医療一般
現在のガイドラインでは、慢性不眠症の第1選択治療として、不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)が推奨されている。欧州ガイドラインにおける薬理学的治療の推奨事項には、短時間または中間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬・Z薬(エスゾピクロン、zaleplon、ゾルピデム、ゾピクロン)、デュアルオレキシン受容体拮抗薬(DORA:ダリドレキサント)、メラトニン受容体拮抗薬(徐放性メラトニン2mg)などの薬剤が含まれている。不眠症は慢性的な疾患であり、一部の治療に反応しない患者も少なくないため、さまざまな治療アプローチや治療薬の切り替えが必要とされる。しかし、現在の欧州では、これらの治療薬切り替えを安全かつ効果的に実践するためのプロトコールに関して、明確な指標が示されているわけではない。イタリア・ピサ大学のLaura Palagini氏らは、このギャップを埋めるために、不眠症に使用される薬剤を切り替える手順と妥当性を評価し、実臨床現場で使用可能な不眠症治療薬の減量アルゴリズムを提案した。Sleep Medicine誌2025年4月号の報告。