感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:37

高齢者への2価コロナワクチン、脳卒中リスクは?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するファイザー製またはモデルナ製のいずれかの2価ワクチンを接種後に脳卒中を発症した65歳以上の米国メディケア受給者において、接種直後(1~21日間)に脳卒中リスクが有意に上昇したことを示すエビデンスは確認されなかった。米国食品医薬品局(FDA)のYun Lu氏らが、自己対照ケースシリーズ研究の結果を報告した。2023年1月、米国疾病予防管理センター(CDC)とFDAは、ファイザー製の「BNT162b2」(2価:起源株/オミクロン株BA.4-5)を接種した65歳以上の高齢者における虚血性脳卒中に関する安全性の懸念を指摘していた。JAMA誌2024年3月19日号掲載の報告。

新型コロナウイルス感染症の認知機能障害は徐々に軽症化している(解説:岡村毅氏)

イングランドで80万例を対象にした、新型コロナウイルス感染症と認知機能の大規模調査である。まだよくわかっていないことの全体像をつかむための研究であり、規模が大きく、情報の確度も高く、適切な時期に適切な報告がなされたと思う。対象者は、期間(無症状/4週以内に完治/12週以内に完治/12週以上かかったが完治/12週以上かかってまだ症状がある)、感染株(オリジナル/アルファ/デルタ/オミクロン)、医療(救急受診/入院/集中治療室)などで分類している。認知機能は、直後再生、空間記憶、語義、抽象思考、空間操作、遅延再生などをみっちりとられる。なかなか大変である。まず、認知機能の全体を見ると、2020年1月に始まった世界的流行であるが、それから時間がたてばたつほどに感染者の認知機能低下は軽くなっている。古い株ほど、また症状の期間が長いほど、認知機能低下は重度である。常識的な結果といえる。

麻疹ワクチン不足、定期接種を最優先に/日医

 日本医師会常任理事の釜萢 敏氏が、2024年3月27日の定例記者会見で、現在の麻疹(はしか)の流行状況について報告した。  麻疹の届け出は、2019年は744例、2020年は10例、2021年は6例、2022年は6例、2023年は28例であったが、本年は3月17日までに20例あり、海外から持ち込まれる麻疹の感染者が着実に増えてきているという認識を示した。そのような中で、麻疹含有ワクチンの接種を希望する人が増え、それによって定期接種のMR(麻疹風疹混合)ワクチンが入手できないという懸念が寄せられているという。

乳児HIV感染予防、母親のウイルス量に基づくラミブジン単剤投与が有望/Lancet

 小児の新規HIV感染の半数以上が母乳を介したものだという。ザンビア・University Teaching HospitalのChipepo Kankasa氏らは「PROMISE-EPI試験」において、ポイントオブケア検査での母親のウイルス量に基づいて、乳児へのラミブジンシロップ投与を開始する予防的介入が、小児のHIV感染の根絶に寄与する可能性があることを示した。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2024年3月11日号で報告された。  研究グループは、母親への抗レトロウイルス療法(ART)に加えて、母親のウイルス量のポイントオブケア検査に基づく乳児へのラミブジンによる出生後予防治療の期間を延長することで、出生後の感染の抑制が可能との仮説を立て、これを検証する目的で、ザンビアとブルキナファソの8施設で非盲検無作為化対照比較第III相試験を行った(英国保健省[DHSC]によるEDCTP2プログラムの助成を受けた)。

新型コロナによる世界の死亡率と平均余命への影響/Lancet

 世界の成人死亡率は、2020年および2021年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック中に著しく上昇し、それまでの減少傾向が逆転した一方、小児死亡率は以前より緩やかではあるものの減少が続いていた。米国・保健指標評価研究所(IHME)のAustin E. Schumacher氏らGBD 2021 Demographics Collaboratorsが解析結果を報告した。COVID-19はパンデミックの最初の2年間に多くの人口統計学的指標に大きな影響を及ぼしたが、評価した72年間にわたる世界全体の保健医療の進歩は大きく、死亡率と平均余命は著しく改善していたという。また、低所得国では人口が安定または増加しているにもかかわらず、2017年以降、世界の人口増加の減速と共に、世界的に人口年齢構造の高齢化が続いていた。

酒で顔が赤くなる人は、コロナ感染リスクが低い?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック時、日本は欧米などと比較して人口当たりの感染率・死亡率が低かったことが報告されている。この要因としては、手洗いやマスクなどの感染予防策が奏効した、日本の高い衛生・医療水準によるものなどの要因が考えられているが、アジア人に多い遺伝子型も一因となっている可能性があるとの報告がなされた。佐賀大学医学部 社会医学講座の高島 賢氏らによって国内で行われた本研究の結果は、Environmental Health and Preventive Medicine誌に2024年3月5日掲載された。  日本人をはじめとした東アジア人には、アルコールを分解するアルデヒド脱水素酵素2型(ALDH2)の活性が弱く、飲酒時に顔が赤くなる特性を持つ人(rs671変異体)が多い。

ソーシャルワーカーの介入、HIV患者の退院後の受診改善/JAMA

 入院中のHIV感染患者への介入として、強化された標準ケアと比較して、退院後のHIVクリニックへの受診を促す連携型の患者管理(linkage case management)による介入は、退院後の死亡率を改善しないものの、受診までの期間を短縮し、抗レトロウイルス療法(ART)のアドヒアランスやウイルス量が抑制された患者の割合を改善することが、米国・Weill Cornell MedicineのRobert N. Peck氏らが実施した「Daraja試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2024年3月6日号で報告された。

HIV曝露前予防、F/TDFはシス女性にも有効か?/JAMA

 シスジェンダー女性におけるHIV曝露前予防のためのエムトリシタビン/テノホビル・ジソプロキシルフマル酸塩(F/TDF PrEP)について、市販後臨床試験11件のプール解析において全体のHIV罹患率は100人年当たり0.72であったことが示された。米国・アラバマ大学バーミンガム医学校のJeanne Marrazzo氏らによる検討結果で、F/TDF PrEPのアドヒアランスが「一貫して毎日」や「高い(週4~6回服用)」人は、HIV罹患率が非常に低率であったことも示されたという。F/TDF PrEPについては、アドヒアランスが高い(週4回以上)男性と性行為を行うシスジェンダーの男性において、非常に有効であることが示されている。一方で、シスジェンダー女性におけるF/TDF PrEPに関するリアルワールドの有効性およびアドヒアランスについては、明確には特徴付けがされていなかった。JAMA誌オンライン版2024年3月1日号掲載の報告。

新規2型経口生ポリオワクチン(nOPV2)、有効性・安全性を確認/Lancet

 新規2型経口生ポリオウイルスワクチン(nOPV2)は、ガンビアの乳幼児において免疫原性があり安全であることを、ガンビア・MRC Unit The Gambia at the London School of Hygiene and Tropical MedicineのMagnus Ochoge氏らが、単施設で実施した第III相無作為化二重盲検比較試験の結果を報告した。nOPV2は、セービン株由来経口生ポリオウイルスワクチンの遺伝的安定性を改善し、ワクチン由来ポリオウイルスの出現を抑制するために開発された。著者は、「本試験の結果は、nOPV2の認可とWHO事前認証を支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2024年2月22日号掲載の報告。

コロナによる認知障害、症状持続期間による違いは?/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)へ感染し、症状が消失・回復しても、症状の持続期間にかかわらず軽度の認知機能障害が認められた。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのAdam Hampshire氏らが、オンライン評価による大規模コミュニティのサンプル調査(14万例超)の結果を報告した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後の認知機能障害はよく知られているが、客観的に測定可能な認知機能障害が存在するか、またどのくらいの期間持続するかは不明だった。NEJM誌2024年2月29日号掲載の報告。   研究グループは、イングランドの試験に参加した成人80万例に対し、認知機能のオンライン評価の実施を依頼し、8タスクの全般的認知機能スコアを推定した。  感染発症後に12週間以上持続する症状を有した患者は、客観的に測定可能な全般的認知機能障害があり、とくに直近の記憶力低下または思考や集中困難(ブレインフォグ)を報告した患者では、実行機能と記憶の障害が観察されるだろうと仮説を立て、検証した。