感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:254

HPVワクチン接種を受けた少女、その後の性交渉に変化はみられるのか?

HPVワクチン接種を受けた少女と受けなかった少女について、その後3年間の性交渉に関連した受診動向について後ろ向きに比較した結果、接種群の複合アウトカムリスク(妊娠/性感染症の検査または診断、避妊カウンセリング)の増大は、認められなかったことが報告された。米国のHMOカイザーパーマネント南東部ヘルスリサーチセンターのBednarczyk RA氏らによる報告で、これまでHPVワクチン接種後の性交渉の変化について自己申告に基づくサーベイ調査はあったが、臨床的指標を用いた調査はこれが初めてだという。Pediatrics誌オンライン版2012年10月15日号の掲載報告。

5価ロタウイルスワクチンの有効性、1回接種88%、2回接種で94%に

5価ロタウイルスワクチン(RV5、商品名:ロタテック)について、3回接種を完了していなくても、ロタウイルス胃腸炎に対し有効性を示すことが報告された。米国・OptumInsight EpidemiologyのWang FT氏らが、3回接種を完了しなかった乳児を追跡した結果で、著者は「規定接種を完了しなかった場合のベネフィットを考えるうえで意義ある結果が得られた」と述べている。Pediatr Infect Dis J誌オンライン版2012年9月25日号の掲載報告。

学校でのワクチン接種プログラムに対し、多くの開業医が自院経営面への影響を懸念

米国・CDC公衆衛生予防サービス部門のMcCormick EV氏らは、学校で行われる青年期ワクチン(思春期ワクチン)およびインフルエンザワクチンの接種に対する医師の考え方について調査を行った。コロラド州の開業医1,337人を対象とした調査の結果、大半の医師が学校でのワクチン接種を支持する一方で、診療所経営への影響について懸念を抱いていることが明らかとなった。著者は、「医師の民間保険加入者への接種に対する支持が少なく、受診児の減少と収入への影響が障壁となっていることが示されたが、さらなる調査が必要である」とまとめている。Pediatrics誌オンライン版2012年10月1日号の掲載報告。

小児臨床試験の潮流、感染症/ワクチン試験が23%と最も多くを占める

臨床試験はエビデンスベースの医学情報を生み出すゴールドスタンダードである。米国では近年の法律制定により、ClinicalTrials.govへの臨床試験登録が義務化され、これまでは不可能であった臨床試験計画の全体的な評価が可能になった。そこで米国・デューク大学医学校のPasquali SK氏らは、小児臨床試験のポートフォリオを明らかにするため、ClinicalTrials.govを解析した。著者は、「今回の解析結果は、小児臨床試験実施の判断情報としてステークホルダーに役立つものとなるであろう。また、小児保健を改善するための試験のあり方(インフラや方法論)を前進させる上でも役立つ可能性がある」と結論している。Pediatrics誌オンライン版2012年10月1日号の掲載報告。

「ワクチンをためらう親」に特徴的な因子とは?

 米国では「ワクチンをためらう親(vaccine-hesitant parents:VHPs)」が増えており、その多くは、MMRワクチンの接種控えという形で表出しているという。米国・ミシガン大学のGowda C氏らは、MMRワクチンに対する親の懸念の比重が、ためらいの程度によって異なるのか探索的研究を行った。その結果、親のワクチンに対する特有の懸念には、「ワクチン接種意向」に基づく多様な特徴があると報告。今後の啓発プログラムでは、そうした懸念を持つ親のためらいの程度に応じて、メッセージを修正していくべきであると提言した。Hum Vaccin Immunother誌オンライン版2012年10月2日号の掲載報告。

ロタウイルスワクチンの定期接種、入院および死亡を低下

 マレーシア大学医療センターのLee WS氏らは、同国で隔離されたロタウイルスA (RV-A)遺伝子型について精査し、同国内のRV-Aワクチン定期接種の有効性を推定した。その結果、ロタウイルス胃腸炎関連の入院および死亡率の低下が推定でき、ワクチン定期接種は有効であるとまとめた。Hum Vaccin Immunother誌オンライン版2012年9月28日号の掲載報告。

PCV13はPCV7よりも広範な防御を提供する可能性

 韓国・延世大学校医療院セブランス病院のKim DS氏らは、同国の小児ワクチン定期接種における小児肺炎球菌ワクチンについて、7価(PCV7)と13価(PCV13)の免疫原性と安全性に関して比較した。その結果、「PCV13の免疫原性と安全性が認められた。PCV13はPCV7よりも広範な防御を提供するだろう」と結論している。Pediatr Infect Dis J誌オンライン版2012年9月24日号の掲載報告。

ロタウイルスワクチン接種、親の承認決定因子とは?

 カナダのロタウイルスワクチン接種率は、2008~2009年のサーベイ時点で20%未満であったという。カナダ・ケベック州国立公衆衛生研究所のDube E氏らは、ロタウイルスワクチン接種の親の承認に関する決定因子を調べた。主な決定因子は親の意向(intention)であり、個人的基準に基づく信用(personal normative beliefs)が影響を与えていることなどが明らかとなった。著者は「ヘルスプロモーションが、疾患やワクチンに関する親の知識や態度、信条に向けて行われるならば、ロタウイルスワクチン接種に対する受容性は高まるだろう」と提言した。Health Educ Res誌オンライン版2012年8月20日号の報告。

ロタウイルスワクチン承認後、胃腸炎関連の救急コールサービスが減少

 ロタウイルスワクチン承認前後の地域救急コールサービスの変化を調べた結果、承認後は胃腸炎関連コールが減少し、そのピークが従来のロタウイルスシーズンよりも前倒しとなり、ノロウイルスとの関連を示すものに変化していたことが報告された。米国・ヴァンダービルト医科大学のWilliams DJ氏らがテネシー州で調べた結果で、「現在の地域の胃腸炎の病原体はノロウイルスであることが強調されるところとなった」と述べている。Pediatrics誌オンライン版2012年9月10日号の報告。

HIVインテグレース阻害薬ドルテグラビル 年内に欧米で新薬承認申請へ

 塩野義製薬株式会社は4日、同社とViiV Healthcare社が共同で立ち上げたジョイントベンチャーであるShionogi-ViiV Healthcare LLC(本社:米国デラウェア州)を通じて開発中の次世代インテグレース阻害薬ドルテグラビル(一般名、塩野義製薬 開発番号:S-349572)に関して、欧米にて新薬承認申請を行うために必要な臨床試験データが、計4つの第3相臨床試験から得られたと発表した。