性があるが、これまで認知機能の変化と視野検査における変動との関連を調べた研究はなかった。この結果を踏まえて著者は、「緑内障の視野障害の評価において、認知機能のスクリーニングとモニタリングを重視すべき可能性が示唆された」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年5月18日号掲載の報告。

イマチニブが重症喘息の気道過敏性を抑制?/NEJM

 KIT阻害薬イマチニブは、重症喘息患者の気道過敏性を抑制し、マスト細胞数とトリプターゼ放出を減少させることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のKatherine N. Cahill氏らの検討で明らかとなった。これらの知見は、重症喘息の病態生物学的な基盤には、KIT依存性の過程とマスト細胞の寄与があることを示唆するという。研究の成果は、NEJM誌2017年5月18日号に掲載された。マスト細胞は、ステロイド治療を行っても重症喘息患者の気道に残存し、不良なQOLや不十分な喘息コントロールなどの疾患特性に関連する。幹細胞因子とその受容体KITは、組織での正常なマスト細胞の発育や生存に不可欠であり、イマチニブはKITのチロシンキナーゼ活性を阻害することで、慢性骨髄性白血病患者の骨髄中のマスト細胞数を著明に減少させ、血清トリプターゼ値を低下させることが知られている。

潰瘍性大腸炎の寛解導入と寛解維持におけるトファシチニブの有用性と安全性(解説:上村 直実 氏)-683

潰瘍性大腸炎(UC)に関しては寛解導入および寛解維持を目的として、5-アミノサリチル酸(5-ASA)、ステロイド、免疫調節薬、抗TNFα薬、血球成分除去療法などによる治療が行われているが、今回、非受容体型チロシンキナーゼでサイトカイン受容体と関連するJanus kinase(JAK)の選択的阻害薬であるトファシチニブに関する検討結果が報告された。

二尖弁大動脈弁狭窄症に対するTAVRの効果と評価

 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)は、高リスクな症候性大動脈弁狭窄症(AS)患者への新たな技術として発展してきた。これまでの無作為化比較試験において、開心術が難しい、もしくは高リスクな患者に対し、TAVRを標準治療として用いることが妥当であることが証明されてきたが、形態学的な特徴を理由に、先天性二尖弁の患者は除外されてきた。

統合失調症と気分障害の死亡率、高いのは

 精神疾患患者は、重大な公衆衛生上の懸念である過剰な死亡率を示す。韓国・延世大学校のWoorim Kim氏らは、統合失調症、気分障害、精神活性物質使用による精神的および行動的障害と診断された韓国人患者の全死因および自殺死亡率を調査し、これを一般人と比較した。Journal of Korean medical science誌2017年5月号の報告。

収縮性心不全への鉄補充、経口投与での効果は?/JAMA

 鉄欠乏を伴う左室駆出率(LVEF)が低下した収縮性心不全(HFrEF)患者では、経口高用量鉄補充療法を行っても運動耐容能は改善しないことが、米国・マサチューセッツ総合病院のGregory D. Lewis氏らが行ったIRONOUT HF試験で示された。鉄欠乏は、HFrEF患者の約半数にみられ、生活機能の低下や死亡の独立の予測因子とされる。静脈内投与による鉄補充の良好な結果が報告されているが、高価で外来患者にとっては定期的な受診が負担となるのに対し、経口鉄補充は安価で容易に行えるが、心不全に対する効果は明らかではない。JAMA誌2017年5月16日号掲載の報告。

ケアプログラムは、急性期病院での終末期の質を改善するか/Lancet

 Care Programme for the Last Days of Life(CAREFuL)と呼ばれる終末期医療プログラムは、継続的なモニタリングを要するものの、急性期病院の高齢者病棟における臨死期の医療を改善する可能性があることが、ベルギー・ブリュッセル自由大学のKim Beernaert氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2017年5月16日号に掲載された。英国の高齢者の50%以上が、終末期医療の質が最良とは言えない環境の急性期病院で死亡するという。また、CAREFuLと同様のプログラムとして、リバプール・ケア・パスウェイ(LCP)がよく知られているが、既報の急性期病院でのクラスター無作為化試験はイタリアで行われたがん患者を対象とするものが1件あるのみで、この試験ではケアの質改善は確認されていない。

うつ病は認知症のリスクファクター or 初期マーカー

 うつ病は、認知症のリスクファクターとして知られているが、この関係が原因であるかはわかっていない。オーストラリア・西オーストラリア大学のO. P. Almeida氏らは、うつ病に関連する認知症が抗うつ薬使用により減少するか、うつ病への曝露と認知症が発症した時間との関係性を調査した。Translational psychiatry誌2017年5月2日号の報告。

難治性EGPAにメポリズマブは有用か?/NEJM

 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)患者において、標準治療へのメポリズマブ併用はプラセボ併用と比較し、寛解維持期間が有意に長く、持続的寛解を達成した患者の割合も高く、ステロイドの使用量も減少した。ただし、メポリズマブ群においてプロトコルで定義した寛解が得られた患者は、約半数のみであった。米国・National Jewish HealthのMichael E. Wechsler氏らが、EGPA患者を対象としたメポリズマブの第III相多施設共同無作為化二重盲検試験の結果を報告した。EGPAはチャーグ・ストラウス症候群として知られていた多発血管炎を伴う好酸球性肉芽腫症で、患者の多くがステロイド治療に依存しており、再発することが多い。これまでの研究で、抗IL-5モノクローナル抗体薬であるメポリズマブは、好酸球数を減少させ、EGPA治療の効果が期待できると示唆されていた。NEJM誌2017年5月18日号掲載の報告。