日本語でわかる最新の海外医学論文|page:252

ビメキズマブ、乾癬性関節炎の症状を改善/Lancet

 腫瘍壊死因子α(TNFα)阻害薬の効果が不十分または不耐の乾癬性関節炎患者の治療において、ビメキズマブはプラセボと比較して、16週の時点での関節および皮膚の症状の改善効果が有意に優れ、安全性も良好であることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のJoseph F. Merola氏らが実施した「BE COMPLETE試験」で示された。ビメキズマブは、インターロイキン(IL)-17FとIL-17Aの双方を選択的に阻害するヒト化モノクローナルIgG1抗体。IL-17FまたはIL-17Aのいずれかの単独阻害と比較して、in vitroでの炎症性サイトカインの反応をより効果的に抑制することが知られている。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2022年12月5日号で報告された。

進行期CKDにRA系阻害薬は有益か?―STOP ACEi試験が教えてくれた―(解説:石上友章氏)

CKD診療は、心血管イベント抑制と腎保護を両立させることを目標としている。RA系阻害薬は、CKD診療の標準治療の1つである。一方で、内因性のレニン・アンジオテンシン系には、腎血行動態の恒常性を保つ作用があり、RA系阻害薬の使用により、血清クレアチニンが上昇し、推定GFRが低下することが知られている。こうした変化は、腎血行動態上の変化であって、機能的であり、一過性の変化であることから、必ずしも有害ではないのではないかと許容されてきた。本邦の高血圧診療ガイドラインであるJSH2014においても、「RA系阻害薬は全身血圧を降下させるとともに、輸出細動脈を拡張させて糸球体高血圧/糸球体過剰濾過を是正するため、GFRが低下する場合がある。しかし、この低下は腎組織障害の進展を示すものではなく、投与を中止すればGFRが元の値に戻ることからも機能的変化である」(JSH2014, p.71.)とある。一方で、英国・ロンドン大学衛生熱帯医学校のSchmidt M氏らが、RAS阻害薬(ACE阻害薬、ARB)の服用を開始した12万例超について行ったコホート試験の結果は、こうした軽微なCrの上昇・推定GFRの低下が、必ずしも無害ではないことを示している(Schmidt M, et al. BMJ. 2017;356:j791.PMID: 28279964)。

capivasertib+フルベストラント、CDK4/6治療歴によらずAI耐性進行乳がんでPFS延長(CAPItello-291)/SABCS2022

 アロマターゼ阻害薬(AI)耐性のエスロトゲン受容体(ER)陽性/HER2陰性進行・再発(ABC)乳がん患者において、AKT阻害薬capivasertib+フルベストラントが、プラセボ+フルベストラントと比較して無増悪生存期間(PFS)を約2倍に延長した。日本を含むグローバル第III相CAPItello-291試験の結果を、英国・王立マーズデン病院のNicholas Turner氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2022)で発表した。なお、本療法については第II相FAKTION試験で閉経後女性患者において全生存期間(OS)とPFSを有意に改善したことが報告されているが、CDK4/6阻害薬治療歴のある患者は含まれていなかった。

慢性片頭痛と睡眠の質との関係

 最近の研究によると、片頭痛患者では睡眠に関する問題が高頻度に発生し、慢性的な睡眠不足に陥ることが示唆されているが、慢性片頭痛が睡眠の質に及ぼす影響に関するメカニズムは明らかになっていない。トルコ・Yozgat Bozok UniversityのHikmet Sacmaci氏らは、慢性片頭痛患者で一般的に報告される睡眠障害を分析し、睡眠の質に対する慢性片頭痛の影響を明らかにするため、本研究を行った。その結果、慢性片頭痛患者では睡眠障害が一般的に認められ、睡眠の質と片頭痛の慢性化とは相互に関連していることが示唆された。Nature and Science of Sleep誌2022年10月6日号の報告。

T-DXd、HER2+進行乳がん2次治療でOSを有意に改善(DESTINY-Breast03)/Lancet

 米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のSara A. Hurvitz氏らは、第III相非盲検無作為化試験「DESTINY-Breast03試験」のアップデート解析を行い、転移のあるHER2陽性乳がん患者において、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)はトラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)と比較して全生存期間(OS)を有意に改善したことを報告した。また、先の中間解析で、T-DXdが2次治療の標準治療に位置付けられるに至った無増悪生存期間(PFS)中央値(未到達)について、今回の解析で、研究グループが知りうる限り「最長値(28.8ヵ月)が示された」ことを報告した。著者は、「今回のアップデート解析で、2次治療の標準治療としてのT-DXdを再確認した。また、T-DXdの管理可能な安全性プロファイルを、より長期にわたる治療期間において確認できた」と述べている。Lancet誌オンライン版2022年12月6日号掲載の報告。  DESTINY-Breast03試験は、T-DXd vs.T-DM1の有効性および安全性の比較を目的とし、北米、アジア、欧州、オーストラリアおよび南米の169試験施設で行われた。  18歳以上、HER2陽性で切除不能または転移のある乳がんで、トラスツズマブおよびタキサン系抗がん剤で既治療、ECOG PSが0~1、RECIST v1.1に基づく測定可能病変が1つ以上ある患者を適格とした。  患者は無作為に1対1の割合で、T-DXd 5.4mg/kgまたはT-DM1 3.6mg/kgを受ける群に割り付けられ、両群とも3週ごとに静脈内投与を受けた。無作為化は、ホルモン受容体の状態(陽性または陰性)、ペルツズマブの既治療、内臓系疾患による層別化を伴い、双方向ウェブベースシステムを通じて行われた。各階層内でバランスを考慮したブロック無作為化法が用いられた。患者と研究者は、受けた治療についてはマスキングされなかった。  主要評価項目はPFSで、盲検化され独立した中央レビューで評価した。主な副次評価項目はOSで、今回の事前に規定された2回目となるOS中間解析(データカットオフ日2022年7月25日)では、OS、有効性、安全性のアップデート結果が報告された。有効性解析は、全解析データを用いて行われ、安全性解析は、無作為化を受け、少なくとも1回試験薬の投与を受けたすべての患者を対象とした。

術中の超生理的酸素投与、臓器損傷リスクを増大/BMJ

 手術中の超生理的な酸素投与の増量は、急性腎障害(AKI)、心筋傷害および肺損傷の発生増大と関連することが、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのDavid R. McIlroy氏らによる検討で明らかにされた。全身麻酔下で手術を受けるほとんどの患者は、十分な動脈血酸素飽和度維持のために必要量以上の酸素を投与される。超生理的酸素投与の有害な影響は分子レベルで確認されているが、手術中のこれらの影響の臨床的関連は明らかになっていなかった。なお今回の結果について著者は、「示された臓器損傷の発生増大との関連について残余交絡を排除することはできない」として、「手術中の酸素投与に関する指針を示すために、些少でも臨床的に重要な影響が検出できる大規模な臨床試験が必要である」とまとめている。BMJ誌2022年11月30日号掲載の報告。  研究グループは、手術中の超生理的酸素投与が術後の腎臓・心筋・肺損傷の発生減少または増加と関連するかどうかを観察コホート試験で調べた。  米国内42の医療センターが参加するMulticenter Perioperative Outcomes Groupデータレジストリを用いた。参加者は、2016年1月~2018年11月に、全身麻酔と気管内挿管による120分以上の手術を受けた入院成人患者であった。  超生理的酸素投与は、SpO2 >92%の間(分当たり)のFIO2 >21%の曲線下面積で定義(AUCFIO2)した。

高TG血症合併2型糖尿病患者を対象としたRCT研究(ペマフィブラート投与群 vs.対照群)の結果からTGレベルが十分に低下しても心血管イベントの抑制効果に差はみられなかった!―(解説:島田俊夫氏)

脂質異常症が動脈硬化に悪影響を与えていることは以前から想定されているが、裏付けるエビデンスが乏しい。一方で高LDLコレステロール血症が動脈硬化を促進することは周知の事実となっている。また、コレステロールは細胞膜形成に不可欠な成分であり、ステロイドホルモンや胆汁酸の原料でもある。生命維持に必要不可欠な物質であることを忘れてはならないが、過剰なコレステロール血症の存在は動脈硬化、冠動脈疾患のリスクを増加させることは遍く認識されている。これまでの多数のスタチンを使った大規模研究でLDLコレステロール値を下げることで、動脈硬化、冠動脈疾患のリスクが下げられることは証明済みである。

HR+/HER2低発現早期乳がんの術前療法としてのT-DXdの有用性(TALENT)/SABCS2022

 ホルモン受容体陽性(HR+)かつHER2低発現の早期乳がん患者の術前補助療法として、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)±内分泌療法の有効性と安全性を検討した医師主導第II相TRIO-US B-12 TALENT試験の結果、良好なpCR率とORRが得られたことを、米国・Massachussetts General Hospital、Harvard Medical SchoolのAditya Bardia氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS 2022)で発表した。

小児および思春期の精神疾患に対する薬物治療反応の予測因子

 これまで、小児および思春期の精神疾患患者に対する薬物療法の治療反応の予測に関する研究は、十分に行われていなかった。慶應義塾大学の辻井 崇氏らは、米国国立精神衛生研究所(NIMH)によるサポートで実施された、小児および思春期の精神疾患患者を対象とした4つの二重盲検プラセボ対照試験のデータを分析し、薬物治療反応の予測因子の特定を試みた。その結果、小児および思春期の精神疾患患者に対する薬物療法の治療反応予測因子として、実薬による薬物療法の実施、女性、早期での改善が特定された。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2022年11月3日号の報告。

認知機能を学ぶオンラインカフェスペース「Cognition Cafe」公開【ご案内】

 ケアネットは、医療従事者に認知機能(cognition)を「知り」「学び」「考える」きっかけを届けるオンラインカフェスペース「Cognition Cafe」を公開した。  本サイトは、認知機能の理解を通して「人と関わる」「人が集まる」「社会復帰ができる」ことの実現を目的に、認知機能に関するさまざまなコンテンツや企画を発信するために立ち上げられた。現在(2022年12月)、実臨床に役立つ書籍や文献が紹介されているほか、認知機能に関するより専門的なコンテンツが掲載されている。本サイトは、認知機能改善に携わる精神科医師・リハビリ医師・看護師・心理士・ケアスタッフなどに向けて、認知機能を知り、また当事者の日常生活を改善するために必要な専門職の役割や知見を学ぶことを、リラックスできるカフェのようなオンライン空間で体験できる場を目指していく。

COVID-19行動制限の緩和により、喘息増悪が増加

 これまで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるロックダウンに伴い、喘息増悪が減少したことが報告されている。しかし、制限緩和による喘息への影響についてはいまだ報告されていない。そこで、英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のFlorence Tydeman氏らは、行動制限の緩和が急性呼吸器感染症(ARI)の発症や喘息増悪に及ぼす影響を検討した。その結果、制限緩和によりCOVID-19の発症・非COVID-19のARI発症がいずれも増加し、それらはいずれも重度喘息増悪の発現に関連していた。Thorax誌オンライン版2022年11月16日掲載の報告。

bDMARD未治療の乾癬性関節炎、ビメキズマブの有効性は?/Lancet

 生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(bDMARD)による治療歴がない乾癬性関節炎患者において、ビメキズマブはプラセボと比較して、16週時の関節、皮膚、画像的な有効性アウトカムについて有意な改善が認められた。真菌感染の発現を含むビメキズマブの安全性プロファイルは、尋常性乾癬患者を対象にしたIL-17A阻害薬のこれまでの第III相試験結果と一致していた。英国・グラスゴー大学のIain B. Mclnnes氏らが、14ヵ国135施設で実施された52週間の第III相無作為化二重盲検プラセボ対照実薬(アダリムマブ)参照試験「BE OPTIMAL試験」の結果を報告した。ビメキズマブは、IL-17AおよびIL-17Fを選択的に阻害するモノクローナルIgG1抗体で、ビメキズマブの有効性と安全性は並行して実施されたBE OPTIMAL試験とBE COMPLETE試験の2つの第III相試験で検証された。Lancet誌オンライン版2022年12月6日号掲載の報告。

前立腺がんスクリーニング、MRI後標的生検のみは有用か?/NEJM

 前立腺特異抗原(PSA)高値者でのスクリーニングと早期発見に関して、系統的生検を避けMRIを用いた標的生検の実施は、過剰診断のリスクを半減するが、少数の患者で中リスクのがん発見が遅れるという代償を伴うことが、スウェーデン・Sahlgrenska University HospitalのJonas Hugosson氏らが行った無作為化試験「GOTEBORG-2試験」の結果、示された。前立腺がんのスクリーニングは過剰診断率の高さが難点で、住民ベースのスクリーニングに最適なアルゴリズムは明らかになっていない。NEJM誌2022年12月8日号掲載の報告。  研究グループは、PSA検査後、MRI検査陽性者に標的生検のみを行うスクリーニングアルゴリズムが、現在推奨されているスクリーニングと比較して過剰診断が少ないかどうかを検証した。Swedish Population Registerを用いて、2015~20年にスウェーデンのヨーテボリまたはその周辺の10の自治体に居住していた50~60歳の男性3万7,887例に対し、定期的PSAスクリーニングへの参加を促した。PSA検査を受け、試験への参加に同意した1万7,980例(47%)を、対照群、実験群1および2の3群に1対1対1の割合で割り付けた。  対照群では、PSA値3ng/mL以上の男性について全例MRIによる評価と系統的生検を行い、前立腺画像報告データシステム(PI-RADS)version 2のスコアが3~5点の場合は標的生検を追加した。実験群1では、PSA値3ng/mL以上の男性について、MRIによる評価を行い、疑わしい病変が発見された場合に標的生検のみを行った。また、PSA値10ng/mL以上の場合は、MRIの結果にかかわらず系統的生検(±標的生検)を実施した。実験群2は、実験群1と同様であるが、MRI実施のPSAカットオフ値を1.8ng/mLとした。

妊娠希望で乳がん術後内分泌療法を一時中断した場合の再発リスク(POSITIVE)/SABCS2022

 HR陽性早期乳がんの若年女性において、妊娠を希望して術後補助内分泌療法を一時中断した場合のアウトカムを検討した前向き試験はない。今回、内分泌療法を2年間中断した場合の乳乳がん再発の観点から見た安全性について、前向き単群試験のPOSITIVE試験で検討した結果、短期的には再発リスクに影響がないことが示唆された。米国・Dana-Farber Cancer InstituteのAnn H. Partridge氏が、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2022)で発表した。

モデルナ製COVID-19ワクチン、追加免疫の接種対象が12歳以上に拡大

 モデルナは2022年12月12日付のプレスリリースで、「スパイクバックス筋注」(1価:起源株)、「スパイクバックス筋注」(2価:起源株/オミクロン株BA.1)および「スパイクバックス筋注」(2価:起源株/オミクロン株BA.4/5)の追加免疫について、日本における添付文書を改訂し、接種対象年齢が12歳以上に拡大されたことを発表した。  これについてモデルナ・ジャパン代表取締役社長の鈴木 蘭美氏は「オミクロン株とその亜系統による感染が拡大する中、モデルナのCOVID-19ワクチンにより進学や受験といったイベントを控える方の多い12~17歳の年齢層をCOVID-19から守れることを嬉しく思います」と述べている。

長時間労働に関連するうつ病リスクに対する身体活動の影響

 長時間労働がうつ病発症率の増加と関連していることを示唆する研究が増加している。しかし、長時間労働に関連するうつ病リスクに対する身体活動(PA)の影響を調査した研究はほとんどなかった。中国・Beijing Institute of Occupational Disease Prevention and TreatmentのTenglong Yan氏らは、PAが長時間労働に関連するうつ病リスクの修正可能な因子であるかを検討した。その結果、長時間労働はうつ病リスクと関連しており、PAはうつ病リスクをある程度修正可能であることが示唆された。Journal of Affective Disorders誌2023年1月15日号の報告。

3~17歳へのコロナワクチン、オミクロン優勢期の効果は?/BMJ

 アルゼンチンで、3~17歳の小児・青少年に対する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン(mRNA-1273[モデルナ製]、BNT162b2[ファイザー製]、BBIBP-CorV[Sinopharm製])2回接種の有効性について調べたところ、死亡に対する予防効果は、優勢となっている変異株の種類にかかわらず、小児・青少年ともに高値を維持していたことが明らかにされた。ワクチン接種後の短期間におけるSARS-CoV-2感染予防効果については、オミクロン変異株が優勢であった間は低かったこと、また時間の経過とともに同効果は急激に低下することも明らかにされた。アルゼンチン・保健省のJuan Manuel Castelli氏らが、約14万人のケースとそのマッチング対照を解析した、診断陰性例コントロール試験の結果で、BMJ誌2022年11月30日号で発表された。

米国でのAMIの30日死亡率、保険プランでの差は?/JAMA

 米国高齢者向けの公的医療保険・メディケアの、マネジドケア型でカバーする健康保険プラン「メディケアアドバンテージ」加入者と、従来型の出来高払いでカバーするプラン加入者について、2009~18年の急性心筋梗塞(AMI)のアウトカムを比較したところ、30日死亡率は、2009年時点ではメディケアアドバンテージ加入者が従来型メディケア加入者より、わずかながら統計学的に低かったが、2018年までに統計学的有意差は認められなくなっていた。米国・ハーバード大学医学大学院のBruce E. Landon氏らが、メディケアプログラムのデータを基に行った後ろ向きコホート試験の結果で、JAMA誌2022年12月6日号で発表された。メディケアアドバンテージプラン加入者の支払いカバー率は、2018年は37%だったが、2022年には48%に増大している。メディケアアドバンテージプランにおいて、特定の臨床状態の患者に同質のケアを提供していたかどうかは明らかになっていないが、著者は「今回の結果は、他の結果も考慮したうえで、メディケアプランの違いによる治療とアウトカムの格差に関する見識を提供するものになるだろう」と述べている。

長年の謎。ウイルス感染はなぜ寒い時期に増える?

 ウイルス性気道感染症は、冬の時期に増えることが知られているが、そのメカニズムはこれまで明らかになっていなかった。ハーバード大学のDi Huang氏らの研究グループは、上気道感染症の原因となるウイルスを撃退する鼻の中の免疫反応を発見した。さらに、この免疫反応は気温が低くなると抑制され、感染症が発生しやすくなることを明らかにした。本研究結果は、The Journal of Allergy and Clinical Immunologyオンライン版2022年12月6日に掲載された。

術前化療でリンパ節転移が陰性化した乳がんのALND省略後の再発、SLNBとTADの比較(OPBC-04/EUBREAST-06/OMA)/SABCS2022

 リンパ節転移陽性乳がんで術前化学療法により転移が陰性化した患者において、診断がセンチネルリンパ節生検(SLNB)単独または標的腋窩郭清(TAD)併用のいずれであっても、腋窩リンパ節郭清(ALND)省略後の早期腋窩再発が非常にまれであったことを、米国・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのGiacomo Montagna氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2022)で発表した。再発率は、標的腋窩郭清併用でもセンチネルリンパ節生検単独より有意に低くはなかったという。