脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:148

リクシアナ効能追加で静脈血栓症、心房細動に広がる治療選択肢

 2014年11月26日、都内にて「経口抗凝固療法の新潮流」をテーマにプレスセミナー(主催:第一三共株式会社)が開催された。本セミナーは、今年9月に同社のリクシアナ(一般名:エドキサバン)が、「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制(AF)」および「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制(VTE治療・二次予防)」に対する、効能追加承認を取得したことを受けて行われたものである。ここでは、孟 真氏(横浜南共済病院 心臓血管外科部長)によって講演された静脈血栓塞栓症にフォーカスし、レポートする。

脳卒中急性期の高血圧管理は、効果がない? ~無数のCQに、臨床試験は応えられるのか -ENOS試験の教訓~(解説:石上 友章 氏)-279

 臨床試験は、臨床現場の葛藤に回答を与えてくれることが期待されている。結果の不確実な選択肢に対して、丁半博打のような行為を繰り返す愚を回避するための、有力で科学的な解決策である。しかし、臨床現場のクリニカル・クエスチョン(CQ)は、有限個であるとはいっても、無数に存在する。1つのCQに、1つの臨床試験が確度の高い回答を与えてくれるとは限らない。CQを解決するつもりで行った臨床試験が、未知のCQを発掘することもある。また、臨床試験にかかるコストは、費用だけではない。人的なコスト、時間的なコストも莫大にかかるので、こうしたコストに見合った結果が得られるのかは、重大な関心事であろう。

ICSS試験:頸動脈ステント留置術と頸動脈内膜切除術の長期的転帰は同等(解説:中川原 譲二 氏)-278

 症候性頸動脈狭窄症の治療において、頸動脈ステント留置術(CAS)と頸動脈内膜切除術(CEA)の長期的転帰は同等であることが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのLeo H Bonati氏らInternational Carotid Stenting Study(ICSS)の研究グループによる検討で明らかとなり、Lancet誌オンライン版2014年10月14日号で報告された。

脳動脈瘤、コイルvs. クリッピング、10年転帰/Lancet

 脳動脈瘤破裂クモ膜下出血に対する血管内コイル塞栓術vs. 開頭クリッピング手術について検討した、国際共同研究ISATのうち英国コホート1,644例を長期18年追跡した結果が、オックスフォード大学のAndrew J Molyneux氏らにより報告された。要介護増大のみの比較では両群に違いはみられなかったが、死亡または要介護率でみると、クリッピング群がコイル群より有意に高率だったという。また10年時点の、再出血率はコイル群のほうが高いと思われたが、そのリスクは小さく、無障害生存率はコイル群のほうが有意に高率だったという。Lancet誌オンライン版2014年10月28日号掲載の報告。

脳卒中患者への降圧治療、身体機能改善せず/Lancet

 高血圧を伴う脳卒中患者に対する降圧治療は、血圧の低下はもたらすものの、身体機能は改善しないことが、英国・ノッティンガム大学のPhilip M W Bath氏らが行ったENOS試験で示された。脳卒中発症後の高血圧は不良な予後と関連することが知られているが、発症後早期の降圧治療の必要性や、投与中の降圧薬継続の是非は明らかにされていないという。Lancet誌オンライン版2014年10月22日号掲載の報告。

ステント留置vs.内膜切除:ICSS試験の長期結果/Lancet

 アテローム硬化性頸動脈狭窄の治療において、頸動脈ステント留置術と頸動脈内膜切除術の長期的な脳卒中の予防効果は同等で、長期的な身体機能にも差はないことが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのLeo H Bonati氏らInternational Carotid Stenting Study(ICSS)の研究グループによる検討で明らかとなり、Lancet誌オンライン版2014年10月14日号で報告された。同研究グループはこれまでに、脳卒中の予防では手技に関連するリスクと長期的効果のバランスは内膜切除術のほうが良好だが、この差はステント留置術で後遺障害を伴わない軽度脳卒中が過度に多いことに起因し、長期的な身体機能の低下がステント留置術で多いとはいえず、これはとくに高齢者で顕著なことを明らかにしている。2010年、本試験の120日以内の安全性に関する中間解析の結果が報告されており、今回は最長10年に及ぶ長期的な有効性解析の結果が示された。

生物学的年齢であるテロメア長は冠動脈疾患リスクと関係する(解説:原田 和昌 氏)-250

暦年齢は心血管疾患のリスクとなるが、内皮障害など生物学的年齢と関係するバイオマーカーが探索されてきた。その候補のひとつ、テロメア長が組織の種類により異なり加齢で短縮すること、組織により短縮速度が異なること、テロメア長に個人差が大きいことを2002年に田久保らは報告した。

原因不明の脳梗塞患者に潜む心房細動(解説:高月 誠司 氏)-247

 脳梗塞症例のうち20~40%は、適切な診断評価を行っても原因が不明とされ、これをCryptogenic stroke(原因不明の脳梗塞)という。心房細動による心原性脳梗塞は再発の頻度が高く、しかも重篤な症状を残すことが多い。初回脳梗塞発作時に適切に心房細動と診断し適切な抗血栓療法を行えば、患者の予後を改善する可能性がある。しかし発作性心房細動症例では脳梗塞発症時に洞調律に戻っていると、その診断に苦慮することがある。