循環器疾患 予防のための提案2つ 「2025年問題」―この言葉をご存じだろうか?これは団塊の世代が2025年に後期高齢者となるため、医療経済が大幅に圧迫されることを指す。10年後を見据えた今から行うべき取り組みを「予防医学」の観点から紹介する。
慢性脳卒中に期待、神経幹細胞治療 2015年3月19日、日本再生医療学会総会にて、米国・スタンフォード大学 脳神経外科 教授であるGary Steinberg氏が「Stem cell therapy for stroke(脳卒中の幹細胞治療)」と題して講演した。
多面的な介入、認知機能改善や維持に有効/Lancet 認知症リスクが高い高齢者に対して、食事や運動などの生活習慣および血管リスクモニタリングといった多面的な介入を行うことで、認知機能の改善あるいは維持が可能であることが実証された。フィンランド国立健康福祉センターのTiia Ngandu氏らが、同国一般市民を対象とした二重盲検無作為化対照比較試験FINGERの結果、報告した。Lancet誌オンライン版2015年3月11日号掲載の報告より。
エドキサバン、臨床的特徴で減量しても有効?/Lancet 心房細動患者に対し、エドキサバン(商品名:リクシアナ)の投与量を、臨床的特徴に応じて半減しても、脳卒中・全身性塞栓症の予防効果は維持され、大出血リスクは低下することが明らかにされた。米国ハーバード・メディカル・スクールのChristian T Ruff氏らが、2万人超を対象に行った二重盲検無作為化試験「ENGAGE AF-TIMI 48」のデータを分析し報告した。Lancet誌オンライン版2015年3月10日号掲載の報告より。
TAVR後、1年アウトカムは?/JAMA 米国・メイヨークリニックのDavid R. Holmes Jr氏らは、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)を受けた患者1万2,182例について、1年時点のアウトカムを発表した。全死因死亡は23.7%、脳卒中発生は4.1%であり、死亡と脳卒中の複合アウトカムの発生は26.0%であることが明らかにされた。新規医療デバイスに対しては臨床導入後、無作為化試験での結果とはアウトカムが異なるのではないかとの懸念がある。TAVRについてはこれまでに30日時点のアウトカムは報告されていたが、長期アウトカムについては不明なままであった。著者は、「今回の所見を、TAVRを受ける患者とのディスカッションに役立てるべきであろう」と述べている。JAMA誌2015年3月10日号掲載の報告。
抗凝固療法の出血リスク、遺伝子型で異なる/Lancet ワルファリンの出血リスクについて、CYP2C9、VKORC1の遺伝子型を持つ患者において早期出血の傾向がある人を特定できることが示された。米国ハーバード・メディカル・スクールのJessica L Mega氏らが、ENGAGE AF-TIMI 48試験の被験者データを分析し報告した。検討では、ワルファリンと比較して、エドキサバンの早期安全性に関するベネフィットが大きいことも明らかになったという。Lancet誌オンライン版2015年3月10日号掲載の報告より。
抗凝固薬による脳内出血、血腫増大の分岐点/JAMA 抗凝固療法の合併症で脳内出血を発症した人は、4時間以内の国際標準比(INR)が1.3未満で、収縮期血圧が160mmHg未満だと、血腫増大リスク、院内死亡リスクともに減少することが明らかにされた。オッズ比はそれぞれ0.28、0.60であった。ドイツ・エアランゲン-ニュルンベルク大学のJoji B. Kuramatsu氏らが、約1,200例の患者について行った後ろ向きコホート試験の結果、明らかにした。同発症患者について、経口抗凝固薬の再開についても分析した結果、再開は虚血イベントの低下につながることが示されたという。なお、これらの結果について著者は、前向き試験での再現性と評価の必要性を指摘している。JAMA誌2015年2月24日号掲載の報告より。
心房細動による脳卒中での寝たきり予防に 提言書 第二版を発表 公益社団法人日本脳卒中協会とバイエル薬品株式会が共同事業として展開する「心房細動による脳卒中を予防するプロジェクト」は3月4日、「脳卒中予防への提言 ―心原性脳塞栓症の制圧を目指して―(第二版)」を発表した。本提言書は、昨年5月に発表した「脳卒中予防への提言─心原性脳塞栓症の制圧を目指すために─初版」で示した提言について、どのように実行が可能なのかを、各地で進む事例を取り上げながら、具体的な実行策を示したもの。
腰椎穿刺によるクモ膜下出血の除外基準/BMJ 急性非外傷性頭痛の患者について腰椎穿刺を実施し、その結果、赤血球数が2,000×106/L未満で脳脊髄液の黄変化が認められない場合には、動脈瘤性クモ膜下出血を除外できることが明らかにされた。カナダ・オタワ大学のJeffrey J Perry氏らが、同国内12ヵ所の救急部門を訪れた急性非外傷性頭痛の患者1,739例について行った、前向きコホート試験の結果、明らかにした。BMJ誌オンライン版2015年2月18日号掲載の報告より。
ワーファリン治療中の頭蓋内血腫増大抑制は、早期のINRコントロールに加えて血圧管理が重要(解説:浦 信行 氏)-316 Joji B. Kuramatsu氏らの研究グループは、ドイツの3次救急施設での多施設共同後ろ向き研究で、ワーファリン使用例での頭蓋内血腫増大抑制には、搬入後4時間以内のINRの1.3未満と収縮期血圧160 mmHg未満での管理が有効であると報告した。