直近10年で視覚障害が21%増加、長期糖尿病患者29%増大が関連の可能性/JAMA 最終更新:2012/12/24 ジャーナル四天王 直近10年間で米国では、20歳以上の成人の非屈折性視覚障害者が21%増加しており、原因として同時期に有意な有病率の上昇がみられた糖尿病がリスク因子として関連している可能性を、米国・ジョンズホプキンス大学のFang Ko氏らが報告した。米国では直近10年間で糖尿病や糖尿病性網膜症のような眼の後遺症を伴う慢性疾患の増加が報告されていた。Ko氏らは、糖尿病は視覚障害と強く関連することから、より若い世代で非屈折性視覚障害が増えているのではないかと仮説を立てて検証試験を行った。JAMA誌2012年12月12日号より。
経済的繁栄により、地域保健の隔差が拡大/BMJ 最終更新:2012/12/24 ジャーナル四天王 1990年代後半からのイングランドの経済的繁栄により、英国における健康の地域間隔差はむしろ拡大し、現在の経済不況によって問題はさらに悪化する可能性があることが、英国・リバプール大学のBen Barr氏らの調査で示された。1998~2007年までの10年間にわたるイングランドの経済的な繁栄は英国全体の平均寿命の延長をもたらしたが、すべての地域が豊かさを共有したわけではない。この不均一な経済発展の状況が健康隔差に及ぼした影響は明らかではなく、自治体への財政的インセンティブをその実績に基づいて決める方法の、地域保健の改善における意義も不明だという。BMJ誌2012年12月8日号(オンライン版2012年12月4日号)記載の報告。
難治性慢性腰痛患者への高頻度SCS、6ヵ月時点で74%が改善を報告 最終更新:2012/12/24 医療一般 難治性の慢性腰痛患者に対して、高頻度の脊髄電気刺激療法(spinal cord stimulation:SCS)は、70%以上で腰痛および下肢痛の軽減を有意かつ持続的にもたらすことが報告された。とくに感覚異常がなく達成され、患者は身体障害や睡眠に関する有意な改善も認められた。
最も多い皮膚科医への患者のクレームは「がっかり」 最終更新:2012/12/24 医療一般 皮膚科部門に関するクレーム調査の結果、病院の中では皮膚科部門への訴えの割合は低いが、クレーム自体は増加しており、その背景には患者の要求および権利意識の高まりがあると、ポルトガル・Hospital Santo Antonio dos CapuchosのJoana Cabete氏らが報告した。
百日咳ワクチン対策の「コクーン戦略」は限界がある? 最終更新:2012/12/24 医療一般 オーストラリア・シドニー大学のK.E. Wiley氏らは、小児ワクチン戦略の「コクーン(繭)戦略」に関して、生後6ヵ月未満の年少の乳児における百日咳の感染源を調べ、接種対象者についてエビデンス情報のレビューを行った。コクーン戦略は、ワクチンが疾患等により接種できない小児の代わりに、近親者に接種を行い繭に包まれた状態として感染を防御するというものである。
オキシトシン鼻腔内投与は、統合失調症患者の症状を改善 最終更新:2012/12/24 比較 統合失調症患者に対して、オキシトシンを投与することで症状改善につながるとの先行研究がある。しかし、それらは短期間の研究にとどまっており、統合失調症患者に対するオキシトシン投与について、3週間超のエビデンスは存在しなかった。イラン・テヘラン医科大学Roozbeh精神病院のAmirhossein Modabbernia氏らは、リスペリドンによる治療を受けている統合失調症患者にオキシトシン鼻腔内スプレーを8週間併用し、有効性と忍容性についてプラセボと比較検討した。その結果、オキシトシン鼻腔内投与により統合失調症患者の症状、なかでも陽性症状が著明に改善されることを報告した。CNS Drugs誌オンライン版2012年12月12日号の掲載報告。
漢方薬の服用経験者は7年前より2倍以上に増えている 最終更新:2012/12/24 医療一般 クラシエ薬品が21日、全国の20代~60代の男女560人を対象に実施した「漢方薬」に関する意識調査の結果を発表した。調査は2012年12月6~7日、インターネット上で行われた。
HPV DNA検査の子宮頸部病変検出能は、細胞診よりも良好/BMJ 最終更新:2012/12/21 ジャーナル四天王 子宮頸がん検診における子宮頸部病変の検出能は、ヒトパピローマウイルス(HPV)DNA検査が従来の細胞診よりも高いことが、フィンランドがん登録のMaarit K Leinonen氏らの検討で示された。HPV DNA検査は細胞診に比べ感受性が高く、子宮頸部の進行性病変をより早期に検出するが、非進行性病変をも検出するリスクがあるという。ほとんどのHPV感染は重大な細胞異型を引き起こすことなく迅速に消退するため、HPV検査陽性例は即座に確定診断や治療を要するわけではなく、細胞診の質が高い国では、これら陽性例に対するパパニコロー塗抹標本検査が適切なスクリーニング戦略と考えられている。BMJ誌2012年12月8日号(オンライン版2012年11月29日号)掲載の報告。
新規PCSK9阻害薬、LDL-C値を用量依存性に抑制:LAPLACE-TIMI 57試験/Lancet 最終更新:2012/12/21 ジャーナル四天王 新規のコレステロール低下薬であるAMG 145は、高コレステロール血症患者のLDLコレステロール(LDL-C)値を用量依存性に低下させることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のRobert P Giugliano氏らが実施したLAPLACE-TIMI 57試験で示された。心血管疾患の1次および2次予防のいずれにおいても、LDL-Cはリスク因子として確立されている。前駆蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)は、LDL受容体に結合してその分解を促進し、LDL-C値を上昇させる。AMG 145はPCSK9に対し高親和性に結合するヒトモノクローナル抗体で、第I相試験ではプラセボに比し1回投与後1週間で最大64%、週1回反復投与で最大81%のLDL-C値低下効果が示されている。Lancet誌2012年12月8日号(オンライン版2012年11月6日号)掲載の報告。
〔CLEAR! ジャーナル四天王(40)〕 RA系抑制薬同士の併用はメリットなく、むしろ有害 最終更新:2012/12/21 CLEAR!ジャーナル四天王 レニン-アンジオテンシン(RA)系阻害薬としては、ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)および直接的レニン阻害薬(アリスキレン)があるが、これまでONTARGET試験などで、ACE阻害薬とARBの併用は、ACE阻害薬単独に比べて心血管合併症予防効果が認められず、むしろ有害事象が増加するのみという結果が示されている。
レベチラセタムは末梢性の鎮痛・抗浮腫作用を示す 最終更新:2012/12/21 医療一般 セルビア・ベオグラード大学のRadica M. Stepanovic-Petrovic氏らは、ラット炎症性疼痛モデルを用いて、レベチラセタムの末梢局所における鎮痛・抗浮腫作用とその作用機序について検討した。その結果、レベチラセタムはオピオイド受容体、アドレナリン受容体、アデノシン受容体、5-HT受容体を介して末梢性の鎮痛作用を示すことが明らかになった。Anesthesia & Analgesia誌2012年12月号(オンライン版2012年11月9日号)の掲載報告。
乳がんのリスクにおけるアルコールと葉酸の影響は?~日本人での研究 最終更新:2012/12/21 疫学(危険因子) 葉酸は、アルコールとの相互作用により、多くのがんのリスクに影響を及ぼすことが示唆されているが、これらの因子がアジア人の乳がんリスクに及ぼす影響については十分に検討されていない。今回、閉経前および閉経後の日本人女性の乳がん患者1,754例とコントロール3,508例におけるケースコントロール研究の結果が、European journal of cancer prevention誌オンライン版2012年11月20日号に報告された。
統合失調症治療にニコチン作動薬が有効である理由とは? 最終更新:2012/12/21 医療一般 米国・Western New York Stem Cell Culture and Analysis CenterのM.K. Stachowiak氏らは、マウス試験の結果、FGF受容体シグナル伝達の変異が統合失調症に結びつく発達異常の中心的な役割を果たしており、統合失調症の治療についてニコチン作動薬が有効であることを示唆する知見を得た。Schizophrenia Research誌オンライン版2012年12月8日号の掲載報告。
小児急性胃腸炎動向からみえたノロウイルスワクチン開発の鍵 最終更新:2012/12/21 医療一般 長崎大学大学院のHoa Tran TN氏らは、小児(18歳以下)の急性散発性胃腸炎におけるノロウイルス遺伝子型分布を明らかにするため、2000年以降の発表論文のシステマティックレビューを行った。その結果、直近10年でGII.4、GII.3が大勢を占めるようになっており、その背景には世界的なGII.4変異型の出現があること、またノロウイルスはロタウイルス感染胃腸炎の減少と相反する形で小児急性胃腸炎での重要度を増している傾向が認められることなどを報告した。
中等度~重度のにきび、家族歴、BMI、食生活が影響? 最終更新:2012/12/21 医療一般 イタリアのAnna Di Landro氏らGISED Acne Study Groupは、にきびの原因には、遺伝的要因と環境的要因が関与している可能性があるとして、思春期および若年成人を対象に、それら要因と中等度~重度にきびリスクとの関係について調べた。その結果、家族歴とBMI、食事内容が中等度~重度にきびのリスクに影響を与えている可能性が示されたと報告した。Journal of the American Academy of Dermatology誌2012年12月号の掲載報告。
前立腺がんに対する術後放射線療法の長期結果:EORTC trial 22911/Lancet 最終更新:2012/12/20 ジャーナル四天王 前立腺がんに対する根治的前立腺全摘術後の放射線療法により、10年後の生化学的無増悪生存が経過観察よりも改善したが、有害事象の発現率が高く、70歳以上では死亡率が有意に上昇したことが、フランス・A Michallon大学病院のMichel Bolla氏らが実施したEORTC trial 22911の長期追跡の結果から明らかとなった。前立腺がんは前立腺被膜を超えて進展したり、精嚢浸潤がみられる場合(pT3)は局所再発リスクが10~50%と報告されている。本試験の5年の追跡結果では、術後放射線療法により生化学的および臨床的な無増悪生存がいずれも有意に改善することが示されている。Lancet誌2012年12月8日号(オンライン版2012年10月19日号)掲載の報告。
2型糖尿病に対するアリスキレン追加投与/NEJM 最終更新:2012/12/20 ジャーナル四天王 慢性腎臓病もしくは心血管疾患、または両方を有し標準的治療(ACE阻害薬またはARB)を受ける2型糖尿病の患者に対する、直接的レニン阻害薬アリスキレン(商品名:ラジレス)追加投与に関する試験の結果が報告された。デンマーク・コペンハーゲン大学のHans-Henrik Parving氏らが、8,500人超について行ったプラセボ対照二重盲無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2012年12月6日号(オンライン版2012年11月3日号)で発表された。
〔CLEAR! ジャーナル四天王(39)〕 新しいからよいと言えるか?:新規経口抗凝固薬による静脈血栓塞栓症治療 最終更新:2012/12/20 CLEAR!ジャーナル四天王 一般論として、1つの臨床的仮説に対する検証が1回の「無作為化二重盲検試験」により行われるよりも、世界各地にて複数の「無作為化二重盲検試験」が多数施行され、その結果をメタ解析する方法のほうが、臨床的仮説の検証法としては質が高いと言える。
双極性障害の再発予防に対し、認知療法は有効か? 最終更新:2012/12/20 比較 双極性障害患者は薬物療法を継続してもなお、再発するケースが少なくない。再発抑制を目指し、近年注目されているのがマインドフルネス認知療法(MBCT)である。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のT Perich氏らは、12ヵ月間のフォローアップを行ったランダム化比較試験により、双極性障害患者の治療におけるMBCTの有用性を検証した。Acta psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2012年12月9日号の報告。
中年期の広範囲の慢性疼痛リスク、少年期の知能指数1SD低下につき1.26倍上昇 最終更新:2012/12/20 医療一般 精神的因子は、慢性疼痛に関わる因子の一つと考えられていることから、英国・サウサンプトン大学のCatharine R. Gale氏らは、中年期の慢性疼痛について、少年期の知能との関連について調査した。その結果、少年期知能指数が低値になるほど中年期の慢性疼痛リスクは上昇すること、そのリスク上昇は、BMIが高いほど、また社会経済的階層が低くなるほど有意であることが明らかになったという。Pain誌2012年12月号の掲載報告。