日本語でわかる最新の海外医学論文|page:519

ART実施のHIV陽性者、同性間でコンドーム不使用でも伝播せず/Lancet

 抗レトロウイルス薬療法(ART)によりウイルス量が抑制されているHIV陽性の男性同性愛者が、HIV陰性の同性パートナーとコンドームを使用せずに性行為を行っても、陰性パートナーへのHIV伝播リスクはゼロであることが示唆されたという。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのAlison J. Rodger氏らが行った「PARTNER」試験の結果で、Lancet誌2019年6月15日号で発表した。これまでの試験で、異性間カップルでは同リスクがゼロであることは明らかになっていた。著者は「今回の結果は、“U=Uキャンペーン”のメッセージを支持するものであり、HIVの早期検査と治療のベネフィットを裏付けるものである」と述べている。 コンドーム不使用の性行為をした同性カップルを追跡 PARTNER試験は、ヨーロッパ14ヵ国、75ヵ所の医療機関を通じて行われた前向き観察試験。2010年9月15日~2014年5月31日に行った「PARTNER1」試験では、パートナーがHIV陽性でARTを受けウイルスが抑制されている異性愛者カップルおよび男性同性愛者のカップルで、コンドーム不使用の性行為を報告したカップルを対象に追跡を行った。その後延長して行われた「PARTNER2」試験(追跡終了2018年4月30日)では、男性同性愛者カップルのみを追跡した。  追跡中の受診時に、性行為に関する質問、HIV陰性パートナーに対するHIV検査、HIV陽性パートナーに対するHIV-1ウイルス量測定検査を行った。HIV陰性パートナーに抗体陽転が見つかった場合には、匿名で系統学的検査を行い、HIV-1 polとenvを比較してパートナーからの感染可能性を検証した。  解析対象(カップル追跡年)には、コンドーム不使用の性行為を報告したカップルで、HIV陰性パートナーから性行為前・後の予防投与の報告がなく、HIV陽性パートナーのウイルス量が抑制されていた(直近1年以内の検査で血中HIV-1 RNA<200コピー/mL)場合のみを適格として組み入れた。 カップル782組を中央値2.0年追跡 2010年9月15日~2017年7月31日にかけて、972組の男性同性愛カップルが試験に登録された。カップル追跡年数は1,593(782組)カップル年、追跡期間中央値は2.0年(IQR:1.1~3.5)だった。ベースラインのHIV陽性パートナーの年齢中央値は40歳(同:33~46)、コンドーム不使用の性行為の期間中央値は1.0年(同:0.4~2.9)だった。  解析対象としたカップル追跡年における、コンドーム不使用の肛門性行為の報告回数は7万6,088回だった。また、HIV陰性男性777例のうち、288例(37%)がパートナー以外とのコンドーム不使用の性行為を報告した。  カップル追跡年において、新規HIV感染の発生は15例だった。しかし、いずれも系統学的にパートナーから伝播ではなく、ARTを受けるHIV陽性パートナーからのHIV伝播率はゼロと認められた(95%信頼区間上限値:0.23/100カップル追跡年)。

妊娠中の新型インフルワクチン接種、出生児5歳までのアウトカム/BMJ

 妊娠中に受けた2009年パンデミックH1N1(pH1N1)インフルエンザワクチン接種と、出生児の5歳までの健康アウトカムについて、ほとんど関連性は認められないことが、カナダ・オタワ大学のLaura K. Walsh氏らにより報告された。10万例超の出生児を対象に行った後ろ向きコホート試験の結果で、若干の関連性として、喘息の増加と消化器感染症の低下が観察されたが、著者は「これらのアウトカムは、さらなる検討で評価する必要がある」と述べている。BMJ誌2019年7月10日号掲載の報告。

労力に比して得るものが少なかった研究(解説:野間重孝氏)-1094

本論文は年齢・性別・狭心症のタイプ・pretest probability・CTの列数の観点から冠動脈造影CTの有用性を、65本の既出論文のメタアナリシスによって検討したものである。ご存じのように現在、世界のCTの10台に1台はわが国にある。高性能なものに限ればこの数はもっと多くなると推察される。これは他国とはかなり異なった医療状況を生み出しているのではないかと思う。SCCTが発表しているデータによれば、CTAの診断能は感度86%~99%、特異度95%~97%であるものの、陽性適中率は66%~87%にとどまる。本論文中では前者で97.2%~100%、後者で87.4%~89%との数字を別のメタアナリシスデータから引用している。しかし陰性適中率が98%~100%と、とてつもなく高い数字になることには言及していない。考えていただきたいのだが、ここに比較的安全でかつ陰性適中率がきわめて高い検査が比較的容易に行えるとしたら、疾病の確率が何パーセントかと論ずる前に、さっさとその検査を行ってしまうのではないだろうか。それが現在のわが国の実情なのだと思う。もっともこの論文も警告しているように、安易な検査のやり過ぎは国家医療財政に大きな負担となる。これも現在のわが国の現状そのものといえる。

トラックドライバーの日中の眠気とアルコール消費との関係

 商用車ドライバーの交通事故の主な原因として、日中の過度な眠気(excessive daytime sleepiness:EDS)が挙げられる。アルコール消費は、睡眠に直接的な影響を及ぼし、翌日の注意力やパフォーマンスに悪影響を及ぼす。順天堂大学のRonald Filomeno氏らは、日本の商用トラックドライバーにおけるアルコール消費とEDSとの関係および、このことが公衆衛生に及ぼす影響について横断的研究を実施した。Occupational Medicine誌オンライン版2019年7月2日号の報告。

ダコミチニブの用量調整と日本人肺がん患者の治療期間(ARCHER1050)/日本臨床腫瘍学会

 第2世代EGFR-TKIダコミチニブは、EGFR 変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療を評価する第III相ARCHER1050試験において、有意な無増悪生存期間(PFS)改善を示した。この改善効果は日本人サブセットでも一貫して確認されている。第17回日本臨床腫瘍学会学術集会では、神奈川県立がんセンターの加藤 晃史氏が、ARCHER1050試験の日本人サブセットにおけるダコミチニブの投与量調整の状況とその影響について発表した。

抗凝固療法終了後のVTE、10年で3分の1以上が再発/BMJ

 非誘発性の静脈血栓塞栓症(VTE)の初回エピソードを発症し、3ヵ月を超える抗凝固療法を終了した患者における累積VTE再発率は、2年で16%、5年で25%、10年では36%に達することが、カナダ・オタワ大学のFaizan Khan氏らMARVELOUS共同研究グループの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2019年7月24日号に掲載された。抗凝固療法は、非誘発性VTEの初回エピソード後のVTE再発リスクの抑制において高い効果を発揮するが、この臨床的な有益性は抗凝固療法を中止すると維持されなくなる。抗凝固療法を無期限に中止または継続すべきかの判断には、中止した場合のVTE再発と、継続した場合の大出血という長期的なリスクとのバランスの考慮が求められるが、中止後のVTE再発の長期的なリスクは明確でないという。

飽くことなき向上心(解説:今中和人氏)-1093

全米521施設での、経カテーテル的大動脈弁置換術のstroke発生率の経時的推移を見た論文である。対象は2011年11月~2017年5月まで5年余の間の10万1,430例(年齢中央値83歳、女性47%)で、20%に中等度以上の弁逆流があり、三尖以外の形態の弁が10%、透析患者が4%含まれていた。塞栓防止フィルターの使用については、本文中には詳細な記述がない。全調査期間のstroke発生率は2.3%(うち約5%が出血性梗塞)、一過性脳虚血は0.4%で、イベント発生はTAVR当日が半数、中央値は2日だった。発生率は調査期間を通じて不変で、リスク因子は、有意ではあるが年齢も84歳vs.82歳。そのほか、女性、stroke既往、PAD合併、頸動脈狭窄合併、STSスコア高値などが挙がっていて、n数が大きいので有意差はついたが、臨床の現場でselectionに資するほどの違いはない。施設ごとの経験症例数(カットオフ100例)や、いかにも関係ありそうな糖尿病や心筋梗塞既往、腎障害や心房細動の有無もstroke発生率に有意差はなかった。過日、問題となった血栓弁と抗凝固療法についても、観察期間が30日とごく短いこともあってstrokeと無関係だった。

糖尿病外来患者の検査、施設でばらつき

 「全国のレセプトデータを調査し、糖尿病診療の質指標を測定した研究」について、国立国際医療研究センターと東京大学大学院医学系研究科などで構成される研究グループが、7月30日に研究結果を発表し、“Diabetes Research and Clinical Practice”1)にも掲載された(発表者:杉山 雄大氏[国立国際医療研究センター 研究所 糖尿病情報センター 医療政策研究室長])。  本研究の目的は、糖尿病診療では、血糖・血圧などのコントロールの他に、合併症を早期診断するために合併症検査を定期的に行うことが重要だとされている、しかし、これまで一部の保険者や施設の実施割合の報告はあったものの、全国における状況を調べた研究はなかったことから今回行われたものある。

精神疾患患者の不眠症に対するスボレキサント1週間投与のオープンラベル試験

 精神疾患患者の不眠症に対するスボレキサントの有効性および安全性に関する報告は、これまで行われていなかった。藤田医科大学の岸 太郎氏らは、精神疾患患者を対象に、不眠症に対するスボレキサントの1週間プロスペクティブ臨床試験を実施した。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2019年7月8日号の報告。  試験開始の前週に不眠症状(総睡眠時間[TST]6時間未満、入眠時間[TSO]30分以上、入眠後2回以上の中途覚醒エピソードのいずれか)を4夜以上経験した精神疾患患者57例を対象に、スボレキサント固定用量による1週間の単一群プロスペクティブ臨床試験を実施した。

子供の体脂肪量測定、正確で簡便な方法を開発/BMJ

 身長、体重、年齢、性別、民族という5つの因子に基づき、子供の体脂肪量をBMIより正確に測定する可能性のある新たなモデルが開発された。英国・ロンドン大学のMohammed T. Hudda氏らが、BMJ誌2019年7月24日号で報告した。体重に基づく尺度として、BMIは非脂肪量(lean mass)と脂肪量(fat mass)を判別せず、既定のBMIの集団でも脂肪量に大きなばらつきがあり、心血管代謝疾患のリスクとの関連にも違いが生じる可能性があるという。子供の体脂肪量の評価を改善するために、日常的に利用しやすい測定値に基づく、より正確で簡便な方法が求められている。

認知症の有無によるせん妄の影響

 せん妄エピソード後の機能や認知機能の低下および死亡率に対し、認知症の有無が影響を及ぼすかについて、オランダ・Meander Medical CentreのSofie van Roessel氏らが、レビューを行った。Maturitas誌2019年7月号の報告。  認知症およびせん妄について、MEDLINE、EMBASEよりシステマティックに検索を行った。研究結果をスクリーニングした後、関連性および妥当性を評価し、データを抽出した。認知機能低下は、ミニメンタルステート検査(MMSE)スコアの低下と定義した。機能低下は、バーセル尺度(BI)、手段的日常生活動作(IADL)スコアの低下または施設入所と定義した。

亜鉛不足が脱毛の原因に!50歳以上は要注意

 亜鉛は1,000の酵素反応、2万以上の転写反応に必要な必須微量元素であり、発生、分化、増殖といった幅広い生体活動に関与する。しかし、その役割の多くは明らかされていない。2019年7月13~14日、日本men’s health医学会のスポンサードシンポジウム3において、小川 陽一氏(山梨大学皮膚科学部内講師)が「亜鉛と皮膚疾患」について講演した(ノーベルファーマ株式会社共催)。  亜鉛はすべての生物に不可欠であり、継続的に欠乏すると死に至る。必須微量元素としての生体内含有量は鉄に次いで2番目に多く、体内で常時2~3gに維持されている。しかし、「亜鉛欠乏患者は発展途上国を中心に世界で13億人も存在し、全世界人口の17%に相当する」と小川氏はコメント。亜鉛が欠乏すると、味覚異常をはじめ、皮膚炎や口内炎のほか、脱毛や傷が治りにくいなどの症状が出現する。また、亜鉛濃度は日内変動と加齢変化を起こすことから、後者により50歳以上で潜在的な亜鉛欠乏に陥っている可能性が高い1)。欠乏の可能性がある場合は、亜鉛欠乏症の診断基準に該当すれば治療が必要となる。

低~中所得国の高血圧ケア、その継続性は?/Lancet

 低~中所得国(LMIC)では、高血圧ケアを継続中の患者が、どの段階でケアを受けなくなるかに関する全国調査のエビデンスが少ない。一方、この情報は、保健医療サービス介入の効果的な対象の設定や、高血圧ケアの改善の進展評価において重要だという。米国・ハーバード公衆衛生大学院のPascal Geldsetzer氏らは、LMICにおける高血圧ケアの中断の現況を調査・評価し、Lancet誌オンライン版2019年7月18日号で報告した。  研究グループは、44ヵ国のLMICにおいて、ケアの過程(ケアの必要性から治療の成功まで)の個々の段階でその消失を評価することにより、4段階の高血圧ケアカスケード(血圧測定、高血圧の診断、治療、高血圧コントロール)の達成状況を、国別および集団別に検討する目的で、横断研究を実施した(Harvard McLennan Family Fundなどの助成による)。

高血糖の脳梗塞患者、強化血糖コントロールは有効か/JAMA

 高血糖を有する急性期虚血性脳卒中患者の治療において、最長72時間の強化血糖コントロールは標準治療と比較して、90日時に機能アウトカムが良好な患者の割合に差はないことが、米国・バージニア大学のKaren C. Johnston氏らが行った「SHINE試験」で示された。研究の詳細は、JAMA誌2019年7月23日号に掲載された。急性期虚血性脳卒中患者では、高血糖は不良な転帰と関連するが、高血糖への強化治療の効果は知られていないという。  本研究は、米国の70施設が参加した無作為化臨床試験であり、2012年4月~2018年8月の期間に63施設から1例以上の患者が登録された(米国国立神経疾患・脳卒中研究所[NINDS]などの助成による)。

Evidence Based Medicine追求への神髄を見た(解説:岡慎一氏)-1092

ホルモン薬を使った避妊方法はいくつかある。その中で、黄体ホルモン製剤であるメドロキシプロゲステロン酢酸エステル剤の筋注薬は、避妊には有効であるが、30年来の観察研究からHIV感染のリスクを高める可能性があるとされていた。とくに、2つのメタアナリシスの結果では、この避妊法は他の方法に比べ40~50%もHIV感染リスクを高めるとされていた。しかし、WHOの見解では、対象となった多くの論文は、重大なlimitationを抱えており、有効で安全な避妊法の質の高いエビデンスを出すためには、追加の研究が必要であると結論付けた。

統合失調症患者の自殺企図の頻度~観察研究のメタ解析

 自殺企図は、自殺および将来の潜在的な死亡リスクに影響を及ぼす重要な指標である。しかし、自殺企図の有症率は、研究間でばらつきがある。中国・マカオ大学のLi Lu氏らは、統合失調症患者の自殺企図の有症率を調査するため、メタ解析を実施した。Epidemiology and Psychiatric Sciences誌オンライン版2019年6月7日号の報告。  各データベース(Embase、PsycINFO、PubMed、Web of science、Cochrane)よりシステマティックに検索を行った。統合失調症患者の自殺企図の有症率に関するデータを、ランダム効果モデルを用いてプールした。

術前化学療法を受けた乳がん患者の術後上肢リンパ浮腫、リスク因子は?/JAMA Surgery

 乳がん患者の術後リンパ浮腫に関して、従前にない知見が示された。これまでのリンパ浮腫に関する大部分の研究は、対象集団が不均一で術後補助化学療法を受けた患者に重点を置いているが、米国・ミズーリ大学コロンビア校のJane M. Armer氏らは、術前化学療法と乳がん手術+腋窩リンパ節郭清を受けた患者のリンパ浮腫について検討。ACSOG Z1071研究の登録患者について解析を行い、長期の術前補助化学療法と肥満がリンパ浮腫の発現と関連していることを明らかにした。著者は、「このようなリスク因子を有する患者では、リンパ浮腫のサーベイランスを強化することが有益であろう」とまとめている。JAMA Surgery誌オンライン版2019年7月17日号の掲載。

PD-1阻害薬のILD、GGOタイプは予後不良?/日本臨床腫瘍学会

 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は、非小細胞肺がん(NSCLC)に有効かつ持続的な効果をもたらすが、ICIによる間質性肺炎(ILD)は致死的となる場合もある。しかし、ILDの画像パターンと抗腫瘍効果、さらに患者の生存との関係は明らかになっていない。新潟大学の渡部 聡氏らはPD-1阻害薬治療患者によるILDの放射線学的特徴と臨床結果の後ろ向き観察試験を実施し、その結果を第17回日本臨床腫瘍学術集会で報告した。  2016年1月~2017年10月に、Niigata Lung Cancer Treatment Group(11施設)の診療記録から、1~3次治療でPD-1阻害薬投与を受けたNSCLC患者を評価した。ILDは各施設の担当医が診断し、画像データを元に独立した1名の放射線科医と2名の呼吸器科医がILDの画像分類を行った。

長期透析患者の貧血、roxadustat vs.エポエチンアルファ/NEJM

 透析を受ける中国人患者の貧血治療において、経口roxadustatは非経口製剤のエポエチンアルファに対して非劣性であることが示された。中国・上海交通大学医学院のNan Chen氏らが、roxadustatの有効性および安全性を評価した第III相無作為化非盲検実薬対照比較試験の結果を報告した。roxadustatは、経口投与が可能な低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素阻害薬で、赤血球造血を刺激し鉄代謝を調整することが実証されている。透析施行中の貧血患者に対する治療薬として、標準治療である赤血球造血刺激因子製剤と比較した場合の有効性と安全性に関して、さらなるデータが必要とされていた。NEJM誌オンライン版2019年7月24日号掲載の報告。

頭蓋内圧亢進の診断に非侵襲的手法は有用か?/BMJ

 重症患者の頭蓋内圧亢進の診断において、身体所見(瞳孔散大、グラスゴー・コーマ・スケール[GCS]の最良運動反応が3以下の異常姿勢、GCS合計8以下の意識レベル低下)、画像診断(脳底槽の消失、正中偏位)、および非侵襲的検査は、いずれも診断精度が乏しく、頭蓋内圧亢進の除外診断にこれらの検査を単独で用いるべきではないことが示された。カナダ・オタワ大学のShannon M. Fernando氏らが、システマティックレビューおよびメタ解析の結果を報告した。頭蓋内圧亢進の確定診断には侵襲的なモニタリングが必要であるが、出血や感染などの合併症が懸念され、すべての状況で利用できるわけではないことから、臨床医はしばしば非侵襲的検査に頼らざるを得ないが、これらの診断精度は不明であった。著者は、「頭蓋内圧亢進が強く疑われる場合は、個々の非侵襲的検査の結果にかかわらず、侵襲的頭蓋内圧モニターの留置が可能な施設へ搬送し治療する必要があろう」とまとめている。BMJ誌2019年7月24日号掲載の報告。