保存期CKD患者の貧血治療が経口薬で(解説:浦信行氏)-1101
従来、CKDに合併する腎性貧血は透析例も含めて赤血球造血刺激因子製剤(ESA)が治療の主体であった。roxadustatは経口投与の低酸素誘導因子(HIF)の分解酵素阻害薬であり、結果的にHIFを安定化させて内因性エリスロポエチン(EPO)の転写を促進して腎性貧血の改善を促す。現在、roxadustatを含めて5製剤が開発中である。同時に鉄吸収や肝臓からの鉄の放出を抑えるヘプシジンの産生を抑制して、鉄利用を高める作用も併せ持つ。今回の第III相の結果は貧血改善に著効を呈し、しかも反応も2~3週間後の早期から期待できるようだ。これにはEPO産生の増加だけでなく、EPOの受容体も活性化し、加えて鉄供給・利用も連動することによると考えられる。