失神入院患者は肺塞栓症有病率が高い?/NEJM 最終更新:2016/11/01 ジャーナル四天王 失神の初回エピソードで入院した患者は、約6例に1例の割合で肺塞栓症を有することが、イタリア・パドヴァ大学のPaolo Prandoni氏らが行ったPESIT試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2016年10月20日号に掲載された。失神は、急激に発症し短時間(<1分)で自然に解消する一過性の意識消失と定義され、一時的な脳の低灌流に起因すると考えられている。多くの教科書では、肺塞栓症は失神の鑑別診断に含まれるが、厳格な試験デザインで有病率を検証した研究はなく、欧州心臓病学会(ESC)や米国心臓協会(AHA)などの現行のガイドラインでは、これらの患者で肺塞栓症の診断を確定するための精査にはほとんど注意が払われていないという。
うつ病エピソードと緯度との関連とは 最終更新:2016/11/01 医療一般 カナダにおける緯度と年間のうつ病エピソードの有病率との関連について、カナダ・カルガリー大学のScott B Patten氏らが検討を行った。Canadian journal of psychiatry誌オンライン版2016年10月11日号の報告。
理想の年収額は2,000万円以上―医師1,000人へのアンケート 最終更新:2016/11/01 医療一般 ケアネットでは、9月9日(金)~12日(月)に会員医師1,000人(各年代200人ずつ)を対象に「医師の年収に関するアンケート」を行った。その中で、ご自身の業務内容・仕事量に見合うと思う年収額について尋ねたところ、現在の年収帯と同じ年収帯を回答する医師が多かった。なお、全体で最も回答数が多かった年収帯は2,000~2,500万円(17%)であった。
腹部大動脈瘤、ステントグラフトの長期有用性は?/Lancet 最終更新:2016/10/31 ジャーナル四天王 腹部大動脈瘤の治療において、ステントグラフト内挿術(EVAR)は外科的人工血管置換術(open repair)に比べ、早期の生存ベネフィットをもたらすものの長期生存は劣ることが、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのRajesh Patel氏らが進めるEVAR trial 1で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年10月12日号に掲載された。すでに、合併症のない腹部大動脈瘤へのEVARはopen repairに比べ、短期的な生存ベネフィットが優れることが無作為化試験で確認されているが、この早期の生存ベネフィットは数年で失われることが知られている。
小児のワクチン接種、非特異的な免疫学的効果はあるか/BMJ 最終更新:2016/10/31 ジャーナル四天王 小児へのワクチン予防接種の一部の試験では、非特異的な免疫学的効果を示唆する免疫反応の傾向やパターンが認められるものの、試験デザインの異質性のため臨床的に意味があるとは結論できないとの検討結果が、英国・オックスフォード大学のRama Kandasamy氏らによりBMJ誌2016年10月13日号で報告された。観察研究では、ワクチン予防接種による、全死因死亡への非特異的な効果の発現が示唆されているが、その免疫学的な因果関係の機序は明らかにされていない。
統合失調症や双極性障害、ビタミンD欠乏の有病率は 最終更新:2016/10/31 医療一般 いくつかの研究において、ビタミンD低レベルと統合失調症との関連が示唆されている。現時点で、双極性障害患者におけるビタミンD欠乏症の有病率に関する研究のみが存在する。オランダ・Mental Health Care Organisation Noord-Holland-NoordのRemco Boerman氏らは、ビタミンD欠乏症は、統合失調症や統合失調感情障害患者より、双極性障害患者で一般的であるとの仮説と一般オランダ人よりも、統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害患者で一般的であるとの仮説について検証を行った。なお、これまでの研究では入院患者を対象としていたが、本研究では唯一、外来患者を含み検討を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌オンライン版2016年9月21日号の報告。
果物摂取と胃がんリスクが逆相関~日中韓での研究 最終更新:2016/10/31 医療一般 果物・野菜の摂取と胃がんリスクとの関連について疫学的な知見は一貫していない。北京大学のTianyi Wang氏らは、日本・中国・韓国において前向き試験のプール解析を行った結果、果物の摂取量が多いと非噴門部胃がんリスクが低下する可能性を報告した。International journal of cancer誌オンライン版2016年10月19日号に掲載。
小児のワクチン接種と死亡率、BCG vs.DTP vs.MCV/BMJ 最終更新:2016/10/28 ジャーナル四天王 BCGおよび麻疹含有ワクチン(MCV)接種は、疾患予防効果を介して予想される以上に全死因死亡率を低下させ、ジフテリア・百日咳・破傷風の3種混合ワクチン(DTP)接種は逆に全死因死亡率を上昇させる可能性があることが、英国・ブリストル大学のJulian P Higgins氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、明らかとなった。これまでの研究で、麻疹やDTPなどのワクチン接種は、目的とする疾患の発症を顕著に減少させるにもかかわらず、目的の感染症以外に起因する死亡に影響を及ぼすことが示唆されていた。著者は、「今回の結果は、WHOで推奨されているワクチン接種の変更を支持するものではないが、ワクチン接種スケジュールにおけるDTPの順番の影響について無作為化試験で比較検討する必要がある」と述べるとともに、「すべての子供たちがBCG、DTP、MCVの予防接種を予定どおり確実に受けられるよう取り組むべきである」とまとめている。BMJ誌2016年10月6日号掲載の報告。
大不況中は下層階級の死亡率が改善/Lancet 最終更新:2016/10/28 ジャーナル四天王 スペインでは、全死因死亡率は大不況以前と比較して大不況中に低下し、その傾向がとくに下位の社会経済的集団で確認されたという。スペインのマドリード・コンプルテンセ大学のEnrique Regidor氏らが、異なる社会経済的集団の死亡率に対するマクロ経済変動の影響を検討する目的で、“Great Recession(サブプライム・ローン問題に端を発した金融危機による大不況:2007年8月~2009年6月)”の前と最中とで死亡率の傾向を解析し、各社会経済的集団での変化を調査した結果を報告した。この死亡率低下について著者は、「おそらくリスク因子への曝露が減少したことによると考えられる」と述べている。Lancet誌オンライン版2016年10月13日号掲載の報告。
失神患者の6人に1人はPEか?NEJMのデータを深読みする(解説:香坂 俊 氏)-605 最終更新:2016/10/28 CLEAR!ジャーナル四天王 NEJM誌に発表された、イタリアの失神患者に関する横断研究(PESIT研究)の結果が議論を呼んでいる。この研究は示唆に富むものであるが、適切に解釈するために(わが国での診療の現状を踏まえると)いくつか注意すべきことがあるように思われる。
10月29日は「世界乾癬デー」 最終更新:2016/10/28 医療一般 2016年10月24日(月)、日本イーライリリー株式会社/鳥居薬品株式会社は、10月29日の「世界乾癬デー」に先駆け、「意識調査から考える『乾癬の治療ゴールとコミュニケーション』」と題するプレスセミナーを開催した。セミナーでは、医師と乾癬患者の意識調査の結果を基に、現在の治療課題が論議された。
ADHD女児に併存する精神疾患は 最終更新:2016/10/28 医療一般 ADHD児は、併存する精神疾患リスクが高い。ADHDは、女児で最も一般的な小児疾患の1つであるにもかかわらず、男児と比較し、臨床的相関が少ないと考えられている。米国・カリフォルニア大学のIrene Tung氏らは、女児における、ADHDの有無と内在的(不安、抑うつ)、外在的(反抗挑戦性障害[ODD]、行為障害[CD])精神障害の併存率をメタ分析により要約した。Pediatrics誌2016年10月号の報告。
複雑なPCI症例ではDAPTを延長すべきか? 最終更新:2016/10/28 医療一般 薬剤溶出ステント(DES)留置を行った複雑な経皮的冠動脈形成術(PCI)後、抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)の最適期間は定まっていない。Gennaro Giustino氏ら研究グループは、PCIの複雑性に応じ、短期間(3~6ヵ月)と長期間(12ヵ月以上)におけるDAPTの有効性および安全性を比較検討した。Journal of the American College of Cardiology誌2016年10月25日号に掲載。
H.pylori除菌、第1選択は3剤療法よりビスマス4剤療法/Lancet 最終更新:2016/10/27 ジャーナル四天王 Helicobacter pylori(ピロリ菌)の除菌療法は、ビスマス4剤療法(クエン酸ビスマス三カリウム+ランソプラゾール+テトラサイクリン+メトロニダゾール)のほうが、従来の3剤療法に比べ、除菌率が約7%有意に高く、第1選択として好ましいことが示された。背景には、クラリスロマイシン耐性のピロリ菌の増加があるという。台湾国立大学病院のJyh-Ming Liou氏らが、成人感染者1,620例を対象に行った非盲検無作為化比較試験の結果、明らかにした。Lancet誌オンライン版2016年10月18日号で発表した。
米国人のサプリ摂取、オメガ3が7倍に/JAMA 最終更新:2016/10/27 ジャーナル四天王 米国成人の栄養補助食品「サプリメント」の摂取率の動向を調べた結果、1999~2012年にかけて摂取している人の割合は50%前後と安定的に推移していたが、種別にみると、複合ビタミン剤・複合ミネラル剤(MVMM)の摂取率は有意な減少を示した一方、さまざまなサプリメントを服用している傾向が増えており、なかでもオメガ3の摂取率が約7倍に増大していることが明らかになった。また年齢、性別、人種/民族、教育歴などの違いによる使用率の差が広がっていることも示されたという。米国・メモリアルスローンケタリングがんセンターのElizabeth D. Kantor氏らが、全国健康・栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey:NHANES)を基に行った横断研究の結果で、JAMA誌2016年10月11日号で発表した。
初回エピソード統合失調症、治療中止の理由は 最終更新:2016/10/27 医療一般 初回エピソード統合失調症では、1年間の抗精神病薬治療による寛解が推奨される。英国・Brighton and Sussex Medical SchoolのRichard Whale氏らは、初回エピソード統合失調症で一般的に使用される抗精神病薬の有効性を調査した。BJPsych open誌2016年9月号(オンライン版2016年10月10日号)の報告。
緑内障の視野障害の重症度、網膜血管密度の減少と関連 最終更新:2016/10/27 医療一般 近年、光干渉断層計血管造影(OCT-A)により網膜の微小血管の評価が可能となっている。米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のAdeleh Yarmohammadi氏らは、OCT-Aを用いて測定した血管密度の減少が、原発開放隅角緑内障における視野障害の重症度と、構造異常にかかわらず有意に関連していることを明らかにした。著者は、「OCT-Aは緑内障の管理において有用な技術であり、疾患の病態生理における血管系の役割について理解を深めることができる」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2016年10月7日号掲載の報告。
腎細胞がんの術後補助療法、スニチニブで予後改善/NEJM 最終更新:2016/10/26 ジャーナル四天王 腎摘除術後の再発リスクが高い腎細胞がん患者の術後補助療法において、スニチニブは良好な予後をもたらすことが、フランス・Saint Andre病院のAlain Ravaud氏らが実施したS-TRAC試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2016年10月9日号に掲載された。転移性腎細胞がんの予後は過去10年改善されておらず、この間にサイトカイン療法、放射線療法、ホルモン療法などによる術後補助療法が試みられたが、再発率の抑制には成功していない。血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬であるスニチニブは、転移性腎細胞がんに対する有効性が確認されている。
統合失調症に対する中国伝統医学、エビデンスの評価は 最終更新:2016/10/26 医療一般 統合失調症に対する中国伝統医学のランダム化比較試験の報告を調査し、この分野における研究のレビューを、中国・上海大学のHongyong Deng氏らが行った。Asia-Pacific psychiatry誌オンライン版2016年10月13日号の報告。
抗PD-L1抗体atezolizumab、肺がんに承認:FDA 最終更新:2016/10/26 医療一般 米国食品医薬品(FDA)は2016年10月18日、プラチナを含む化学療法中または後に進行した転移性非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、atezolizumab(商品名:TECENTRIQ、Genetec Oncolog)を承認した。