内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:165

家庭血圧の正しい測り方―AHAニュース

 血圧測定は健康管理の基本の一つだ。ただ、家庭血圧測定にはいくつかの注意点がある。米コロンビア高血圧センターのDaichi Shimbo氏は、「血圧計を買い求め、袖をまくり上げてボタンを押すだけで血圧を測定できる。簡単そうに思えるだろう。しかし必ずしもそうとは言えない」と語る。  高血圧は、心臓発作、脳卒中、認知症などと関連のある、有病率の高い疾患だ。医師は患者の血圧変動を把握するために、家庭血圧の測定を勧める。しかしShimbo氏によると、「専門家でさえ家庭血圧測定の手順を正確に理解していないことがある」とのことだ。家庭血圧測定に関するいくつかのポイントを紹介する。

仕事での身体活動とは別に余暇での運動が大切―産業医大

 仕事などによる身体活動量が多い人も、余暇時間に短時間でも運動をした方が、健康には良い可能性を示唆するデータが報告された。産業医科大学産業生態科学研究所の菅野良介氏、池上和範氏、大神明氏らの研究によるもので、詳細は「Frontiers in Sports and Active Living」に2月24日掲載された。  座位中心の生活よりも体を動かす生活の方が、健康に良いことは広く知られている。ただし、仕事などでの身体活動と、健康や体力の維持を目的とした運動とで、健康への影響が異なるのかどうかはよく分かっていない。菅野氏らはこの点について、産業医科大学が行っている「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下における労働者の生活、労働、健康に関する調査(CORoNaWork研究)」のデータを用いて検討を行った。

ノババックスワクチンに心筋炎・心膜炎の注意喚起/使用上の注意改訂指示

 厚生労働省は7月8日、新型コロナウイルスに対するノババックス製新型コロナウイルスワクチン「組換えコロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン」(商品名:ヌバキソビッド筋注)について、使用上の注意に「重要な基本的注意」の項目を新設し、心筋炎・心膜炎に関して追記するよう改訂指示を発出した。  今回の改訂指示は、第81回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第6回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(2022年7月8日開催)における審議結果などを踏まえたものとなる。

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版、主な改訂点5つ/日本動脈硬化学会

 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版が5年ぶりに改訂、7月4日に発刊された。本ガイドライン委員長の岡村 智教氏(慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学 教授)が5日に開催されたプレスセミナーにおいて変更点を紹介した(主催:日本動脈硬化学会)。  今回の改訂でキーワードとなるのが、「トリグリセライド」「アテローム血栓性脳梗塞」「糖尿病」である。これを踏まえて2017年版からの変更点がまとめられている序章(p.11)に目を通すと、改訂点が一目瞭然である。なお、本書のPDFは動脈硬化学会のホームページより誰でもダウンロードできる。

うつ病患者における抗うつ薬の継続と慢性疼痛発症率~日本でのレトロスペクティブコホート

 うつ病と慢性疼痛との関連は、よく知られている。しかし、うつ病患者における抗うつ薬の治療継続およびアドヒアランスと慢性疼痛発症との関連は不明なままであった。これらの関連を明らかにするため、ヴィアトリス製薬のShingo Higa氏らは、日本国内のデータベースを用いたレトロスペクティブコホート研究を実施した。その結果、うつ病患者に対する6ヵ月以上の抗うつ薬の継続処方は、慢性疼痛発症を低減させる可能性があることが示唆された。Journal of clinical psychopharmacology誌2022年5-6月号の報告。

モデルナ2価ワクチン候補、BA.4およびBA.5に強力な中和抗体反応示す

 2022年6月22日、Moderna(米国)はオミクロン株に対する2価追加接種ワクチン候補mRNA-1273.214が第II/III相臨床試験において、すべての被験者でオミクロン株亜種BA.4およびBA.5に対する強力な中和抗体反応を示したことを発表した。  今回公表されたのは、初回接種ならびに1回追加接種が行われた被験者にmRNA-1273.214を50μg追加接種したデータである。発表された主な結果は以下のとおり。

オンデキサの臨床的意義とDOAC投与中の患者に伝えておくべきこと/AZ

 アストラゼネカは国内初の直接作用型第Xa因子阻害剤中和剤オンデキサ静注用200mg(一般名:アンデキサネット アルファ[遺伝子組み換え]、以下:オンデキサ)を発売したことをうけ、2022年6月28日にメディアセミナーを開催した。  セミナーでは、はじめに緒方 史子氏(アストラゼネカ 執行役員 循環器・腎・代謝/消化器 事業本部長)により同部門の新領域拡大と今後の展望について語られた。  AstraZeneca(英国)とアレクシオン・ファーマシューティカルズが統合したことで、今後多くのシナジーが期待されるが、今回発売されたオンデキサはその象徴的なものであると考えている。同部門では、あらゆる診療科に情報提供を行っているため、オンデキサの処方が想定される診療科だけでなく、直接作用型第Xa因子阻害剤を処方している診療科にも幅広く情報提供が可能である。オンデキサが必要な患者さんに届けられるよう、認知拡大や医療機関での採用活動に注力していきたいと述べた。

高齢者の悪夢はパーキンソン病発症のサイン?

 悪夢は誰にとっても不安なものだが、高齢者の悪夢はパーキンソン病(PD)発症のサインである可能性のあることが、「eClinicalMedicine」に6月8日掲載された論文で報告された。論文の著者である英バーミンガム大学ヒト脳健康センター(CHBH)のAbidemi Otaiku氏は、「この研究は、夢から脳の構造や機能に関する重要な情報を得られることを示すものだ。夢が神経科学における重要な研究分野となる可能性がある」と話している。  過去の研究では、PD患者は一般の人に比べて、悪夢を見る頻度の高いことが報告されている。しかし、PD発症リスクの指標として悪夢を用いることについては、これまで検討されていなかった。

背が高いと病気のリスクも高い?

 平均よりも背が高い人は、そのことに関連している遺伝因子がさまざまな疾患のリスクに影響を与える可能性があるという、新たな研究結果が発表された。米コロラド大学アンシュッツ医学キャンパスのSridharan Raghavan氏らの研究によるもので、詳細は「PLOS Genetics」に6月2日掲載された。  身長と疾患リスクの関係については過去にも研究されており、高身長の場合に心房細動と静脈瘤のリスクが高く、反対に冠動脈性心疾患や高血圧、高コレステロール血症のリスクは低いことが報告されていた。今回の研究では新たに、高身長が末梢神経損傷や足の潰瘍などのリスクの高さと関連のあることが分かった。ただしRaghavan氏は、「背が高いからといって、これらの疾患をいずれ発症する運命にあるとは限らない。個人的には、高身長であることを変更不能な疾患リスク因子として、憂慮すべきではないと考える」と述べている。

新型コロナ、2m超でも感染した事例のリスク因子/BMJ

 英国・UK Health Security AgencyのDaphne Duval氏らは、システマティック・レビューの結果、レストラン、公共交通機関、職場、合唱会場といった屋内環境において2m以上離れていても新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染(airborne transmission)が生じる可能性があり、感染に寄与する可能性がある要因として不十分な換気が特定されたことを報告した。SARS-CoV-2感染リスクは、感染者に近接したとき(2m未満)に最も高くなる傾向があり、スーパースプレッダーでは2m超でも感染する可能性が示唆されていたが、詳しいことは不明であった。著者は、「今回の結果は、屋内環境での感染予防対策、とくに十分な換気の必要性を強調するものである」とまとめている。BMJ誌2022年6月29日号掲載の報告。