神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:146

認知症への抗精神病薬使用は心臓突然死リスクに影響するか

 死亡診断書や処方箋データを用いた研究によると、認知症患者に対するハロペリドールによる治療は、心臓突然死のリスク増大と関連していることが示唆されている。ルーマニア・トランシルバニア大学のPetru Ifteni氏らは、ハロペリドールで治療した認知症患者の突然死例において心臓突然死率が高いかどうかを、剖検所見を用い調査した。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2015年3月19日号の報告。

脳梗塞の発症しやすい曜日

 脳卒中発症の時間的なパターンを知り、可能性のあるトリガーを探索することは、脳卒中発症率を減少させるために重要である。脳卒中が特定の曜日に頻繁に発症する場合、何らかの「トリガー因子」が脳卒中を誘発するものと考えられる。京都府医師会脳卒中登録事業委員会では、11年間にわたる病院ベースの脳卒中登録より、曜日による脳卒中発症率の違いを調査した。その結果、脳梗塞においては、年齢・性別にかかわらず日曜日より月曜日のほうが発症率が高かった。著者らは、脳梗塞では発症の「トリガー因子」が存在するという仮説を提案している。BMJ Open誌2015年3月24日号に掲載。

臨床開発中止で患者2万超例分のデータが未公表/BMJ

 カナダ・マギル大学のAmanda Hakala氏らは、臨床開発中止となった薬物(stalled drugs)の試験報告へのアクセシビリティについて、登録試験を系統的に評価して定量化を行った。その結果、開発に成功し承認された薬物(licensed drugs)の試験公表率は75%に対し、開発が中止となった薬物については37%で、公表について両者に大きな差があることを明らかにした。著者は、「開発が遅れている薬物試験で収集された情報の大半が、研究や臨床に生かされてない」と述べ、「臨床研究における透明性、倫理性、説明責任を促進するポリシー改善を行うべきことが実証された」とまとめている。BMJ誌オンライン版2015年3月9日号掲載の報告。

急性期病院での認知症看護、その課題は:愛媛大

 認知症は公衆衛生上の大きな問題であり、ますます多くの認知症患者が合併症治療のために急性期病院へ入院している。一方で、急性期病院における認知症患者の看護に関する問題は、明らかにされてこなかった。愛媛大学の福田 里砂氏らはフォーカスグループインタビュー(FGI)を用いた質的研究を行い、主な問題として、さまざまな問題や困難が相互に作用して悪循環に陥っていること、看護師は矛盾を感じながらもそのような状況に対応するため最善を尽くしていることの2点を示した。International Journal of Qualitative Studies on Health and Well-being誌オンライン版2015年2月24日号の掲載報告。

神経難病へのメマンチンの可能性:群馬大

 脊髄小脳変性症1型(SCA1)はSca1遺伝子内にあるCAGリピートの伸長を原因とする進行性の神経変性疾患である。SCA1症状の発症機序は明確になっていないが、ニューロンの異常活性が、この疾患の特徴であるニューロン細胞死の一因となっている可能性が高い。群馬大学の飯塚 朗氏らは、SCA1ノックイン(KI)マウスにN-メチル-D-アスパラギン酸受容体(NMDAR)のメマンチンを長期経口投与し、SCA1の発症メカニズムについて検討した。その結果、マウスの体重減少抑制と生存期間の延長が認められ、SCA1の発症にNMDAR異常活性が関与している可能性を示唆した。Neuroscience Letters誌オンライン版2015年2月25日号の掲載報告。

抗凝固療法の出血リスク、遺伝子型で異なる/Lancet

 ワルファリンの出血リスクについて、CYP2C9、VKORC1の遺伝子型を持つ患者において早期出血の傾向がある人を特定できることが示された。米国ハーバード・メディカル・スクールのJessica L Mega氏らが、ENGAGE AF-TIMI 48試験の被験者データを分析し報告した。検討では、ワルファリンと比較して、エドキサバンの早期安全性に関するベネフィットが大きいことも明らかになったという。Lancet誌オンライン版2015年3月10日号掲載の報告より。

アルツハイマー病へのDBS、臨床応用への可能性は

 米国・ペンシルベニア大学のKeyvan Mirsaeedi-Farahani氏らは、アルツハイマー病(AD)に対する脳深部刺激療法(DBS)の費用対効果、臨床効果を標準治療との比較で検討した。その結果、軽度AD患者でDBSの成功率が20%以上であれば費用対効果は高いこと、80%を超えれば臨床効果、費用対効果ともに標準治療より高くなることを報告した。ADは記憶機能の障害を特徴とし、本症状はADの標準治療によりわずかな改善を認める。しかし最近の報告により、DBSが記憶機能を改善する可能性が示唆されていた。Journal of Neurology誌オンライン版2015年3月6日号の掲載報告。