消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:164

未治療のC型肝炎に対するレディパスビル+ソホスブビル治療の有効性/NEJM

 未治療のC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝型1型感染患者の治療として、レディパスビル+ソホスブビル治療はきわめて高い有効性を発揮することが、米国ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのNezam Afdhal氏らが実施したION-1試験で示された。インターフェロンが使用できない患者に対する治療選択肢の確立が求められているが、現時点で米国FDAの承認を得ているインターフェロン・フリーのレジメンは1つしかない。一方、核酸型ポリメラーゼ阻害薬ソホスブビルとNS5A阻害薬レディパスビルの経口配合薬の第II相試験では、高い持続的ウイルス消失(sustained virological response:SVR)率が達成されている。NEJM誌オンライン版2014年4月12日号掲載の報告。

既治療のC型肝炎に対するレディパスビル+ソホスブビル治療の有効性/NEJM

 インターフェロンベースの治療では持続的なウイルス消失(sustained virological response:SVR)が得られなかったC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝型1型感染患者に対し、レディパスビル+ソホスブビル配合薬の1日1回1錠投与による治療が有効であることが、米国・ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのNezam Afdhal氏らが実施したION-2試験で示された。これら2つの薬剤は直接作用型抗ウイルス薬で、ソホスブビルは核酸型NS5Bポリメラーゼ阻害薬、レディパスビルはNS5A阻害薬である。米国のガイドラインでは、既治療の1型感染患者に対しソホスブビル+NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬シメプレビル(±リバビリン)の併用療法が推奨されているが、これは第II相試験の限られたデータに基づくものだという。NEJM誌2014年4月17日号(オンライン版2014年4月11日号)掲載の報告。

トリクロサン被覆縫合糸、術後感染症リスクを減少せず/Lancet

 正中開腹術の縫合に、トリクロサンで被覆した縫合糸を使っても、被覆していない縫合糸を使った場合と比べて、術後30日以内の術部感染症の発症リスクは減少しないことが判明した。ドイツ・ハイデルベルク大学のMarkus K. Diener氏らが、約1,200例を対象に行った無作為化比較試験「PROUD」の結果、報告した。術後手術部位感染症は、最も頻繁な開腹手術後の合併症の1つである。トリクロサン被覆縫合糸は、その発生を抑制することを目的に開発されたものだった。Lancet誌オンライン版2014年4月4日号掲載の報告より。

大腸がんスクリーニング、遠位大腸がん死亡リスクを減少/BMJ

 S状結腸鏡検査または大腸内視鏡検査による大腸がんスクリーニング検査は、いずれも遠位大腸がんによる死亡リスクを大幅に減少することが、ドイツ・がん研究センターのHermann Brenner氏らが行ったメタ解析で確認された。また、大腸内視鏡検査については、近位大腸がんの死亡リスク減少効果があることも明らかになった。    両検査の大腸がん発生リスク低下との関連は、1992年以降に観察研究では報告されていた。またS状結腸鏡検査によるスクリーニングが、全体および遠位大腸がんの発生および死亡リスクの低下と関連することは、2009年以降、4件の無作為化試験が報告されていた。しかし、両検査を比較しての付加的価値については、無作為化試験が少なく、不明であった。BMJ誌オンライン版2014年4月9日号掲載の報告より。

腺腫検出率1%上昇で中間期大腸がんリスク3%低下/NEJM

 腺腫の検出率と、中間期大腸がん、進行期の中間期がん、致死的な中間期がんのリスクとの間には逆相関の関連がみられることが判明した。米国・カイザーパーマネンテ社のDouglas A. Corley氏らが、消化器専門医136人が行った大腸内視鏡検査31万4,872件について分析した結果、報告した。大腸内視鏡検査は、大腸がん検出のプライマリまたはフォローアップスクリーニングとして一般に行われている。また最近では、医師が行うスクリーニング大腸内視鏡検査での1つ以上の腺腫の検出率が、質の評価の指標として推奨されるようになっていた。しかし、この検出率とその後の大腸がん(中間期がん)や死亡のリスクとの関連については、ほとんど分析がされていなかったという。NEJM誌2014年4月3日号掲載の報告より。

臓器移植後の慢性E型肝炎ウイルス感染にリバビリン単剤が有望/NEJM

 臓器移植後の慢性E型肝炎ウイルス(HEV)感染には、約3ヵ月間のリバビリン単剤療法が有効である可能性が示された。フランス・CHU RangueilのNassim Kamar氏らが、59例の固形臓器移植レシピエントを対象に、後ろ向きに検討した多施設共同症例集積研究を行い報告した。HEV感染に対しては現状、有効性が確立した治療法がない。NEJM誌2014年3月20日号掲載の報告より。

バレット食道のがん進行リスク、高周波アブレーションで抑制/JAMA

 軽度異形成を伴うバレット食道に対する高周波アブレーションは、腫瘍への進行リスクを抑制することが、オランダ・アムステルダム大学のK. Nadine Phoa氏らが行った追跡期間3年の無作為化試験の結果、報告された。過去30年で食道腺がんの発生率は6倍増大しており、西側諸国において最も急速に増大したがんとなっているという。食道腺がんのリスクは、軽度異形成を伴うバレット食道により増大するが、大半のガイドラインは、同患者における腫瘍への進行について内視鏡検査(6~12ヵ月ごと)でのモニタリングを勧めている。Phoa氏らは、内視鏡サーベイランスとの比較で内視鏡的高アブレーションが同患者における腫瘍への進行リスクを抑制するかを検討した。JAMA誌2014年3月26日号掲載の報告より。

ドナーの年齢や性別の不一致は予後に影響する?HCV感染/非感染者への肝移植

 C型肝炎ウイルス(HCV)感染者への肝移植は、50歳以上のドナーからの移植を回避することで、予後を向上させる可能性があることが、ポーランド・ワルシャワ医科大学のMichal Grat氏らの報告により明らかになった。一方、ドナーとレシピエントの性別の一致/不一致で予後が左右されることはなかった。Annals of transplantation誌2013年12月23日号の報告。

重症敗血症、アルブミンを投与しても死亡率変わらず/NEJM

 重症敗血症または敗血症性ショックの患者に対し、晶質液に加えてアルブミンを投与しても、晶質液単独投与と比較して28日、90日の生存率は改善しなかったことが示された。イタリア・ミラノ大学のPietro Caironi氏らが、1,818例対象の多施設共同非盲検無作為化試験ALBIOSの結果、報告した。先行研究において、重症敗血症に対するアルブミン投与のベネフィットが示唆されたが、有効性については十分には確立されていなかった。NEJM誌オンライン版2014年3月18日号掲載の報告より。